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入管法改正審議傍聴メモ 2009 No7. 参考人質問・衆院法務委員会

2009 年 5 月 16 日 土曜日

渋谷です。
昨日の午後の参考人質問の傍聴メモを送ります。

あいにく、昼休みに来客があり、切り上げてくれず。(●●さん、失礼!)
太田の清水四町と日弁連の市川氏の意見陳述が、視聴できませんでした。
お詫び申し上げます。

それにしても民団の徐氏の語り口は、東大の姜教授によく似ていたなぁ。

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みしゅっく&移住連&119ネットワーク
 渋谷次郎 (Shibuya, Jiro)
jac03113@nifty.com
http://homepage3.nifty.com/jiro02/index-J.html
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(以下は、ネット中継しながらの傍聴メモです。
 正確性よりも速報性を重視したものなので
 語句・数字等の不正確な点はなにとぞご了承ください。)

■清水聖義(参考人 群馬県太田市長)
 視聴できず

■市川正司(参考人 日本弁護士連合会人権擁護委員会委員)
 視聴できず

■徐元喆(参考人 在日本大韓民国民団中央本部団体渉外事務局長)

昭和27年に日本でうまれた在日2世。
妻も在日、2人の子がいる。父は九州の炭鉱に働き、日本で妻と出会い、2人の子をも
うけたのです。日本で生まれ、日本で育ち、今も暮らしている。納税はもちろん地域
社会にも属している。

今回の改正が待遇の改善となりますようお願い申し上げます。
改正要望事項を述べさせていただく。

・在留カード常時携帯義務の対象外国人から除外して欲しい。
 すでに4世5世が育つ。
 10年前に外登法を改正したときの付帯決議もある。常時携帯制度の見直しとなって
いた。
 その後10年間具体的な動きがなかった。
 新たな管理による規制強化と新たな差別を助長する可能性がある。
 韓国側からも要望されている。

・一般永住者の負担を特別永住者に準じて軽減
 とりわけ在留資格のことなる家族を分断するべきではない。
 これまで再入国事務のためにのみ入国管理局にでかけ、市区町村だけですんだ。
 心の広さ、寛容さが求められている。

・就職・修学差別が生じることのないよう特別な配慮を
 外国人雇用情報の届け出が導入されれば、就職を忌避される可能性が高い。差別を
助長する。
 日本で生まれ育ち定住していく外国人の数は今後も増加。

・人種差別禁止法の制定を進めるべきだ。

結びに、1991年に日韓外相覚書締結時の海部首相コメント引用。

■鳥井一平(参考人 移住労働者と連帯する全国ネットワーク事務局長)

移住連事務局長。
個人加盟の労組「全統一」

基本的に反対の立場で意見を述べたい。
多民族多文化社会に向けた制度変更の始まりという意味では歓迎するが、あまりに拙
速。

安定した就労環境を

・データーマッチング
・65万人の個人単位で企業・学校・宗教団体に情報提供を求める。法務省令で
・在留資格の取り消し

技能研修生・実習生
 前提となる認識は政府と共有されている。
 労働者を労働者として受け入れないこと。
 現在の利権関係の

参考人質疑

武藤容治(自民)

 総務省のデーターと入国管理局のデータを

 少子高齢化の大きな問題を抱えている。
 日本の労働人口の問題について、20年や30年後はどうなっていべきかという点
でご意見を。

清水太田市長
  子供達が成人になり我々の仲間として、我々以上の能力を持った方々がたくさん
出てくるようにならなければならない。単なる労働者というだけではなくて、東大を
卒業していただいたり、医師になっていただいたり、パートナーになってもらわなけ
ればならない。どこに住んでいるか、何をやっているかというのは、必要不可欠なも
の。それらを法律に盛り込み速やかに実施してほしい。

日弁連・市川
  日弁連としては難しいが、個人的な認識としては、定住している方が毎年5^6
万人、日本人になるかたが毎年4万人いる。このような流れは押しとどめることは難
しい。積極的に評価して新しい世の中をつくっていかなければならない。

徐・民団
  日本人、外国人の新たな定義が必要だろう。私自身56年在住して、外国人。在
日、駐日、通過外国人というような、あらたな定義をして幅を作っていくべきだろ
う。

鳥居・移住連
  入口の問題がある。労働者を労働者として受け入れることろを検討しなければな
らない。今現在は研修生しかない。働き方の在留資格をどうするのか。
  日本人と外国人という分け方ではいけない。ともすると外見だけで日本人は判断
しがちだが、高校生の子どもの学校には必ずいる。

武藤
  報道になるとどうも悪いことばかりになる。太田市の市長さんが言ったように、
居所が分からなくなっちゃうというのが最大の問題ではないかなと思っている。
  教育の問題を清水参考人に聞きたい。一番お困りのことは?

清水
  高校への進学率が45%だったのが、85%までになってきた。3:1で民族学
校よりも公立学校に通う生徒が多くなってきた。ブラジルに行って先生を連れてき
た。母国語の教育ができるように。高校進学率は95%までもっていく。母国語の教
育もさせてほしい。
 そのためにも、太田市にいるのか、仙台市にいるのかどちらかわらかない状況は避
けたい。

武藤
  次に社会保障の問題は?

清水
  やはり国保の加入が非常に悪い。現実問題として、滞納の処分の率では外国人が
圧倒的。国保・介護保険に加入してもらうことが必要。

武藤
  在留カードができるが、身分証明書を常時携帯するのはそれほど負担か。
  なにか日弁連さんから見て、なにか解決策がないのか。

市川
  なかなかこういうふうにすればいいというのは難しい。
  市中でまずカードを見せてくださいということはあってはいけない。
  ですからいらないのかな。

武藤
  歴史的背景はよくわかるのだが、将来的にも常時携帯はそれほど大きな問題にな
るのか。


  これまでの差別体験から、感覚的にも拒否感がある。
  運転中に携帯していないことがわかれば、警察署に引導された。
  もう、あれだけは勘弁してくれという気持ちがある。
  日本人に準じた待遇としてどんな施策をするのか。それがないと。
  私たちへの処遇は、モデルともなる重要性を持つ。

武藤
  研修生は問題があるが廃止すると立ち行かない企業がたくさんある。

古本伸一郎(民主)

  適法に滞在されている外国人には便利に、不法に滞在している外国人には不便に
なる。そういう意味でシンプルな法改正になる。

清水
  ぜひすぐやっていただきたいというのは、住んでいる人がいるのかいないかわか
らないというのでは、1点それだけに絞って早急にお願いしたいというのが私たちの
希望。

市川
  今回の改正は、点から線へという監視、もうひとつは住民基本台帳法の改正、こ
の二つ。
  後者は歓迎だが、在留資格のない人が除外されるのは教育という意味でも・・・
という意味でも反対です。


  今回の改正は、あまりに管理する側の論理が優先され、管理される側からみたき
め細かさが必要。罰則が非常に厳しすぎる。
  1つの家族に、国籍が多様化している。いろいろな壁がその中にできてしまうの
です。もっと精査してきめ細かくしていかないと、後に禍根を残すと考えている。

鳥井
  適法と不法という二分ができるのかどうか。罰則が厳し過ぎる。拙速といった
が、早いのは構わないけれども、もう少し中身を考えないとということ。

古本
  (永住者、特別永住者の数とシェアを示す)。いかに共生するかということだ
が、働いて稼いだお金を送金する場合、銀行か地下銀行が多いか。

鳥井
  20年前は正規のものだったが、最近は正規の銀行が多い。

古本
  登録カードを没収されてしまうと正規銀行から送金できなくなってしまうこと
を、清水さんはどう思いますか?

清水
  

鳥井
  今回の改正では、非正規滞在の人がこの後どうしていけばよいかが見当たらな
い。
  現に働き、税金を納めている彼らに帰れというだけでは、解決できない。

古本
  教育の問題が心配だとお書きですが、今南米系、韓国・朝鮮系の学校、今は各種
学校ですが、学校の中で差があるとしたらどうなるということですが、特別永住者の
子たちというのは、韓国学校に行くのか朝鮮学校に行くのか、日本の学校か。


韓国の学校は全国に4つしかなく、97%は日本の学校に通っている。

古本
  審議できづいたというか、へーっと思ったのは、有効な旅券が必要だということ
で、
  26億円ちょうだいしているわけですが、今後は基本的は経済的な負担は免除とい
うことになるわけですが、この点は評価していただけるでしょうか。


  ようやくというか今回の改正は大変喜んでおり、3年後ではなくてすぐにでも実
施していただきたいぐらいです。

古本
  韓国籍と北朝鮮籍の方がおられるのでこの問題が、学校の子どもたちのレベル
で、同じ学校にいるとややこしくなると思うのだが、二つの国の方が混在してる場合
があるのですか。


  若干はあると思うが、ほとんど混在は内のではないか。
  私は詳しくないが、自ずとわかれるのではないか。
  思想教育のこともあるので、朝鮮学校にはいかないと考えています。

