【党首討論詳報】(4)鳩山氏「小沢氏の説明責任、近く報告書が出る」
5月27日17時35分配信 産経新聞
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党首討論で発言する鳩山由紀夫・民主党代表(右)と、その間に水を飲む麻生太郎・首相(左) =27日午後3時41分、国会・参院第一委員会室(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞) |
鳩山氏 「首相、今ですね、大変、聞き捨てならない発言をされました。私どもの側に、何? 政治資金規正法に犯した人がいる? 決まったわけじゃないですよ、これは。これから裁判で決着がつく話ですよ。で、その話で申しあげれば、そちらにもたくさんおられたじゃないですか。おかしな話ですよ。これを。漆間(巌)官房副長官がおっしゃいましたよね。『自民党には捜査は及ばない』。及んでないんですよね。同じことをして、一方では、秘書が逮捕・起訴され、他方では何にもおとがめなし。そんなバカなことが行われている、これが検察官僚がやることなのかと。われわれはそこで、官僚国家に対して、しっかりとした歯止めをかけなきゃいけない、そう真剣に思っているわけであります」
「それから、国民の皆さんが一番関心のあるのはこの話だということに関して申しあげれば、新しい体制ができて、この新しい体制のおかげで、さいたまの市長選も勝利できましたよ、おかげさまで。国民の皆さんが大変、期待感を持っていただいているということは、われわれにとっても大変、ありがたいことだと思っているんです」
「小沢(一郎代表)代行の説明責任に関して申しあげれば、これは私が幹事長時代に、この第三者の方々に集まっていただいて、第三者委員会というのを作りました。そこに、もうすでに小沢代行を呼んで2時間ほどヒアリングしました。そこで、説明責任の部分が、ほとんど理解されたようでありますから、いずれ近いうちに報告書が出ますから、それをどうぞごらんになってください」
「もっと大事なことは、小沢(前)代表の説明責任の話ばかりで、検察も第三者委員会に来るのを逃げましたし、メディアの方も逃げましたよ。誰も来ないですよ。おかしいんですよ。こういう一方的なこの国のあり方というものに対して、だから、私たちは上から目線の政府に対して国民の目線に立った政治というものを今こそ作り上げていかなきゃならない、そう重ねて申しあげたい」
「さらに、申しあげれば、全然、今の企業・団体献金に関して、答えになってないじゃないですか。これは別にわれわれだけがやらなきゃいけないっていう話じゃないんですよ、皆さん方も一緒にやって、そのことによって、国民の皆さんや、日本の政治家も少しはましになってね、言われたじゃありませんか。そのためにももっともっと努力しようじゃありませんか。まだこの通常国会、時間が残っていますから、われわれは法案を必ず出します。どうぞ通すためにご協力を心から願いたいと存じます」
【天下り】
鳩山氏 「時間がだいぶなくなってまいりましたが、私から、申し上げたいことが、まさにその官僚目線の話でございます。民主党の若いメンバーが中心となって調査をいたしました。つい先日、結果が出てまいりました。天下りです。どのぐらいいると思います。4500の天下り団体に、2万5000人の天下った方々がおられて、そこにですよ、国の予算がどのぐらい出ていると思います? 12兆1000億円のお金がそこに流されているわけで、で、そこのうちの半分が随意契約ですよ。どうなっているんですか、これは、この国は。まさに官僚の利権をそのまま擁護する政治家たちが、このような信じられない天下り天国をつくってしまっているじゃありませんか。どうお考えなんですか」
【政治とカネ】
麻生首相 「あの、まず最初に企業・団体献金の話ですけれども、私どもの聞いている範囲では、明らかに後援会というものには、企業団体から献金はできなくなっているんじゃないですか。基本的にそうなっていると思いますでしょ。そこに明らかに出されたと思われているから、こういった話になったんだということじゃないですか。私どもは、その点が、一番肝心なとこで、それが一番多くの疑念を抱かれているのに対して、説明責任をきちんと果たしておられますかと聞いておるんであります。責任を果たしておられないという世論というものにあわせて、代表を引かれたんだというのはそれなりだと思いますが、その後すぐ代表代行になられました」
「またその後、そのときには一心同体だとか、殉ずるときには殉ずると言っておられた方(鳩山由紀夫氏)が、そのまま代表になっておられますんで、そういった意味ではわれわれとしては、なかなか、あれ、この間の話とは違うではないかと、正直にそう思っております。従いまして、言葉というものは極めて大事にしなくちゃいかんと思いますんで、私どもとしてはそういったようなことを、私どもとしては大事に、というのはすごく、われわれとしては今後とも政治というものの信頼を回復していく上でもものすごく大事なことだと思っております」
「企業献金につきましては、先ほど、ご答弁を申し上げたと思いますが、企業献金というものについては、企業にも社会の一構成員としての立派な存在意義があると思っております。きちんとした法律で認められておりますので、その企業・団体献金は、きちんとした政党に出さなければならないというルールに決まっておりますので、そういった形で政党に企業が、企業としての献金をするということに関しては、われわれが論議して認めたルールなんではないですか」
「そういったことを考えた上で、もちろん、団体、労働組合含めまして、団体からのいろいろな献金というものが、いろんな形でなされているのはご存じの通りでしょ。そういった意味でわれわれとしては、今申し上げたような形をきちんとした形で対応していくという、これまでの経緯がありますので、いろいろ論議をされるというのは全然問題はない。われわれは、私どもは、前から、それは大いに賛成ですとずっと申しあげてきていると思っておりますんで、これは政党間でいろいろ話をしていかなきゃならんのであって、私の申し上げているのは、今回の、端を発した、もともとの話をきちんとこの企業・団体献金の禁止にすり替えるのはいかがなものかということを申し上げているのであります。ぜひ、その点が、私どもと一番論旨が違っているところだと思っています」
【天下り】
麻生首相 「また今の話に関しましては、天下りの話に関しては、法律によって向こう3年間、天下り、渡りということに関しては認められておりましたけれども、私のときに、渡りに関しては、天下りに関しましては、いずれも本年から禁止ということにいたしたと記憶いたします。したがいまして、そういった3年以内の話を、きちんとした対応をしたというのも、われわれははっきりした対応をしてきていると思っておりますんで、今、その種の問題というものを、今後とも、いろいろな随意契約の話、また、入札の話、われわれは今後ともこういったものが、きちんとした開かれた形でやれるように、今後とも努力をしていかなきゃならないと基本的にそう思っております」
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最終更新:5月27日17時35分