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【党首討論詳報】(5完)鳩山氏「無駄遣いの補正予算案はやめよ」

5月27日18時17分配信 産経新聞

【党首討論詳報】(5完)鳩山氏「無駄遣いの補正予算案はやめよ」
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党首討論で発言する鳩山由紀夫・民主党代表(右)と、その間に水を飲む麻生太郎・首相(左) =27日午後3時41分、国会・参院第一委員会室(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)
 【政治とカネ】

 鳩山氏 「何か積極的にやっていただけるのか、やっていただけないのかさっぱり分からないご答弁でありました。ただ、ぜひ企業・団体献金、われわれ、すり替えの議論をしているつもりは全くありません。李下に冠を正さずという言葉をお送りしておきたいと思いますし、ぜひですね、正しいことをやっていた、全部オープンにしていた。でもそのことによっても逮捕されてしまった。ならばその元を絶たなければいけないでしょうということで、われわれは、(やじに対し)うるさいですね、ちょっと静かにしてください。だからこそ、私たちは元を正そうじゃないか、元を断とうではないか。私も企業・団体献金を最初からすべて悪だと決めつけるつもりはありません。しかし、現実の問題として、このようないろんな事件が起きてしまう。このことによって、政治に対する信頼が失われる。この繰り返しだけは、もう避けなきゃいけない。小沢(一郎)代表代行だけの話じゃないですよ。そちら側にもむしろ数としてはあまりにも多く同じことを起こしている方がたくさんいるのに、何もおとがめないということの方が、私にはよっぽどおかしな話だなと、そう思っています。ただ、この話を繰り返していても、まさにせんのない話で、ぜひ、われわれ法案を出しますから、皆さん方のご協力で成立をしていただきたい。重ねてそのことをお願いしておきます」

 【補正予算案】

 鳩山氏 「それから、あまりにもね、メチャクチャな補正予算であることは、あなた方が一番お分かりになっていると思います。これは官僚任せの弊害、極まれりという話でありますが、もう総理がアニメの殿堂、アニメがお好きなことはおわかりですけれども、117億円をなんで、ソフトパワーが重要なのは分かりますけれども、ハコモノにそんなお金を使う必要があるのか。このことが逆に、いわゆるマンガ喫茶の民業圧迫になるじゃありませんか。そういうことを平然と行ってしまう」

 「それから役所にだけはですよ、71億円もかけて地デジ対応のテレビを入れるっていうんでしょ。7万1000台をなんで国民の皆さま方ではなくて、役所が先に地デジ対応のテレビを入れなきゃならないんですか。エコカーにしても、なんで役所は最後でいいはずなのに、最初に1万5000台。588億円ですよ。バカにならないお金ですよ。それを、あっという間に目をつぶってハンコを押してしまう。こんなことに補正予算を使っていいんですか。補正というのは、そもそも緊急性のあるものに対して使われる予算でなければならないのに、まるで緊急性がないものに平然として使われてしまっている。この国の仕組み、やっぱり官僚任せだなあ」

 「その極めつけは、役所や、あるいは独立行政法人に対する施設整備費、どのぐらいだかお分かりですか。(平成21年度)本予算で6490億円だったと思いますが、本予算でも6490億円だったのに、補正(予算案)だけで2兆8000億円ついているんですよ。なんで役所の整備のために、こんなお金があっという間につけられてしまうんですか。これはまさに官僚の官僚による官僚のための予算だといわれて、お答えできますか、皆さん。官僚の悪のり、お手盛り、焼け太り、そんな予算じゃありませんか。私たちは、だからこそこういう無駄遣いを徹底的になくすために、今日まで戦ってきたんです。あなた方が本来ならばやらなければいけないことを、野党のわれわれが協力をしてやってきたんです。そのことに対して、もっとあなた方は評価をされるべきです。ぜひ、こんな無駄遣い、一掃させようじゃありませんか。そのためにも、こんな補正予算、やめようじゃありませんか」

 【政治とカネ】

 麻生首相 「いろいろご意見があるようですけども、まず最初に、先ほどのお話をうかがって、一つだけどうしても気になったことがありますんで、ここだけ再確認させていただきたいのですが、正しいことをやったのに秘書が逮捕されたといわれたんですか」

 鳩山氏 「本人としては、政治資金規正法にのっとってすべて行ったにもかかわらずと。これは本人が昨日、保釈をされました。そのときの弁であります」

 麻生首相 「基本的にご本人の話であって、正しいと思ってやったけれども、法を違反していたという話はよくある話ですから。少なくとも、それをもって国策捜査のごとき話にすり替えられるのは、本人が正しいと思ったというお話ですけれども、本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも間違った場合は逮捕されるということは、十分にある。それは国策捜査ということには当たらないのではないかと私どもは基本的にそう思っております」

 【補正予算案】

 麻生首相 「また、いろいろな今、国の予算の話がありましたけれども、まず基本的にはわれわれは今回の複数年度の予算、単年度ではなくて、複数年度の予算編成を、ということを考えないと、今回の危機には対応できないと私どもはそう思っております。したがいまして、われわれとしては複数年度の予算をするための考え方の一つとして基金というものを使わせていただいたというのが基本であります。したがって、今回の経済危機に対応するにあたって、きちんとした対応をしていたというようにご理解いただければと思っております」

 「また、東京の外環の道路の話にしても、その他、長期間かかるものに関しましては、われわれとしては今年度のものを考えた場合、時間としては、われわれとしては当然ある程度の時間がかかるというのは当然のことだと思う」

 「また自動車、テレビのお話がありましたけれども、少なくとも御党では確か、次の中期目標に関しましては、確か(温室効果ガスの削減を)最大限22%か、1990年比で。確かそういう目標を、極めて高い目標を掲げておられました。それを達成するためには、その目標を達成するためには、われわれとしてはかなり個人の経費がかかるということも覚悟していただかなければならない。私どもはそういうご意見が出されておりましたけれども、少なくとも可処分所得で、22万円、新たにかかることになります。加えて光熱費も14万円かかる。合計36万円もの支出がかかるということを世論が認めているかといえば、多くの世論はそれに対して反対のパブコメ(パブリック・コメント)を寄せておられるというのもご存じの通りです」

 「したがって、きちんとした対応というものを考えないと、理想だけ掲げても現実論として、それだけの経費負担を国民が払うということに関しては理解が得られない。われわれはそれに対して、きちんとした対応をわれわれなりに考えさせていただいた結果であります」

 【今後の党首討論】

 鳩山氏 「何かね、意味のない答弁を長くされて時間だけつぶされて、これで党首討論だといわれたら、もったいないですよ、国民の皆さんに。本当に残念でなりません。結局、皆さん方の考え方は官僚に依存をして予算を組む。しかし、ほとんどが借金だと。借金で、これはやっていられないから、2年後には消費税の増税だと。そんなメチャクチャなですね、予算を組むような政府には早くご退出を願うように私ども全力を尽くしてまいりたいと思います。まず国民の皆さま方が新しい政治を起こすために協力をしていただいて、そのことで誇りに思えるような国をぜひ作っていきたいと思いますから、これからもどうぞ党首討論、存分にやろうじゃありませんか。終わります」

 麻生首相 「あの、一言だけ。今後のこともありますので、一言だけお答えします。答弁が長すぎるというお話でしたけれども、これは討論であって、答弁ではありませんので。今後とも討論をさせていただく上には、答弁を求めるというようなかたちではなく、討論を申し込んでいただくようにお願い申し上げます」

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最終更新:5月27日18時17分

産経新聞

 

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