古本
  学校で子どもたちが傷つくということはないのか。


  いやいやたいへんある。韓国政府が人道的に墓参り等の一時的な旅券を持ってい
る。基本的には北朝鮮籍の方は、旅券を持っていないはず。

大口善徳(公明)
  清水参考人にまずお聞きしたい。日系人の方が大変な状況になり子どもにしわ寄
せが来ているところだ。転居の届け出の罰則についてどう思うか。

  規則は規則だが、緩和すべきだと思う。居住さえしっかりしていれば、連絡可能
にしておいてあげて、留保すべき。親のせいで、子どもがいられないとすれば非常に
よくない。

大口
  そこは理由があればということでやりたいと思う。

市川
  これまでカードの番号はそれほど問題ではなかったが、今後は番号をキーにし
て、いろいろなところでいろいろな情報が集積されてくる。今後は番号でごっそりと
情報を集めることが可能になる。住基法と同様な仕組みを入れていただきたいと思
う。

大口
  入管行政の目的もある。郵送でも手続きができるといった利便性にもつながる面
がある。
  52年日本におられる徐参考人は、
  10年前の衆参の付帯決議のとおり、携帯義務に関しては森法務大臣にも参考人と
一緒にお願いしたのだが、じっさい10万円の過料は適用されたことがないので、実際
には効力を有していない規定である。刑事罰・行政罰は削除すべきだとわれわれも考
えている。徐さん。この点、積年の思いをお願いします。

徐 
  昔、家にお風呂がなかったころ、銭湯に行くのにも持ってないといじめられた。
検問で持っていなければ警察署に引導され、前科になった。
  一般永住者の範囲はあまりに広い。戦後いったん帰国してすぐ日本に戻ってきた
人もいる。30年~40年も一般永住者。在日5年で取った人とはかなりことなる。長い
人もこれは日本人に準じた扱いをしなければならない。

1945年の9月2日に日本にいなければ特別永住者とは認められない。そのときに日本に
いなかっただけで一般永住者になっている方がおられる。そういった方にも配慮がな
されなければいけない。

大口
  

  再入国許可の除外は、これまで長くお願い申し上げました。今回のこの措置は前
進したと高く評価している。一定の永住者以上に除外をお願いしたい。

大口
  鳥井参考人にお聞きしますが、働くために入国するということですが、受け入れ
る以上はインフラをしっかり整備しないといけないと思うが、その中で、研修・技能
実習について団体管理型が問題だと思っているが、3年から5年に延ばしたりもした
が、いかが評価されるか?

鳥井
  罰則を延長したが、団体管理型では巧妙に団体を変えたりして維持されている。
個々の中小経営者に負担を負わせるのは酷。早急に制度そのものを検討していただき
たい。

保阪展人(社民)

  鳥居参考人にお聞きしたい。
  帰国直前に未払い賃金を請求しようとしたら、強制的に帰国されそうになったと
いう中国人の方のお話を聞く機会があった。研修と思ってきたが、ぜんぜん違ってい
た。
  制度になると邪悪になるというのはどういう意味か。具体的に

鳥井
  零細企業の製造業・農業を守っていらっしゃる人はほとんどのかたイイカタばか
りです。
  ところがこの制度上、本人の意思とは関係のないところでいろいろ契約があっ
て、強制帰国という話を聞かされている。経営者の方が何かの拍子に「帰国させる
ぞ」と言ったとき、みんなびくっとするわけです。そうするとこれはいけるぞ、と
思ってしまうわけなんです。このように力関係が全然違ってしまうわけです。

  製造業・農業の経営者の方々が、事業を支えつつ良い方でいられるように。

保阪
  高松の造船所で違反事件があって、事業がストップしたときに、高松入管は受け
入れ先がなくなったからと帰国させようとしたことがある。この景気状態では、どう
か。

鳥井
  ここ最近途中帰国というケースが増えている。倒産とか経営不振とか。とくに研
修生を返してしまう。これは実習生は労働者で助成や給付制度がある。

保阪
  1年の研修では職種の制限がなくなる。この点はどうか。

鳥井 単純労働の受け入れということになると思う。

保阪
  罰則付きで、事業所や学校が情報を出さなければならない。徐参考人はこれが差
別を助長するといったがどういうことか。


  外国人というだけで、そのなかの区別がつかない。
  日本で育った子どもたちにはそういうことは  になるのですね。
  そういことが将来的にマイナスに働いていくということを申し上げたい。

保阪
  マッチングの恐れがあると私は午前中の質問を申し上げたが、
  位置情報も今の段階からどうやって進んでいくか全く分からない。
  市川参考人にこの点の意見をいただきたい。

市川
  入国時には指紋情報もとっています。顔写真もある。そういったものが19条の18
という規定はDB化やその統合化を念頭に置いている。集められた情報が正しいものと
は限らないし、偏っている可能性もある。
  必要最低限の情報に収集する情報は限るべきという原則に比して、

清水
  プライバシーに関してはISOで管理している。必要外の情報が我々の手元からど
こかに飛び出ていくということはやらない。私どもでは飛び出すことはない。住基
カードで言われているような問題は起こっていない。
 もちろんなんでもかんでも集めるようなものではいけないが、それほど心配するよ
うなものでもない。
————–
(傍聴メモここまで)

入管法改正審議傍聴メモ 2009 No6. 保坂質問・衆院法務委員会

2009 年 5 月 16 日 土曜日

渋谷です。引き続き衆院法務委員会で行われている
入管法改正案審議の傍聴メモです。

この日の野党質問の最後は、社民党の保坂議員。
法案が、最適化計画の一部という観点から、
費用、データマッチング、情報の一元化に絞って質問した。

保坂議員は、国会の審議をないがしろにされかねないとの危機感を表明しながら
質問していた。

費用の答弁では、はぐらかして、既存システムの累積経費だけを答えているが、同様
のはぐらかしが多かったような気がする。

また、後段の質問でDV被害を避けるために転居の届出をしないのは「正当な理由」に
あたると答弁されている。

なお、携帯電話の位置情報については、同議員は過去にも刑事事件の捜査における利
用について質問している。
○個人情報の保護に関する特別委員会 第3号(平成15年4月15日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/01301562003041500
3.htm
警察は令状を得れば、被疑者自身に知られることなく、過去の位置情報だけでなく将
来の位置情報も、通信事業者から提供を受けているということだった。傍聴法による
提供ではないため、本人に事後に取得を知らせる義務はない。

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 渋谷次郎 (Shibuya, Jiro)
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(以下は、ネット中継しながらの傍聴メモです。
 正確性よりも速報性を重視したものなので
 語句・数字等の不正確な点はなにとぞご了承ください。)

保坂展人(社民)

前回の入管法改正は生体認証だったが、法案が上がった翌日に、
どんなシステムが必要なのか二千ページの仕様書が公開されていた。
どうも最近の入管法改正は、本来法文が先にあるべきなのに、
先にシステムの仕様があって、それに合わせ改正案が乗っけている。
今回も同様なのではないかと思いながら質問します。

最適化計画にいくらぐらい累積で使ったのか。
日本人の分も合わせて今後どれくらい使うと
見込んでいるか。

西川
出入国管理にかかわる電算システムの利用開始以降、
従来型のホストコンピューターシステムについては、
S59年以後20年度まで合算で約821億円使っている。
運用もすべて含めてそれだけ。

H16年の刷新可能性の調査に基づく最適化計画では
可能性調査で5,900万円
計画策定業務委託で17年度に約9500万円
今後だが、オープン化の削減効果は、同一システムにおいてだが、
年間は約36億円の
削減を目指している。
現行経費を上回ることのないようにしたい。

保坂
ちょっと聞いた話だが入国管理局の経費の約半分をシステムに使っているそうだ。
これからどれだけつかうかということで、8億円ということではないだろうと思う。

ベンダーはあらゆることができる提案をしてくる。
最適化計画を見ると、富士ソフトに位置情報システムを法務省が依頼してい運用して
いるという。
LBSというのはGPS機能を使ったものであるが、
すでに導入している。
LBSは日進月歩で、入国管理局職員もモバイル端末を使っているのか。
仮放免の最中や収容の対象となる可能性のある外国人の携帯電話の
位置情報を捜査に使う場合があるのか。

西川
LBSは当局の位置情報システム。過去の摘発箇所などが登録されていて地図上に表示
される。
当局のシステムには携帯電話の位置情報を利用する機能はないし、今後も利用の計画
はない。

保坂
海外の捜査に対して、入管の情報を提供できる規定があるが、
携帯電話の番号が分かっていれば、電話会社に依頼して位置情報を得ているというこ
とがあります
そのようには使っていないのか?

