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薬物「一緒に楽しもう」掲示板温床に 幇助容疑で逮捕も

2009年5月27日

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 インターネットの掲示板を使った覚せい剤の譲り渡しや使用がひそかに広がっている。麻薬特例法違反(あおり、そそのかし)の幇助(ほうじょ)罪で全国で初めて逮捕・起訴された掲示板運営者の公判が千葉地裁で今月始まり、薬物を利用した出会い系サイトの実態が明らかになりつつある。

 起訴状や検察側の冒頭陳述によると、埼玉県志木市の主婦遠山礼子被告(34)は昨年5月、薬物犯罪を助長する掲示板を開設。掲示板には「Drug」「品物」などと表示し、違法薬物に関する情報を集めたサイトにリンクさせていたとされる。

 12日の初公判で、遠山被告は開設した事実は認めたが、「薬物のサイトを作ろうとしたわけではない」と否認。弁護側も「書き込みがエスカレートしたが、違反した認識は本人にはない」「ドラッグ、麻薬などを想起させる表示ではない」と争う構えを見せた。

 遠山被告を逮捕した千葉県警が注目しているのが、掲示板への書き込みだ。08年11月8日〜09年2月12日のアクセス数は1日平均1175件に上り、この3カ月間に2114件の投稿があった。

 「体を抜ける極上品!」(♂ 28歳 千葉)、「久しぶりだから一緒に楽しもう」(♂ 26歳 東京)といったタイトルで、「一緒に雪楽しんでくれる娘募集です」「キメセク相手募集です」「ネタ引いてきました! かなり質が良いネタですよ。ゴチ&お土産付きで今からどうかな」といった内容が続く。

 「ネタ」や「雪」は覚せい剤を指す隠語だ。「キメセク」とは、違法薬物を一緒に使用する「キメ友」と性行為をするという意味で、現金の代わりに女性に薬物を渡す一種の援助交際だという。

 この事件の捜査は、千葉県佐倉市の無職の女(42)=覚せい剤取締法違反罪(使用)で有罪判決=を昨年10月に逮捕したことで始まった。

 掲示板に「2種類あり。量もたくさんありますので、一緒に無理ない楽しい時間を過ごしませんか」と書かれているのを見て、昨年9月下旬、ホテルで会社役員の男(43)と会った。「お金を出さなくても覚せい剤がもらえるから」と供述したという。

 県警はこの会社役員の男に加え掲示板に書き込んだ男2人をすでに立件。ほかにも書き込んで薬物犯罪をあおった人物の特定を進めている。(及川綾子、畑山敦子)

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