酒気帯び運転でも一発で免許取り消し処分になるかも‐。飲酒運転に関する行政処分を厳しくする改正道路交通法が6月1日に一部施行される。2007年9月の法改正で罰則が強化されて以降、県内の飲酒運転は減少傾向にあったが、今年に入り摘発件数は増加ぎみ。県警交通指導課は「これを機に飲酒運転撲滅の機運が再び高まれば」と期待している。
6月1日から酒気帯び運転でも免許取り消し処分となるのは、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25ミリグラム以上の場合など。同課によると、県内で昨年、酒気帯び運転で摘発された414人のうち、7割に当たる279人から、これを上回る数値が検出された。
数値を下回っても、飲酒の上で人身事故や速度違反などを起こせば免許取り消し処分の対象となり得る。県内では昨年、85件の飲酒運転の人身事故が発生した。
警察庁によると、免許が取り消される違反点数は、過去3年間に免許取り消しや停止処分を受けていない場合で15点。現行制度では呼気1リットル中のアルコール濃度0.25ミリグラム以上が13点、0.25ミリグラム未満が6点の減点でいずれも免許停止処分にとどまっていたが、6月1日以降はそれぞれ25点、13点まで大幅に引き上げられるため「一発で免許取り消し」となるケースも増えるとみられる。
同課によると、福岡市の三児死亡事故が契機となった07年9月の法改正以降、県内の飲酒運転はほぼ半減していたが、今年は142件(4月末現在)が摘発されており、昨年の同時期と比べて20件も増加しているという。
同課の浜田博次席は「6月から処分が厳しくなることもあり、『飲んだら乗るな』の意識をあらためて高めてほしい」と注意を呼び掛けている。
=2009/05/28付 西日本新聞朝刊=