西川
システムにはそのような機能はないし、付加する予定もない。

保坂
沢山の情報が集められるが、在留カードには番号があり、
いろいろな情報をこの番号をつかって串刺しにすることができる。
そういう設計になっていますよね。

西川
在留カードには特定のために番号がある。チップにも番号が振ってあるが、ナンバー
を使って別の情報を串刺しに情報を集めて利用するという予定はない。

保坂
ベンダーは番号をキーにして、
在留カード番号を活用してとベンダーの提案書にあるが、実質的な背番号制というこ
とではないか。

西川
当然、ナンバーは当然付与されるし、
入国管理局のもつ情報をその目的の範囲を超えて利用することは、法令による場合以
外には、ない。

保坂
給料や職の移動があった場合にも報告させることになっている。
最高裁の判決では、住基法の判決でマッチングを国家公務員法の違反になると、いう
判決。
個人に関する情報を、収集したりマッチングしたりしたりしたらいかんという内容だ
が、
入国管理システムでは、この

住基法に定める範囲を超えての利用を禁じるものであり、

西川
個人情報保護法の8条、法令による場合を除き…、原則として目的外の情報の利用・
提供はできないの規定の拘束を受ける。だから判例とは矛盾しないと考えている。

保坂
基本的なところですが、大事なところなので大臣。
今回の在留カードにいくつかの情報を入れて運用するということと、入国管理のとこ
ろで指紋情報などの取得をしているということ、この二つの情報は一緒になるという
ことは、あり得ないのか。それとも将来は一緒にするのですか。大臣いかがか。

西川
在留管理で収集したものと、空港で採取した指紋等、これを一緒にするということは
現在のところ考えておりません。

保坂
そうおっしゃるが、計画・工程表を見ると、大きなところでコンピューター情報シス
テムの刷新があり、入国管理のレガシーシステムの改革があって、ベンダーは、そう
したバラバラな情報を一元的に統合すると提案している。現場の人たちもそうしたい
と言っている。ところが、入国管理局長はしないという。
いったいどちらなのか。大臣。絶対統合しないと言い切れますか?


局長が答弁した通りでございます。

西川
入国管理のレガシーシステムでは、情報の一元化は実現していない。データベースの
一元化が効率的だということになるのですが、他方で、一元化によって、指紋情報を
ただちに在留管理で使用するということは、問題がある場合も出てくると思うので、
そのへんはさらに検討していきたい。

保坂
森大臣。私の問題意識が分かりますか。
法案があって成立したらいろいろな準備がなされるというのが通常だ。
しかし事前に法案の基礎になるような、企画提案書の発注があって、そこにこういう
ふうにしていくんだということが書いている。どちらがただしいのかということ。提
案書に書いてあるのだがやらないということです。このようなことでは法案審議はあ
まり意味がないのではないかということになってしまうのではないか。
すごく詳しい内容なんですよ。この法案の成立予定日まで書いてあるくらい。


事前から準備してなければ、施行日に間に合わないから、準備することは妨げられな
いと思う。
いずれにしても個人情報の目的外の利用はしていないということ。

保坂
だとすれば、目的外の利用を書いているような企画提案書はだめだ。うちの局ではで
きないと、はねつけるべきなのではないか。
目的外利用はしないといいながら、あらゆる情報を一元化するという方向で書かれた
提案書はおかしいじゃないですか。

西川
入国審査時に情報を採取する目的は、水際対策としてです。
この指紋情報が、入国管理にも常に使用できると、そういうことは考えていないと申
し上げている。
保坂
在留カードにはすべての情報を入れる必要はない。
在留カードの番号を入れると入国管理の情報や、様々な情報が一気に見れますという
ことにして、
システムの刷新、それが図れるという内容の提案だということか?

西川
そういうことはありえる。しかし、キーによって、指紋にまでアクセスできるかどう
かは別問題。

保坂
それがマッチングそのものだ。
不思議なのは、じっさいにはシステムは企業が作っている。
アクセンチュアという人が入って、企業の方が、検察の情報と合わせてやっている。
たいへんなお金も使われている。ここに監視の目を光らせるべきだ。

次に、在留資格の取り消しだが、法案の90日を経過している場合でもDVが理由だと認
められれば救済される道はあるのか。

西川
届出をしないことに正当な理由がある場合は取り消しは行わない。
その正当な理由になり、
DV被害者の在留資格の取り消しは行わないということになろうかと思う。

保坂
本日の新聞に、研修生として来日したかたが、協働組合を提訴している。
どうしてこう悪質な協働組合が存続できるのか。

西川
組合が関与した不正行為ということになると3年間は受け入れ禁止としている。
これを5年に延長しようというのが改正の内容になっている。
各団体の存立という点は、入国管理局がどうこうできるものではない。

(以後裁判員制度についての質問 省略)

入管法改正審議傍聴メモ 2009 No5. 古本質問・衆院法務委員会

2009 年 5 月 16 日 土曜日

皆様、渋谷次郎です。
引き続き傍聴メモをお届けします。

民主党の2番手は、古本議員。愛知県選出。
http://www.s-furumoto.net/

選挙区や製造業出身ということもあり、
研修・実習から切り出しています。

基本的には、
適法に在住しているかたはより便利に。
不法に入国・在留している方にとっては不便に。
という言い方でこの方向を支持する立場で質問を展開。

登記謄本交付が特別会計扱いになっていることから、
入国管理関係の手数料も特別会計にしたらどうかとか、
本国への送金をできなくしてしまうと地下銀行に流れるとか、
オーバーステイになったとき、
在留資格が有効なときに取得した運転免許証が身分証として
使えるとか、善し悪しはともかく(本当は、ともかくではないのだが)
ひねった角度からのコメントの多い方でした。

午後の参考人質問でも、現在の手数料収入が年間26億円というところに
こだわっています。

旅券の話は、ちょっと意図が…。
身分証明書という意味なのかな。

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 渋谷次郎 (Shibuya, Jiro)
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(以下は、ネット中継しながらの傍聴メモです。
 正確性よりも速報性を重視したものなので
 語句・数字等の不正確な点はなにとぞご了承ください。)

古本伸一郎(民主)

まず目的を聞きたい。

西川入国管理局長

問題のない外国人は円滑に、問題がある外国人には速やかに厳格にということ。

古本
適法に在住しているかたはより便利に。
不法に入国・在留している方にとっては不便にという改正か。

西川
そうだ。

古本
資料を手元に本日は配っているが、
2枚目、研修生の産業別受け入れ機関数をみると最多は繊維/衣料、
2番目が農業、3番目が食品製造、4番目建築、5番目金属製造業。 
どういう問題がこれまであったか整理を

西川
目的は、我が国の技術を移転。しかし、この趣旨を理解しないで、
実質的な低賃金で使う、不正行為があって、これを食い止めることが
課題になっている。

古本
1年目の研修期間でも働いている。そこで1年目から労働保険の
対象にしていくことによって、各業界団体からはどんな意見が
あったと承知しているのか。

西川
1年目の研修も労働法を適用することによって反対はなかった。

古本
栃木のレタス畑で働いているひとなどが報道されていたが、
農業の現場における実態を、農林省。


研修生が増加している研修生9千人、実習生4千人。
18年度に移行した方が3千人。最大限で1万7千人程度。
平成20年の基幹的農業従事者数190万人いるので、
1%未満ということになろう。

古本
日本の将来人口ということだと、生産・就労人口が8000万人を
わる。これが○年には半減。100年後には2200万人になる。
日本列島からほぼ生産人口がいなくなる。
技能実習を終えたあとも頼りにしていかなければならないのか? 


基本計画を作っているが、農業経営の規模拡大を図り150万人の
基幹的従事者が切ってもという計画。
あくまで法令にしたがってやりたい。
従来よりも少ない経営体数で担う体制へと移行したい。

古本
専門的・技術的分野の外国人を積極的にという内閣の了解があるが、
本来期待している、社会科学・自然科学分野の技術者よりも、
現実には、単純労働者の部分が
外国人に今後どんな在留資格を与えるのか。
人口動態の動向を見る限り、移民政策のようなもの、
貴党にも唱える人がおられるが、
入管法改正の大前提となるが、御所見を。

森大臣
外国人の受け入れについては、個人的には、現在の方針がいいと思っている。
与党の中にも大胆に受け入れた方がいいという意見があるのも承知している。
将来の日本の国の形も左右する。国民的な議論がひつよう。

ある時期に大きな移民を受け入れることは、現役世代のうちは
いいが、その後になると同じ問題が持ち上がる。
それでも、専門的・技術的分野の外国人労働者は、積極的に
受け入れられてきた。

研修生の名目をもって労働者として使っているじゃないかという
指摘もあるが、
技術移転の大義名分にあうかたちで、今後も継続するべきだ。
保護という観点から労働法制を1年目から適用すべき。
そのかわり試験を1年目から受けてもらう。
今回の研修制度の改正はより望ましいものだと信じている。

古本
現在、まじめに研修を受け、日本の技術を習得し、帰国後それを
伝播している部分もあるが、
3年で帰国だと「もったいない」という声もあるのではないか。

西川
その点は賛否両論あると思う。議論が収束するのを待ちたい。

古本
農業分野ではどうか

栄参事官(農林)
一部の方からの声しか把握していないが、延長を求める声を
聞いている。

古本
年限については課題だと問題提起をしておきたい。

年間で何万人が研修生が来られていて、どれくらい現地立ち
入りをしているのか。

西川
平成20年新規19万1千にん 8万6千人、不正行為に対する
調査は20年1年で543件を調査している。

古本
それはサンプル調査か、通報後の調査か?

