党首討論 民主・鳩山代表「友愛」で政権交代訴える 麻生首相、西松問題で応戦
27日、麻生首相と民主・鳩山代表による党首討論が行われた。鳩山代表が持論の「友愛」で政権交代を訴えると、麻生首相は西松問題で応戦した。
午後2時55分、民主党の鳩山代表は、同僚議員の拍手に迎えられ、引き締まった表情で委員会室に入った。
一方、麻生首相はどこか余裕そうな表情だった。
鳩山代表の第1の質問は、北朝鮮問題だった。
鳩山代表は「北朝鮮の核実験について、申し上げなければならない。北朝鮮は事前に日本に通告はなかったわけですが、アメリカや中国には通告があったと伺っている。その事前通告、アメリカから日本に対して、すぐに通告があったかどうか?」と、核実験の情報が事前に伝えられていたのかという、危機管理を問うものだった。
これに対し、麻生首相は「その事実をいつの時点でどうあったかというのは、これは双方、この種の話はしない約束になって、これまできております。この種の情報を、あらかじめ何時、何分にいつきたということを、政府として申し上げたことは1回もないと存じます」と述べた。
麻生首相は「内閣総理大臣としてふさわしいか、もしくはどちらの政党が政権担当を担う力があるかということを、こうした党首討論という機会に、いろいろ意見を戦わせるのは正しいことだと思っております」と述べた。
その後、鳩山代表は官僚主導を批判した。
鳩山代表は「政権交代は、目的では全くありません、スタートライン。税金ばかりを食ってばかりいる人たちに発想を求める世の中ではなくて、タックスペイヤー、税金を支払っている側に立って、その発想のもとで、1つ1つの政策をつくり上げていく」と述べた。
これに対し、麻生首相は「その人たちをやる気にさせるような方法を、社長になられるおつもりなら、そういったものを考えておかれないと、とても役人、公務員というものは動かない」と述べた。
「社長になるなら、官僚をやる気に」という反論に、鳩山代表は「極めて上から目線の麻生総理らしいお答えいただいたものと思います」と述べた。
麻生首相の発言を「上から目線」と批判した鳩山代表に対し、麻生首相は民主党のアキレスけん、「西松事件」について質問した。
麻生首相は「国民目線といわれるお言葉を使われるのだったら、やっぱり国民からして、今一番の関心は、西松の問題だと思います」と述べた。
西松問題について、鳩山代表は「大変、聞き捨てならない発言をしました。そちらにもたくさんおられたじゃないですか」と述べた。
さらに、麻生首相は「そのときは一心同体とか、殉ずるときは殉ずるといっておられた方が、そのまま代表になっておられますので、そういった意味では、われわれとしては、こないだの話とは違うではないかと」と述べた。
また、鳩山代表は「総理がアニメの殿堂、アニメがお好きなことはおわかりですけれども、117億円を箱物にそんなお金を使う必要があるのか。このことは逆に、いわゆるまんが喫茶の民業圧迫になるじゃありませんか」と述べた。
最後に、鳩山代表は「意味のない討論を長くされて、時間だけつぶされて、これで党首討論だといわれたらもったいないですよ。国民の皆さんに」と述べた。
これに対し、麻生首相は「これは討論であって、答弁ではありません」と述べた。
結局、党首討論は、予定を5分ほどオーバーした。
初対決を終えた鳩山代表は「皆さんがほめていただいたから、それなりに党首討論としてはできたかなと思います。ただ、総理の答弁が、実にいいかげんだなと思ってね。時間だけは稼がれるんだけれども、肝心のことに関しては、きちんと答えてくれない」と述べた。
一方、鳩山代表の弟で、麻生首相の側近・鳩山邦夫総務相は「15点ぐらいですかね。小沢一郎さんの、I am 操り人形と言っているようなものじゃないですか。情けなかった」と述べた。
(05/27 17:49)