2006年/2005年/2004年2003年以前
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― 個人部門 ―
作品名および作成者 作品の概要と入選理由



AKI 黒板 Ex(95KB)

神奈川県立多摩高等学校普通科2年
秋山 博紀

→ 受賞の喜びの声

黒板をシミュレートしたお絵描きソフトウェア。なつかしさを感じ、楽しい気分にさせることが製作の目的。
黒板消しで消した跡が白く残ったり、チョークで描く時に粉が黒板を伝って落ちたりするなど、本物の黒板とチョークの特徴を再現できており、作者の狙い通りの出来となっている。操作性が良く、説明が無くても直感的に誰でもすぐに使えるほどシンプルなつくりだが、感性に訴えかけてくるものがあり、大変面白い。
シンプルながらも、チョークの粉が落ちるところ等は非常によく考えられたロジックの組み合わせによって実現されており、プログラミング・テクニックもかなり高く評価できる。


ソーシャルネットワークシステム LiFre L1(1107KB)

函館ラ・サール高等学校2年
矢萩 寛人

→ 受賞の喜びの声
 

完全招待制のソーシャルネットワーキングサイト(SNS)を実現したシステム。
プロフィール機能、ウェブログ、ライフヒストリーなどの自己紹介コンテンツに加え、グループ、掲示板、メール、携帯電話から利用できるe名刺機能等といった安全でより秩序的なコミュニケーションを図るための機能を備える。
既存のシステムにも方向性としては類似するものがあるが、開発コンセプトを明確にし、ビジネスユースも意識しつつ個人でこれだけのソフトウェアを構築したということは高く評価できる。
今後の正式公開に向けて、既存のSNSと如何に差異化を図っていくのかという課題はあるが、現在準備中となっている機能や将来構想として掲げている機能を拡充していくことにより、オリジナル性が高いシステムとなることが期待できる作品である。


プログラム言語「Frontier」(586KB)

岩手県立水沢高等学校2年
高橋 平

→ 受賞の喜びの声

オリジナルのオブジェクト指向型プログラミング言語とその実行環境を提供するソフトウェア。
「プログラミングは難しい」という先入観を持つ人に「プログラミングは楽しい」ということを感じてもらいたい、という狙いから作成した。
HTMLで書かれた作品説明書、操作マニュアル類が充実しており、使う人への配慮が感じられる。
オブジェクト指向プログラミング言語としてデザインしながらも、煩雑な部分を極力単純化する事で、誰もが気軽に取り組む事のできる言語仕様となっている。
まだ未完成の部分も有り、オブジェクトのプロパティ同士の演算ができない等、基本的な部分でも改善の余地は残されているが、言語開発というコンピュータサイエンスの基本的なテーマを選択し、実現したことが高く評価でき、今後の発展も期待できる。

Duobubble(55KB)

岐阜大学工学部応用情報学科2年
橋本 賢治

→ 受賞の喜びの声

水の状態変化や、物同士の干渉により発生する事象を作品のテーマとしたパズルゲームである。
バンパーを動かして、水球を押し、それによって画面上の音符を水球の中に取り込み、決められた数の音符を所定の位置まで持っていくことでステージクリアとなる。
画面上には水球や音符のほか、水球を凍らせて氷球にしてしまうフリーズパネルや特定の色の音符がないと通行不可能なカラーブロック等、さまざまな仕掛けが存在し、それらをうまく利用しながら音符を運ぶ。
状況によってアイテムの状態が変化するという個性を持たせ、思考力を鍛えるパズルとして作り込みが良くできており、実際に楽しめるものになっている。また、自分でオリジナルのステージが作成できるエディットモードも搭載している。

Mail Guardian Neo(950KB)

千葉県立国府台高等学校普通科3年
中野 裕樹

→ 受賞の喜びの声

スパムメールの自動的な排除を行うソフトウェアである。
学習することによって排除の精度が向上するベイズフィルタ(※)と一般的な件名などによる条件フィルタを共に実装しており、ある程度学習が進むと、常駐させているだけで、不要なメールをサーバーから削除し、ごみ箱へ移動・保存する事が可能となる。
今までのスパムメールフィルタでは排除し切れなかったメールや、未知の広告メール等でも、学習を進めていくことによって排除が可能となる。
プログラミング技術は高度で非常に完成度が高く、実用性もあり、商品としての可能性を感じる。高校生でベイズ理論に着目したというところが高く評価できる。

※ ベイズフィルタ:ベイズ理論に基づくメールフィルタ。スパムには特定の単語が高い頻度で出現する、という理論に基づき、メールに含まれる単語を解析してスパムである確率を求め、スパムかどうかの判断を行う。単語を学習し、辞書を充実させていくことで精度は向上していく。


Review Note(247KB)