西川
不正事件452件あった。基準局からの通報によるものが
最多だが、独自調査は51件。

古本
東京入管、名古屋入管を調査させていただいたが、1600か所を
3~5名で回っているという。要員の充実を要望しておきたい。

さて、
そもそも、入国をしようとする外国人は、有効な旅券を所持とあるがどういう意味
か。

西川
有効な旅券をもち、あらかじめ査証をうけておくのが原則。

古本
旅券とは何かというと、(旅券、それに代わる証書の定義)。

西川
(法的な説明)

古本
後段の部分をより詳しく。

西川
旅券がない場合に、一時的に渡航証明書を出す扱いがある。

古本
有効な旅券を持っているということを、前提にしているというのは
国際社会では常識だとおもうが、こうしたことをうたっていない国が他にあるか。

西川
基本的には、旅券が必要が、国際的な慣習。

古本
難民や難民の子ども、
なぜ旅券を持てない場合があるのか。
有効な旅券を持っているということは、国際慣習でしたか?

西川
(繰り返し答弁)

古本
有効な旅券を持っていなければわれわれも他の国にいけない。お互い
様だというのが、第一にある。
手数料納付書というのがある。再入国の際の手数料も今後は適法に
入国し外国におられるかたにあっては1年以内なら不要ということだが、
今、再入国許可の手数料は、やく26億円強ということでよいか。

西本
そうだ

古本
こういった手数料は国際社会では当たり前と思うがいかがか?

西川
どの許可に対して、いくら徴収するというのは異なるが、
いずれかの許可に対してこういうことはあるもの。

古本
50億円ぐらいある手数料が今回の改正で無くなるのか?

西川
再入国部分についてはほとんどなくなると思われる。

古本
登記では、登記する場合と謄本をとる場合、徴収した金はどこにいくのか。


登記審査事務と、登記簿謄本の交付と閲覧といった管理事務に分かれる。
事務量が大幅にふえ遅滞するということがあって、コンピューター化した。
この費用に充てるために、登記特別会計があって、管理事務はこちらへ。
登記審査事務は、登記免許税などは一般会計へ。というように2本立てになってい
る。

古本
在留カードや登録カードの発行だが、これまでのインフラ環境を再構築することにな
る。
それはいくら見込んでいるのか。

西川
仕様が固まっていない現段階だが、
初期の構築費用が8億円。
カード調整機の賃料が8億円。見込んでいる。

古本
この分野に関しては特別会計にして、受益と負担を明快になるようにできないか。
現在は、一般会計に入っている。
登記と同様に特別会計にする考えはないか。

西川
登録は無料、上陸段階で料金を徴収することはあまりないので、在留カードの
発行料の徴収は難しい。ただ更新・変更ということになると費用を徴収する
考え方もあろうかと思う。

古本
今回は課題の提起にとどめたい。

今日は警察庁も呼んでいる。
外国人が日本に来るのは稼ぐために来ているのであるから、目的を貫徹させ
るためになにが大事かというと、
資金決済法が可決されているが、マネーロンダリング法が施工されている中、
どういうところでこれが求められるのか。
海外送金時になにか差異はあるのか。


外国人かどうかを問わず10万円を超える現金送金の場合は本人確認が必要となる。

古本
手数料を考えれば10万円、1千ドルぐらいをまとめて送る。現在は不法に
残留されている方も、結果として外国人登録の交付を受けている場合もありますね。
ありますか?

西川
あります。

古本
在留カードは交付しますか?

西川
しません。

古本
銀行の窓口に来られた方は、外登証を持っているから、
不法残留の方でも送金できますね。


本人確認が必要。本人確認してから送金している。

古本
金融庁。送金手数料は代替いくらか。


手数料は各銀行が定める。
一概にはなかなかお答えしにくいl

古本
100万円送金しても5~6千円でしょ。

地下銀行の問題もあるでしょ。地下銀行経由の送金はどれくらいか。

◎警察庁
集計はとくにしていないが、平成14年以降の推計だが7千8百億円。

古本
すると年間1千億はあるということ。
カードがないと、結果として地下銀行を助長することにならないか。

◎警察庁
不法滞在を助長するものとして地下銀行を取り締まってまいりたい。

古本
地下銀行の手数料はどれくらいか。


過去検挙した事件から、手数料はおおむね1%程度だ。

古本
認証するために運転免許証も用いることができるが、
運転免許の交付は在留資格の確認をして行っているのか


旅券、外国人登録証の提示を求めている。

古本


道交法上、在留資格による免許交付の制限ができる規定はない。
ただし、在留資格がないことがわかれば、交付と同時に不法在留の
捜査をすることになるl。

古本
在留資格が1年の人に、3年の免許証が出ているんですよ。そうですね。


運転免許証の有効期間は3年であります。

古本
キテレツな話だ。
外登証は没収されることになる。
免許証だけが可能性が残っている。
リニアな対応になっていない。
決して、不利益のある改正をとは言っていない。

——————–
(メモここまで)

入管法改正審議傍聴メモ 2009 No4. 中井質問・衆院法務委員会

2009 年 5 月 16 日 土曜日

皆さま
渋谷です。 

衆院法務委員会での審議情報の速報です。
実質的な2日目となる今日は野党質問。
民主党から中井議員と、古本議員が、
社民党からは保阪議員が登壇しました。

ちなみに中井議員は、羽田政権化の法務大臣。
http://www.nakai-hiroshi.net/

ただ、中井議員は時間の過半の部分を、最近の無罪判決や草薙くん事件から
捜査方法の在り方についての質問に割いた。
当日の議題となる法案以外のテーマで質問する光景はよくあること。
党首秘書の問題もあるので、こういうことになるのか。
とはいえ、貴重な質問時間が減ってしまうのはやはり残念!!

数年前に公開されて以来、いちども手が加えられていない
「在留特別許可のガイドライン」に触れた部分がある。
在特を求めて出頭する人が安心できるものでなく、
「あんなんガイドラインじゃない」と中井議員がぶったところで、
大臣が「施行までの3年間で考えたい」という趣旨で答えている。

それから、システム予算に関するところで初期8億円、ランニング8億
(カード発行コストと、システム改修コストは別)
という数字は初めて見た。
(すでにどこかで出てきていたらごめんなさい)
行政システムの受発注ではよくあることだが、
初期費用と毎年のランニングが同額なのはよくあることだと聞いたことがある。
諸経費総額を単純に割り算するケースが多いということらしい。
前回の改正のときも、指紋採取など入国管理ブース周辺のシステム費用しか
答えていなかった。
今回もまた、入管関連システムの最適化計画のうち、ごく一部の値段だろう。
データベースや主要ネットワークなど基幹部分は除かれていると考えるべきだ。
(というと、あとは何が残るのか? 専用画面の設計とプログラミング、
カードの調製システム、基幹システムとの連携ソフト開発・運用ぐらいかな?
もしかすると、カード調製コストがほとんどだったりして…。)

————————-
中井洽(民主)

最初に、興味深い裁判所の判決が出ているので、伺いたい。

(中略)

法案に少し入りたい。

3月27日に東京地裁で韓国人夫婦の不法在留のまま
自分で名乗りでて東京入管に収容された。
特別の願い等を出されたけれども受け付けられず
退去強制命令がだされる。
これを不当だとうったえて、1年の裁判のあと、
原告の勝利となった。判決文は立派なものだった。
平穏に暮らし、日本にも根を張っておられるということ。
私はこのまま確定してしまえばいいと大臣に申し上げた。
控訴してしまったが。
検挙いらい3年間のあいだに、住民登録をしていますけど、
こういう人たちは、登録できませんから、
どうするのか。全部捕まえて送還するのか。

個々の事情を斟酌するという情けある姿はなくなっているのか。
このような判決を認めて、特別在留を認め安心して住めるように
したらどうかと思うが。

西川
控訴しているので個別には申し上げられない。

在留特別許可に関しましてはガイドラインを示して、積極要素、
消極要素を示し、総合的に個々具体的に判断している。

中井
判決では、消極的理由はほとんどなくて、積極的理由が
見事に列挙されていた。
個々に総合的にでは、ガイドラインにならない。
日本人まで雇っているという人たちをどうして追い返すんだ。
そんなもったいないことはない。
ガイドラインといっても、そんなんではないも同然だ。
ガイドラインは、適用する人は認めるんだとやらないと、
さらにもぐってしまう。

裁判の方も自分で名乗っておられる。
名乗ってこられる方がいるのだが、大臣はどう思うか。

森大臣

委員の指摘は全体的な話として理解した。
法案が通過して実施されるまでの重要な課題だと、
指摘のガイドラインなどを思っている。
検討すべきだ。

中井
ぜひ暖かい目で見てやっていただきたい。
こないだのフィリピンの方のような不法入国、韓国の方の不法残留。
しかしその後の経過がある。
ガイドラインをしっかり作って対処して欲しい。

