5月28日のながさきニュース
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長崎新聞
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加害少年が一時行方不明に 長崎で保護、2003年男児誘拐殺害事件
長崎市で二〇〇三年七月に起きた男児誘拐殺害事件で、児童自立支援施設「国立武蔵野学院」(さいたま市)を退所した加害少年(18)が昨年九月、県職員と九州の里親のところに向かう途中で行方不明となり、数日後に長崎市内で保護され施設に戻されていたことが二十七日、県などへの取材で分かった。県は児童福祉法の理念や個人情報保護の観点から少年の近況や更生状況などを公表していないが、退所後に施設に戻すという事態が発生したことで、更生教育の成果も含めた情報開示の在り方があらためて問われそうだ。
児童福祉法では児童福祉施設(児童自立支援施設含む)への入所は十八歳までで、特例として二十歳まで延長できる。県によると、少年は十八歳になる前に武蔵野学院を退所。昨年九月中旬、本県以外の九州のある県に住む里親のところに県職員と向かう途中、宿泊施設に泊まったが、職員が目を離した際にいなくなったという。少年は数日後に長崎市内にいるところを発見、保護された。少年は現金数万円を持っていたとみられる。県はこの事態を受け少年を施設に戻した。
少年は事件から約三カ月後の〇三年九月に武蔵野学院に入所した。このうち約四年間という長期にわたり外から鍵の掛かる個室で生活させ、行動の自由を制限できる強制的措置が認められた。県は〇七年九月「問題行動を起こすリスクは少ない」として強制的措置を解除。少年はその後も一定期間同施設で生活した後、退所したとみられている。
県は措置の解除を発表した〇七年七月の記者会見で「今後の対応については公表しない」としていた。これに対し殺害された種元駿ちゃん=当時(4つ)=の遺族は昨年七月、事件から五年を前に公表した手記で「どうしてこのような殺人を犯したのか、更生のためにどのような教育を受けているのか、いつ社会に復帰するのか、個人を特定しない形で公にされるべきと考えています」と更生状況など情報開示の必要性を訴えていた。
県こども政策局の森下傳太郎局長は「詳しいことはノーコメントだが少年は更生できている」と話している。
◆ズーム/長崎市の男児誘拐殺害事件
2003年7月1日夜、長崎市の家電量販店で幼稚園児、種元駿ちゃん=当時(4)=が誘拐され、翌2日朝、約4キロ離れた同市中心部の立体駐車場で遺体で発見された。県警は7月9日、市内の中学1年の男子生徒=当時(12)=を補導。少年は、立体駐車場の屋上(高さ約20メートル)から男児を転落させ殺害したことを認めた。少年は国立武蔵野学院(さいたま市)に入所。約4年にわたり施設内での行動を制限できる強制的措置が取られたが、07年9月に解除された。
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