名古屋情報メディア専門学校ITスペシャリスト学科 ネットワークエンジニアコース1年
望月 岳

→ 受賞の喜びの声

学校の授業に関する情報を生徒同士で共有することを目的とした、教育現場向けグループウェアシステム。
生徒毎のアカウント設定、情報交換ができる掲示板、スケジュール登録、単語登録等ができるようになっており、生徒間で授業内容のフォローアップができる。基本的にはグループウェアであるが、学校に合わせたデザインになっている。
mod_security(Webアプリケーションファイヤーウォール)及びSSLの利用や、掲示板で使用できるHTMLタグの制限等、セキュリティに対する配慮がなされており、実用に耐えうる作品となっている。
学内で利用し、授業内容の理解を助けるという狙いは学生に相応しく、学習支援目的のグループウェアはまだ少ないことから、オープンソースソフトウェアを利用して開発しようと考えた点は評価できる。
― 団体部門 ―
作品名および作成グループ 作品の概要と入選理由



iPenGraph(381KB)

「偏差値部」

→ 受賞の喜びの声

沖縄県立球陽高等学校理数科3年

石田 智也
赤嶺 一樹 
比嘉 慎吾

携帯電話用の数学グラフ描画ツールで、iアプリとして動作する。
高校で学習する数学グラフの概形を携帯電話で手軽に確認でき、理解の促進に繋がる。
iアプリの限られた容量制限の中で、2次元、3次元表示のサポートや、複雑な数式の入力を助けるソフトウェアキーボードなどを実装したことは高く評価できる。また、小数演算の制約を克服するため、固定小数点演算関数といった独自の数学ライブラリを自作しているところも素晴らしい。
数学の学習効果をアップさせたいという高校生らしい視点から、手軽に使える携帯電話を利用したというアイデアが良い。他社の携帯端末への移植も予定されている。

※ iアプリ は株式会社 NTTドコモの登録商標です。



バス参る、(186KB)

「函館大学IT専攻塾」

→ 受賞の喜びの声

函館大学商学部商学科
1年
橘 高広
中畑 裕司
谷本 丈二
牧 卓矢
\守 裕
同2年
佐藤 幹弘

GPS携帯電話を使った路線バス到着予定時刻の情報提供システムである。
携帯電話のGPS機能により定期的に取得されたバスの位置情報が格納されているサーバに、利用者が通常の携帯電話からインターネット経由でアクセスすると、バスの到着予定時刻と現在位置を知ることが出来る。
作者らが住む北海道では降雪などによる悪天候でバスの発着時刻に大きな影響が出ることから、現在普及している携帯電話のGPS機能に着目してシステムを作成した。
現時点における実装レベルとしては、データベース、インターフェース等にまだ不十分な点は残るが、システムの構想そのものは良く、グラフィック表示機能の追加や検索画面等などへの改良を加えていけば、安価にバスロケーションシステムが構築できるという実用性と将来性が感じられる作品である。

カラフリア(263KB)

「カラフリア製作委員会」

→ 受賞の喜びの声

学校法人 新潟総合学院
新潟コンピュータ専門学校
ゲームシステム科
2年
渡邉 瑛
阿部 郁弥
肥田野 悠
木部 繁

色をコンセプトとして、スピード感があり、美しい画面が繰り広げられるゲーム。
色のついたボールをマウス操作で空中に飛ばして衝突・合成させて新しい色を作り、その合成されたボールをさらに設置されているボールに衝突させて消していくパズル風アクションゲームである。その際、合成されたボールの色と同じ様な色のついたボールにぶつけると消すことが出来る。
色を混ぜるという行為は視覚を刺激し、合成後の色について想像力を働かせるので頭を使い、斬新で今までに無く楽しいゲームとなっている。
アクションが非常に面白く、ゲームとして完成度が高い。エフェクト、背景などの画面も凝っている。

ぶろぐ 〜Block Walking〜(1027KB)

「OPEN HEART」

→ 受賞の喜びの声

学校法人 新潟総合学院
新潟コンピュータ専門学校
ゲームシステム科
3年
近藤 大介
中村 智
宮澤 良平

マウスのみの簡単操作で初心者でもすぐに遊べるアクションゲーム。
崩れやすいブロックでできた道の上を歩くリスを、マウスを使って道から落ちないようにうまく誘導し、次々と現れる敵や障害物をかわしたり攻撃したりしながら距離を伸ばしていくという単純なルール。
マウスを片手に気軽に暇つぶしができる、極めてシンプルなゲームであるが、完成度は高く、夢中になれる。
また、キャラクターデザインや配色等のセンスが良く、画面に統一感があり、よくまとまっている。操作が簡単で楽しい為、パソコン初心者のマウス操作練習ゲームとしてもよい。

RAIDEON(387KB)

「Security Hole」

→ 受賞の喜びの声

都城工業高等専門学校
4年
高橋 信太郎
同2年
出水 紀行
同1年
大塚 未来恵
高瀬 大宗

メモリに常駐し、自動的にディレクトリ単位でのファイルのバックアップを行うツール。
これを利用することにより、不測の事態が起こった場合でも直近のバックアップ時点のファイルを得ることができ、作業内容を完全に失うことがなくなるため、安心して作業することが出来るようになる。
マルチスレッドを利用してバックアップ対象を常に監視し内容に変更が発生した際にバックアップを実行するなど、高度なプログラミング技術を用いて優れた機能を提供しており、評価できる。
復元機能がなく、誤ってファイルを消してしまった場合には対応出来ない、といった問題もあるが、実用性が高く、今後の機能追加により、発展が期待できる作品である。