3年という話がでたが、この法案が通過したとして、130万人の既存のかた、
これから来る方を含めてコンピューター処理が3年がかかる。
予算的に、人員的に大変だと思うが対応できるのか。

西川
たしかに大変なこと。200万人分の処理が必要であろう。
予算・人事もこれから考えなければならない。
一方で、効率化される部分もある。

中井
国は観光客増に壮大な目標をたてて頑張っている。
そういうのに合わせて、大切な出入国管理も、24時間の管理ができないと
2千万の観光客を引き受けられない。職員をどうやりくりなさるのか。
十分な予算対応がなされるのか。
具体的に答えてください。

西川
法案の審査中で、システムの仕様もこれから。
システムの整備に8億円、機材の借料が年間8億円。
生カード、システム改修など、別途必要。
業務面についても、みなし再入国制度で、
これは数が多かったので相当削減できるだろう。

中井
届け出がずいぶん楽になるんだということだが、
所属機関も届出が行われるのは、ずいぶん大変ではないかとたずねたら、
その対象は50万人程度だと答えていただいた。
ワーキングホリデーもある。台湾もまた入る。
たとえば、ワーキングホリデーの方についても所属機関からの報告が必要なのか。

西川
所属機関の存在が在留資格の基礎となっているものだけ。
外国人全部ではない。
約57万人が対象になり。一方694800人は届け出がなくなる。
ワーホリの方も住所を定めるので、対象とすることになろうが、
一部に転々とすることを予定している場合があるなら検討する。

中井
最後にひとつだけ。
偽物が非常に作りやすいのではないか。
なりすましができる。
ICチップはだれも確かめようとしないから、いくらでも作れる。
のんきなことを言わずに、偽物を作られるものだとした対処が必要。

(以下略)

入管法改正審議傍聴メモ 2009 No3. 大口・衆院法務委員会

2009 年 5 月 16 日 土曜日

皆様、渋谷次郎です。
引き続きマルチポストで失礼しながら、傍聴メモをお届けします。

与党3番目は、公明党の大口議員の質問です。
赤池議員が1時間11分、近江屋議員が36分でしたから、公明党は与党の4分の
1という
時間配分ということになります。

自公体制になって以後、入管法の審議では公明党が
影響力を発揮する場合も少なくありません。
今回はどうでしょう?

質問を聞く限り、法案前の段階でそれほど影響力を発揮した形跡は
感じられません。

このメモでは省略されていますが、カンザキ氏ら公明党幹部と
再入国許可や携帯義務の撤廃を求めたとか、繰り返し経緯を
披露しています。

H11年の外登法改正以来、
常時携帯義務違反で特別永住者に過料を課したケースはゼロだという
答弁には、「やはり」と思いました。

さて、審議が進むうちに、いくつかのキーワード・キーフレーズが
生まれるものです。

前回も指摘しましたが、
「(特別永住者の常時携帯義務)法務省案としてはベスト、立法府で真摯なご議
論を」
という森大臣の答弁がまた出てきます。
これは新フレーズ?

また、偽装結婚、偽装留学、偽装認知をひっくるめ、
「偽装在留」と呼んでいます。
うんざりではありますが、
これも今法案で生まれた新用語でありましょう。

また、特別永住者のカードの更新申請は代理人でもOKなんでしたっけ?
日頃の勉強不足がたたり、
今回は変なメモやコメントを
お届けしてしまいかねないと不安になっています。

—————————————-
みしゅっく&移住連&119ネットワーク
 渋谷次郎 (Shibuya, Jiro)
jac03113@nifty.com
http://homepage3.nifty.com/jiro02/index-J.html
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(以下は、ネット中継しながらの傍聴メモです。
 正確性よりも速報性を重視したものなので
 語句等の不正確な点はなにとぞご了承ください。)

■大口善徳(公明党)(40分)
日弁連も懸念をしめしている。
個人の細部に生活を監視することになる。
犯罪の温床という偏見を助長する。
情報の自己コントロール権。
外国人との差別的な取扱いを禁止することとの整合性。
なぜ、管理を強化する必要があるのか、立法の根拠となる事実を確認しなけれ
ばならない。
そういった懸念が示されているが、どのようにこたえるのか。

森法務大臣
在留期間の上限や再入国許可制度の緩和をする。
届け出も真に必要なものだけに限定した。
20項目のうち14項目に変更の届け出が必要だが、
新制度では、本人による届け出義務を、
氏名、生年月日、住所、性別、国籍の5項目に限定した。

所属機関や身分関係の届け出については、在留資格に応じ必要な範囲内で、届
け出させる。
所帯に関する情報は、住基法の届け出とし、入管法上の届け出は課さない。
必要な情報に限定しているため、御懸念のようなことは生じないと考えている。

大口
居住関係の正確な把握が必要だということから、昨年度外国人在留制度に関す
る懇談会が開催された。
そのなかで外国人の有識者からもヒアリングしているが、
手続きの一本化がのぞましい。
通称名についても、
開示は住基と一緒が望ましい。
未来志向、人権尊重をふくめた共生をはかるものが望ましい。
こうした意見がどのように取り入れられているのか。


住基法の改正案を提出している。
市町村においては外国人も日本人と同様に正確適切に把握する。
行政サービスのワンストップ化が図られる。
日本人と外国人の世帯についても、世帯全員を記載した住民票が交付できる。
こういった利便の増進が図られている。
こうしたところに反映されている。

大口
H15年12月より半減計画が推進され22万人から11万人になり達成された。
小口化分散化されて摘発しにくくなった。巧妙になった。
摘発の人数は、件数は増えたが、減少傾向にある。

政策には目標が必要である。
新しい制度が構築されることによって、
半減計画に続く5カ年計画が必要であると思うがいかがか。
不法滞在者をどれくらいの期間でどれくらい減少させるのか。
国民に目標を示すことが必要ではないか。


偽装結婚や偽装留学など、偽装対策が必要。
偽装滞在対策は、数よりも質という問題。
数値目標は立てない。

大口
国民に分かりやすい目標を。

在留期間の上限の伸長について、
在留資格によっては、5年よりも長くてもよいのではないか。
5年の趣旨は?

石川
外国人の状況の変化を把握しつつも、少なくとも5年に一度は必要。
米国では高度人材でも3年が上限になっている。短いということは
ないと考えている。

大口
みなし再入国許可制度だが、その新設の経緯や諸外国の状況をうかがいたい。

石川
みなし再入国制度は、従前から各方面から要望を受けていた。
各国では
米国、韓国では、1年以内についてあえて何らかの許可は不要となっている。
これを参考にした。

大口
有効な旅券ということについては、近江屋委員も指摘しているが、
私もその問題点を指摘しておきたい。

私は、鳩山大臣のときに、再入国許可制度の改正を訴えたことがある。
外国籍を持つとはいえ、日本に生活の拠点があるのだから、
10年とせずに6年としたのは?


2年以内としたのは特別永住者については、歴史的な経緯に配慮したもの。
在外公館での延長手続きを含めると最大7年までは海外での滞在が可能である。
7年に1度ぐらいはかえってきてくださいよということ。

大口
一般永住の方には特別永住に準じた扱いにしなかった理由は?

石川
永住者については、特別永住者のような歴史的な特別な経緯が存在しない。

大口
一般永住者にもきめ細かな配慮が必要ではないかと思う。

在留カードの更新については、最大7年が有効期間になっている。
その影響をもっとも受けるのは、特別永住者ではないか。
原則として本人の入国管理局への出頭が必要だが、
市区町村役場よりも遠い場合が多く負担にならないか。
義務履行の確保にも問題があると思う。

石川
新たな在留カードの交付が伴う、氏名、国籍、生年月日、性別の変更について
は、入国管理局への出頭が必要。
在留資格の更新でも入国管理局への出頭が必要であり負担増ではない。

永住者が7年に一回とはいえ入国管理局で更新しなければならない。負担増で
はあるが、弁護士や行政書士など代理申請の範囲を広げることで過度にならな
いと考えている。

大口
常時携帯義務については、
平成11年の衆参の付帯決議でも検討を求めている。
立法府の付帯決議を踏まえ、常時携帯義務、とりわけ特別永住者のそれについ
てどのような検討を行ったのか。


検討したところだが、不法滞在者の減少のため、なりすましの危惧もあり、即
時的な証明を求める必要がある

大口
我々は、特別永住者の常時携帯義務の廃止を求めてきた。
即時に証明を求めなければならないという理由は不十分である。
特別永住者の常時義務違反については、現行通り過料の行政罰にしている。
平成11年の外登法の議論で、20万以下の刑事罰である罰金から、10万円以下
の過料に修正されたうえで、「いやしくも乱用のないこと」とされた。
運用面において十分な配慮をしていただきたいとお答もいただいた。

以後、常時義務違反で過料を適用したケースはどれくらいあるのか。


ありません。

大口
行政罰を設けても、実際は適用がなくても問題がないわけである。
即時に身分関係や居住関係を証明すると言っても実効性があるのか。
10万以下の過料を存続させる必要性はないのではないか。


社会秩序、治安、不法滞在者の抑止に責任を持つものとしては、これが最善の
案。
これ以上のことをこの場で申し上げるのはお許し願いたい。
この場での真摯なご議論をいただきたい。

大口
30万人の留学生を受け入れる計画だが、
世界で受け入れ競争が激しくなっている。
どのくらいの方が、就学から留学に変更しているのか。
現行制度で、2年から1年間となっているが、どうして更新が必要なのか。
5年の根拠は?

