東京都板橋区の不動産賃貸業、瀬田英一さん(74)と妻千枝子さん(69)が殺害され、自宅に放火された殺人・放火事件で、犯人は瀬田さん方の塀を乗り越えて逃走した疑いがあることが警視庁板橋署捜査本部の調べで分かった。付近の防犯ビデオに不審な人物が映っていないかどうか調べる。また、居室で発見された現金が約1000万円と多額だったことから、捜査本部は恨みによる犯行の疑いがあるとみている。
捜査幹部によると、瀬田さん方の敷地は大人の肩ほどの高さの塀で囲まれており、正門や勝手口など計4カ所の出入り口がある。出火当時はいずれも施錠されていたとみられ、消防隊は木戸などを壊して入ったという。人目を避けるため、犯人は塀を乗り越えて逃げたとみられる。
また、捜査幹部によると、現金は千枝子さんが倒れていた居間の奥の部屋で見つかった。燃え残った分だけでも約1000万円あった。瀬田さんは資産家として知られていたが、多額の現金が残されていたことから、恨みによる犯行の疑いが浮上、トラブルがなかったかどうか捜査する。
26日の現場検証では、室内から複数の刃物やペンチなどの工具類が見つかった。【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】
毎日新聞 2009年5月27日 13時01分(最終更新 5月27日 13時57分)