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【福井】医師の過失を全面否定 心臓手術男児死亡で地裁判決2009年5月28日 心臓疾患で手術を受けた長男=当時(10)=が死亡したのは医師の処置に過失があったからだとして、越前市の母親(34)が病院側に慰謝料など約7000万円の支払いを求めていた訴訟の判決で、福井地裁は27日、医師の過失を否定し、原告の訴えを棄却した。原告側は控訴を検討するという。 訴えられていたのは手術をした福井循環器病院を経営する福井心臓血圧センター(福井市)と、手術前から長男を診療していた福井愛育病院(同)。 棄却理由について坪井宣幸裁判長は「手術時期の遅れや処置のミスなど、医師に過失は認められない」とした。 判決は手術時期について「基準となる左心室と大動脈の血圧差の数値からは医師の見立てが遅れたとはいえない」とし、大量出血への対応についても「出血個所への人工血管の縫合や止血剤投与、人工心肺の操作に過失はなかった」として、医師の過失を全面的に否定した。 訴状などによると、長男は出生後、愛育病院で大動脈弁上部狭窄(きょうさく)症と診断され、2003年11月に循環器病院で狭窄部を拡大する手術を受けたが、2週間後に死亡した。 判決後、母親は「裁判長の判断は納得できない」などと批判した。 両病院の代理人弁護士は「こちらの主張がすべて認められた。妥当な判決」と語った。 (原田晃成)
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