石川
変更許可人数はH20で約1万人。
定期的に確認する必要があり1年または2年となっているが、新制度では在留
状況の把握ができるため、たとえば4年という期間の新設を予定している。
——————-(メモ終了)

入管法改正審議傍聴メモ 2009 No2. 近江屋・衆院法務委員会

2009 年 5 月 16 日 土曜日

皆様、渋谷次郎です。
引き続きマルチポストで失礼しながら、傍聴メモをお届けします。
(前回は「膨張メモ」と記して突っ込まれてしまいました。)

自民党の2番手は、近江屋氏です。かの小泉旋風で当選を果たした議員ですが、次は
どうなっているのでしょうか。
党職が長く、Wikiをみると、
「党職員としての経歴が長く、政治の現場に精通していることから、当選直後の言動
で注目を浴びていた杉村太蔵議員の教育係も努めた。」
なんてコメントされています。

質問では、かなりの時間を特別永住者について割いています。
みなし再入国許可における旅券の問題について、パレスチナ自治政府のものより劣る
と扱うのはどうか?
なんて聞いていますが、そこは「高度な政治的な問題で法務省としては…」という答
弁に。

常時携帯義務については特別永住者には不要だという見識から質問。
森法務大臣は、
「取り締まる立場の法務省からはベストの法案、あとは国会でやってよね」
という答弁でした。
こうした答え方は、初めて見るのですが、
無責任なやりかたにも映るし、ポジティブにとらえるべきなのか…。

法務委員は、たいてい(一番手のような方は別ですが)法律の専門家という
プライドを持っているので、与党でも、そこらへんのプライドを示したい
という欲求を持っているものです。
近江屋氏にも、そこらへんを垣間見ることができます。

通告なしに他国の常時携帯義務について質問していますが、
英国についての答弁はこれでいいのかしら?

—————————————-
みしゅっく&移住連&119ネットワーク
 渋谷次郎 (Shibuya, Jiro)
jac03113@nifty.com
http://homepage3.nifty.com/jiro02/index-J.html
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(以下は、ネット中継しながらの傍聴メモです。
 正確性よりも速報性を重視したものなので
 語句等の不正確な点はなにとぞご了承ください。)

■近江屋信広(自由民主党)(36分)

どんな問題点があるのか、どう改められるのか具体的にしめせ。

森法務大臣

市区町村の実施している外国人登録をつかう。在留状況と居住実態の
把握が難しい。
法務大臣が、継続的に集中的に捕捉できる。

近江屋
いわば点の管理から線の管理に改め、法務大臣がしっかり把握してい
こうという、適切な改正だと思うが、きちんと機能するように運用し
ていただきたい。

不法滞在者はどのくらいいるのか。うち不法残留、不法入国者はどれ
くらいか。
対象とする外国人に在留カードを交付するわけだが、不法滞在を減ら
していく効果はあるのか。
どのくらい減らすことができるのか。その見込は?

石川入国管理局長。
本年1月1ぴ 11万3千人余り。不法入国は1万5千から2万3千の
間と見込んでいる。
不法滞在者にも外国人登録証が交付されているが、
新たな在留カードは発行しない。
雇用主にも分かりやすいよう、就労の可否を明記する。

近江屋
窓口で適性に運用する措置はどのようなものがあるのか。
義務を理解してもらうことも必要。

石川
各国語版のポスターを入国管理局に掲示する。
公布の日から3年いないで施行する。
窓口でパンフレットを配布し周知する。在外公館党でも周知徹底する。

近江屋
不法滞在者を根絶するように警察とも連携して摘発・取り締まりにご
尽力を。
適法に在留する外国人には便利になると聞いている。
在留期限や就労資格を明記するのは外国人にも利便性がある。
正確に継続的に把握することが必要だと思うが法務大臣の所見を。


3年から5年に延ばすこと。
1年以上の在留資格があれば再入国許可を原則不要とすることなど、
利便性の向上を図る。

従来は点の把握だったが、正確かつ継続的に把握することが可能。
前向きに活用することができる。

近江屋
特別永住者についてであるが、現在どのくらいおられるのか。
北朝鮮、中国、台湾といった国籍別に。

石川
平成12月現在暫定値で、42万人
韓国朝鮮 41万6千人、中国=台湾が3千人です。

近江屋
法的地位はどのようなものか。

石川
日本国との平和条約に置いて日本国籍を離脱…、という方々。
在留について特例が認められている。

近江屋
韓国籍・北朝鮮籍、台湾籍の方々の旅券の扱いはどうなるのか。

石川
台湾・韓国は旅券と永住者証明書を所持していれば2年以内の出国なら
再入国許可は不要。
北朝鮮籍の場合は、当該旅券が入管法の旅券にあたらないため、再入
国許可をあらかじめ取得して出国する必要がある。

近江屋
新法の23条にそのことが書いてあるが、そういう区別が生じている
わけですね。
台湾とパレスチナの自治政府が
パレスチナより北朝鮮籍の人の方が、扱いが良くないことには、
異論があると思うが。

石川
入管法上の規定の枠組み上の問題である。

近江屋
台湾、パレスチナと同様の扱いをすることが可能ではないのか。

石川
それは、北朝鮮の旅券を有効と認めるかどうかという政治的に
高度な判断が必要。

近江屋
しかるべく関係方面で検討していただくことになるのかと思う。
常時携帯義務の必要性・意義を教えられたい。

石川
不法滞在者が多数いる現在の状況で、身分関係、居住関係、
在留資格の有無を即座に把握する必要があるため。
特別永住者にも、特段の配慮が必要であるが、罰金から過料に
変更されたが、なお即座に把握する必要性があり維持する必要がある。

近江屋
即時に把握する必要性があるという点は、私はふに落ちない。
新法でも踏襲されているが、それでいいのか。
国連の自由権委員会の指摘も踏まえながら、もう少しそれぞれの
立場にたったきめ細やかな制度の在り方を、今後研究・検討して
いただきたいと思う。その点いかがか。

石川
やはり日本人とはことなりまして、身分関係その他について、
まさに現場で証明していただく必要がある。その必要性はいさ
さかも減じていない。
特別永住者については、外国人であることにはかわりありません。
特別永住者になり済ますという事案についても発生の危険性が
あるわけで、現段階では、常時携帯義務を維持する必要性がある。

近江屋
常時携帯義務は、諸外国ではどういうなっているのか。

石川

近江屋
そこは通告していませんでした。国連の人権委員会の勧告も踏まえ、
いっしょに研究していきたいと思うのでよろしく。

近江屋
家庭をもち、納税を果たし、日本社会の存立に貢献している人たちが
多数おられる。日本人とわだかまりもなく共生していくというのが望ましい。
特別永住者と日本人との一元化に向けて検討していく時期ではないかと思う。

北朝鮮にかんすることであるが、平成2年自民党の幹事長に随行して
ピョンヤンに行ったことがある。抑留された船長と機関士の帰国を
交渉し連れ帰ったことがある。
毅然とした態度も必要ではあるが、小泉元総理も訪朝して拉致被害者を
連れ帰った。そういう行動も必要だ。日朝両国が政府を承認して、
北朝鮮籍の特別永住者も再入国許可が不要になるわけですが、そういう
ところへの努力も必要だ。


どうしてそういう違いが出てくるのか。国同士の関係の問題もある。
法務省において、それを同列に扱うのは困難。局長も答弁するのは困難だ。
入管当局としてはこれがベストの案。このようなことは、むしろ国会で
こそご議論いただきたいところだが、私たちとしてはこれがベストの
案だと思っているということ。

近江屋
ぜひ議論の大きなテーマとしていきたい。
諸外国の例は分かったか。

石川
手元の資料で完全ではないが、同様な登録制度、カードの利用をしている。
常時携帯義務と提示義務違反については、フランスは刑事罰、ドイツは
ひつよう(?)罰に処せられる。
米国は永住者においても提示義務を課し違反は刑事罰、韓国も刑事罰、
イギリスは指紋をシステムやカードに登録する制度があるので、
携帯義務・提示義務を課していない。

近江屋
成立後3年経過したら、日朝関係もどうなっているかわかりません。
両国で努力すべきことであり、変化への対応も、準備しておかなけれ
ばならない。

——————-(メモ終了)

入管法改正審議傍聴メモ 2009 No1. 赤池質問・衆院法務委員会

2009 年 5 月 16 日 土曜日

渋谷次郎です。

御存じのように、
本日より、出入国管理法改正案の審議が、衆院法務委員会で始まりました。
速報的に、あっしの膨張メモをお届けします。

まず、趣旨説明と与党である自公の議員からの質問です。

与党の先頭バッターは、
「犯罪者であるカルデロンになんで在留特別許可なんかだしたんだぁ!」と、
排外マニアな質問を繰り出したばかりである、かの赤池氏。

もちろん、またまたブッてくれたのは言うまでもありません。
答弁からは、同氏が様々な機会に吠えていたことがうかがえます。

「素朴な疑問」が大好きな彼ですが、あっしの素朴な疑問は、
現在の登録証は誤解されるような代物だというくせに、
「在留期限到来後の在留カードを提示されたら、一般国民が誤解してしまうので
は?」
と質問しないのはなぜなのかということです。
「在留資格の期限終了後は、在留カードの券面表示が消えるよう、最新テクノロジー
を駆使しなさい!」
と、ぜひ食い下がればいいじゃないか!

