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関西大倉の新型インフル、感染力は「高くない」

2009年5月27日

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 国立感染症研究所(東京)は26日、新型の豚インフルエンザが集団発生した関西大倉中学・高校(大阪府茨木市)での疫学調査の中間報告を発表した。感染拡大の主な原因は通学バスとみられ、生徒間以外の感染は少ないことから、「それほど高い感染性はない」との見方を示した。症状はいずれも軽かったという。

 これまでに関西大倉中学・高校の生徒と教職員100人余りの感染が確認されている。疫学調査では、19日までに確認された生徒61人、教職員3人から症状や他人との接触状況を聞き取った。

 その結果、11日に高校2年の同じクラスの3人がA型インフルエンザと診断されて欠席、13日には別のクラスも含め36人が欠席して学年閉鎖となったことがわかり、この学年の間で感染が広がり始めた可能性が高いと判断した。ただ、発症初期の患者は新型インフルエンザと診断されていないため、感染の発端については調査できず不明という。

 親しい生徒間やクラブ活動を通じた感染もあったが、クラスや学年を越えて拡大した大きな要因は通学バスだったとみている。全生徒約1900人の8割にあたる約1500人が利用。登下校時とも常に満席で、つばを介した飛沫(ひまつ)感染が起きやすい状況だった。家庭では、きょうだい間に比べて親への感染は少なかったが、理由はわかっていないという。

 あるクラスでは、最初の発症者と席が近い生徒から順に欠席していった。こうした状況を踏まえ、調査した安井良則・主任研究官は「比較的長時間、近くで接触した人が感染し、希薄な関係で広がるものではない。大阪に行くだけで感染するとはとても思えない」と述べた。

 一方、学校関係者が中傷を受けている問題については「インフルエンザは誰もがいずれ感染する可能性があり、発病した人が他の人と違うわけではなく、何も悪くない。中傷はやめてほしい」と冷静な受け止めを呼びかけた。

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