話題がそれてしまいました。
中盤では、国保、生保、雇用保険について「不法滞在者は従来より対象外」と
答弁させています。国保・生保は、92年でしたか在留資格がないとダメということに
変更され、それでも多方面から例外を作り、裁判でも争ってきたところ。
要するにあちらは「だから改正による悪影響はないのだ」という論法です。

今回、印象深かったのは、「調査に協力しないものに罰則はないのか?」
という質問に対して、
「本人は在留資格の審査で不利になるから協力するだろう。
 本人の在留を望む勤務先や学校も協力するにちがいない」
という趣旨の答弁をしているシーン。

その答えじゃあ、本人の在留を望まない勤務先や学校(や配偶者)は
調査できなくなくてもしょうがない(=する気がない)ということじゃん。
ああ、こうして
「行政(入国管理局) > 受益者たる日本人 > 外国人」
という力関係を強化するのがこの改正の狙いってことよね。
そんな思いを強くしました。

(以下は、ネット中継しながらの傍聴メモです。
 正確性よりも速報性を重視したものなので
 語句等の不正確な点はご了承ください。)

—————————
赤池誠章(自由民主党)(1時間 11分)

大臣趣旨説明のとおり国際化のなかで、外国人登録者数は900万人。
不況のなかで昨年後半には減じているとはいえ、大勢の方が多い。
不法残留が22万人もいる。治安大国日本にとって大変なこと。
半減プロジェクトによって11万人にまで下がったが、中国、韓国、
フィリピンはまだ多い。
前回の質問でもしたが、ルールを守って国際化ということで。
我が国にとって好ましくない外国人は退去強制をさせるということ。
人権・人道のためもあれ、あくまで日本人のため、日本のために
出入国管理行政は行われるべき。

外国人犯罪の増加というのは数字的な問題以上に、体感治安というかが
悪くなっている。
半減プロジェクトを実施した法務省、まずは警察としっかり連携して、
過去5年間で7万人を摘発している。
しかし、巧妙になっている。地方分散化、居住や稼働が少人数・小口化し
て移動を繰り返し、ブローカーが介在しながら偽造書類も精巧なものに
なっている。犯罪手口が巧妙化していいると聞いている。と聞いている。

平成18年の改正により上陸審査時の生体情報認証導入の、成果と課題について聞きた

石川 入国管理局管理局長

 指紋提供の拒否者は、1名で、この方については即刻退去していただいた。

赤池
日本、米国以外にも広がる可能性はあるのか。

石川

現在韓国で導入を検討されている。

赤池
お金のかかる話だが、これだけ有効に機能しているということであれば、
国際協力をこの面でも進めて関係各国に働きかけていくとよい。

課題として指摘された指紋偽装事件に関しても、犯罪集団というのはどん
な形にしても、なんとかするということは言われている。さっそく改善して
いただけたとのこと。難しいことはあるだろうが、情報収集しながら適宜
対応していただきたい。

半減したとはいえ未だに10万人以上の方がいらっしゃる。
毎年毎年不法入国される方もいらっしゃるのは間違いのないところです。

これだけやったからいいということではなく、さらに大変なことではあるが、
限りなくゼロに近づけるように頑張っていただきたい。

さて、今までの制度がどうだったのかを確認したい。

驚いたが、外国人登録カードが不法滞在の方に対しても発給されている。
そういう事実がある。登録書にわざわざ赤字で「在留資格なし」と書くわけ
だが、それはどういうことなのか。

石川
現在の登録法、第2条、3条のの規定により、不法滞在者も登録の義務があり、
登録された場合には市区町村の長は登録カードを発行しなければならない。

赤池
なぜ、登録法はそのような規定になっているのか。そもそも論だが

石川
いわゆるポツダム勅令として戦後創設されている。現在とは異なり、不法滞在者は
少なく、不法滞在者といえば朝鮮半島からの流入の恐れがあるくらいだった。

赤池
行政サービスとしてはどうなっているのか。
それぞれの急にお越しいただいたかたに効かせていただきたい。
まず年金については

深川 厚生労働省
国民年金につきましては、国籍を問わず住所を有していれば対象となる。
外国籍の方については、外国人登録を行っているか否かで、住所地が日本に
あるかどうかが判断されている。
ただ、不法滞在ということになりますが、そういった方から保険料徴収は
困難でありますので、今般の改正によって大きな変化はないものと考えている。

当然と言えば当然のはなし。
健康保険についてはどうでしょうか。

江端審議官
市町村の国民健康保険については原稿でも、在留資格を有していなければ法令の
対象外であり、改正による影響はうけない。

赤池
雇用保険はどうでしょうか。

大槻職業安定局次長
求職活動を支援するということですから、支援すべきでないということで対象外。

生活保護

坂本審議官
日本人を対象、適法に在留する外国人に対しては予算措置をして準用するというこ
と。
法改正による影響を受けるものではない。

児童手当についてはいかがでしょうか。

北村審議官
児童を養育する者が国内に住所を有する者を対象とし、不法滞在者は対象としており
ません。
児童手当の給付では、外国人登録原票により、在留資格を確認している。
今回の法改正にあたって、取扱いがかわるものではありません。

赤池
厚生労働行政に関しては、不法滞在者については今まで行政サービスをしていなかっ
た。
新しい在留管理制度になってもなんら変わらないということがわかりました。

次に文科省はいかがでしょうか。

前川審議官文科省

保護者が義務教育小学校に入学を希望する場合においては、すべての子どもの教育を
求める国際権利条約の規定に基づきまして、滞在の資格のいかんを問わず無償での受

入れを行っている。不法滞在の外国人についても、我が国に滞在する期間について
は、
同じ取扱いになっている。
この方針は今回の改正でも変更されるものではないと承知している。

赤池
厚生労働行政も変わらないし、文部科学行政もかわらない。
文科省は受け入れているから変わらないということ。
子どもに罪はないということはもっともだなと私も承知している。
ただ、法治国家日本では順法精神も大切な教育目標の一つ。
わからないといえばわからないのかもしれないが、登録証を観せたら一般の人は、
合法だとおもう。それで大きな問題が出るのかもしれない。文科省はもともとその点

確認もしていない。
はたしてそれでいいのかと素朴な疑問も持っている。
半減政策を国の方針、

居住地だけであえてそれだけでいいよ。という通知も出したということだが、
これからは、ハッキリ在留カードということで分かるわけですが、このままでいいの
か。
もちろん、子どもに罪はないし、現場が混乱するということもわかるんですよ。
簡単にはいかないでしょうが、
質問しても、審議官が困るだけだとわかっていますが。
法治国家であるわけで、学校が不法滞在の拠点というかそういうところになっても
困るということでよくよく今後検討していただきたい。
これまでの対応だけではたしていいのかというところを検討していただきたい。
きょうはこういう問題があるということで、問題定義をしている。

(参考人に退出を促す)

登録には、わざわざするんだからメリットがあるのだろうと、おもう。
なぜ不法滞在者が危険を冒して登録しようとするのか。

石川
外国人登録カードは、基本的な身分事項の表記と写真がある。
預金口座、携帯電話の加入だとかを容易にするという側面もあるのではないかと
推測している。

一般の人にはなかなか分からないという側面もあるから、
不法の口座開設や不法就労に使われるという側面があると思う。
現行の大変な問題点なのだ。

これからは、そこがはっきりするわけで、不法の方にはもうカードはないわけですか
ら、
はっきりすることになるのかな。
法律が通ったあと、広報や周知が大切にはなるが、通過したあとのことですが、
しっかりやっていただきたい。

石川
正規の滞在者のみであるし、就労できる方であるかどうかも明記される。

赤池
外国人登録証の問題点を指摘した。
あらためて、法務大臣が継続的に情報を補足する制度ということですが、
対象となる外国人の範囲は?

中長期的に我が国に
3か月以下の在留資格、短期滞在、外交・公用、その他省令に定める方を除外した範
囲。

4番目の「準ずるもの」は?

今後詰めていくことによるが、
外交館に準じる、台湾の協会、駐日パレスチナ代表部を考えている。

政治的な判断で活用されるものだということですね。

在留カードとは何か、改めて聞かせていただきたい。

石川
在留カードとは、(法案読み上げ)。
常に最新の情報が反映されることになる。行政サービスを受ける場合にも、
簡単に適法に在留するものなどが証明できる。

赤池
中長期的に滞在する方については、線の形で情報を把握することができるようだ。
いつから導入されるのか。

石川
開始するためには、入管だけでなく、市区町村との情報のやり取りをできるシステム
が必要。
公布から3年以内。

赤池
対象となるのは何人ぐらいか。

石川
あくまで概数だが、登録者のうち除外されるものもある。
172万4千人になる。
おおむねこれくらい。徐々に増えるが、今後どうなるかよくわからないが。

赤池
不法滞在者において、住民基本台帳制度の対象になるのか。

石川
総務省の所管だが、不法滞在者は対象外と承知している。

赤池
現行の登録証と新しい在留カードは何が違うのか。

石川
在留カードの所持事態が、在留資格の有無を示すことになる。
記載面には、就労資格の有無、資格外活動の許可を受けている場合にはその旨を記載
して
事業主にもどのような就労が可能になるのか、容易に分かるようにする。
ICチップを付着させることによって、偽造にも備えたい。

赤池
在留カードの導入によって、不法滞在者には交付されない。
これで違いがでてくる。
不法滞在者対策について資する点は?

石川
情報の正確性を担保するために、届け出られた事項について法務大臣が
事実の調査をできるようになっている。
学校、事業所など所属機関にも、在留資格に関係する場合は状況の
届け出が義務化される。
本人と所属機関の双方からの情報を照合でき、正確性が増す。
在留資格取り消しが新設される。

赤池
調査権の内容と趣旨を聞きたい。

石川
法務大臣が中長期の外国人に…

赤池
ほぼ制限なく聞くことができるということでいいのか。

石川
あくまで入管法や処分に関する範囲内、入管行政に関係する範囲内で
とういう趣旨だ。

赤池
調査を拒否した場合、何らかの罰則はあるのか。

罰則はなく、任意でご協力いただきます。

赤池
罰則がないのなら、協力しないということにならないか。

石川
当該外国人に関しては、在留資格の更新等で疑義が生じた場合には、
それを解消しないと認められない・不利に働くということになります。
関係機関についても、その外国人が適法に在留するためには、協力する
ことが必要になることになる。いっぱんに協力が有利に働くことになり
ますので、協力が見込めるということになる。

赤池
在留期間の途中で変更が生じた場合にも届け出るということだが、
変更の届け出の考え方は?

石川
住所の他にも、それが在留資格の基礎となる場合は、学校や勤務先と
いった所属機関の移籍等、配偶者としての関係を基礎としているなら、
離婚や死別といった事項も届出を求める。

赤池
結婚したからいられるのに、偽装結婚や偽装認知があってはならないし。
反面DVとかもあり、どうしょうもなく離れていなければならないという
ときにはどう対応するのか。

石川
たとえばDVなど、なかには本人の帰責理由によらないでなかなか
婚姻関係を継続しがたいということがある。この場合には、他の在留資格に
変更できる場合が多いだろうから、そちらへの変更申請をさせて、引き続き
在留を継続するという場合が多かろうと思っております。

赤池
雇用先、学校、研修先など、所属機関について情報を提供させるその趣旨は?

石川
本人から得た情報と照合することで正確な把握ができるという意味で
重要だと考えている。

赤池
在週資格の取り消しの趣旨は?

石川
たとえば不正の手段によって在留特別許可を受けた、というのがある。
事例てきにも発生している。

赤池
配偶者の問題ですが、DVは別途対応するということですが、配偶者の取り消しの趣旨
を。

石川
配偶者の身分を失ったばあいや、その活動をしないのは法の趣旨
偽装結婚して就労を防ぐ。
他の在留資格への変更ができるケースならば、変更申請をさせて在留を継続していた
だく。

赤池
ブローカーを入れての偽装婚、偽装認知をきちんと防いでいただきたい。
90日の住所変更を届け出ないことを取り消し事由としたのは?

石川
居住情報の虚偽、不届けが問題となっている。正確な住居地届を促すという趣旨。

赤池
登録証の偽造・変造があったが、在留カードでは対策は。

石川
在留カードの券面に偽造対策を施すのはもちろん。ICカードで。

赤池
罰則は?

石川
新たな在留管理制度の根幹を脅かす行為。組織的、国際的な偽変造、提供、
行使、所持、機械・材料の準備も処罰の対象にした。

赤池
それを強制退去事由とした趣旨は?

石川
厳罰を…。

赤石
研修・技能実習制度の改正の趣旨は?

石川
研修生、実習生の保護を目的とするもの。
就学・留学生は、利便性の向上を図るものだ。
資格変更が不要になる。

赤石
カルデロンをはじめ昨年も8千人も在留特別許可を出している。
国民から見たら、割合は少なく、それほど悪質でないとも聞いているが、
それではしり抜けになってしまうのではないか。法治国家としてそれでいいのか。

森法務大臣。
異議申し立てをしたらすぐに許可しているわけではない。
慎重かつ適切に行っている。
個別的に、総合的な判断からしている。

赤石
基準はない。ガイドラインはある。
配偶者や子供となると認めざるをえない。
ぜひその辺は、今まで以上に、疑念・懸念が生じないように慎重にやっていただきた
い。
在日特権といわれないように。
今回の改正は高く評価している。

——————-(メモ終了)

新在留管理制度関連法案を斬る!新たな入管体制に見る日本の外国人政策

2009 年 4 月 17 日 金曜日

主催) 在日朝鮮人人権セミナー、在日本朝鮮人人権協会
日時) 5月23日(土) 午後2時30分開始(2時開場)~4時50分終了
場所) 東京ボランティア・市民活動センター 会議室(A・B)
(JR「飯田橋」駅横セントラルプラザ10階)
http://www.tvac.or.jp/images/infomap_large.gif

資料代)800円(学生:500円)

報告者)
● 旗手明(自由人権協会理事):法案のねらいと内容、それがもたらす問題について

● 金舜植(弁護士・在日本朝鮮人人権協会常任理事):在日朝鮮人の処遇について

● 前田朗(東京造形大学教授・在日朝鮮人人権セミナー事務局長):国際的な人権潮流における日本の外国人施策の位相について

◇会場からの発言を交えたディスカッション

再入国許可免除の前提が「有効な旅券」

2009 年 3 月 25 日 水曜日

在日本朝鮮人人権協会の金東鶴さんが、今回の入管法ならびに入管特例法の改定案における再入国許可の問題に関して書かれた文章を紹介します。(ご本人の承諾は得ています。)

入管法ならびに入管特例法(特別永住者を定めたもの)において、常時携帯義務の問題もさることながら、法案は「有効な旅券」がなければ、許可免除出来ないとしています。
在日朝鮮人の中には韓国旅券を持たず、朝鮮民主主義人民共和国旅券を所持する人間、あるいは南北の旅券を持てない(持たない)人間が少なからずいます。
法案がこのまま成立した場合、こういった人達のみが再入国許可免除をされないということになってしまいます。ちなみに記事の下の文章にあるように、台湾や、パレスチナについては「権限のある機関の発行した」旅券は認めることになっています。
このような不均衡を生じさせてはならないと考えます。

【参考資料】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『在日朝鮮人の法的地位・社会的諸問題』金東鶴 (「在日朝鮮人の歴史と文化」〔共著、明石書店、2006年〕所収)より

(抄)
3 旅券問題

「未承認国家」であることを「理由」とした朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に帰属意識を持つ在日朝鮮人に対する不当な対応として同国旅券(パスポート)を日本政府が認めないという問題もある。このため共和国に帰属意識を持つ在日朝鮮人は海外に渡航するにあたり、何かと不便な思いをすることが多い。

一般的に外国人は自国の大使館・領事館に行って旅券を発給してもらった上で、日本の入国管理局に行って再入国許可の申請をする。入国管理局がその申請に対し、再入国の許可を出す場合は、基本的にはその外国人の旅券に再入国許可を証明するシールを貼ることとなるのだが、共和国に対してはその旅券が認められないということで、再入国許可申請時に旅券の提示があろうとなかろうと、シールの代わりに再入国許可書を発行している。

この再入国許可書は一般に、難民のように自国の旅券の発給を受けることが困難な事情にある者に対して発給されるものであり、それゆえに諸外国の空港において再入国許可書を提示した場合、なぜ、旅券ではないのか、難民なのかと確認に時間がかかってしまうことが少なくない。

共和国の「朝鮮民主主義人民共和国旅券および査証に関する規定」(1993年4月14日政務院決定第27号で承認される)はその第9条において「旅券は、外交部と出入国事業局、在外代表部、在日本朝鮮人総聯合会が発給する。……在日本朝鮮人総聯合会中央常任委員会は日本にいる共和国公民の旅券を発給する」と定めており、実際、共和国外務省の委任により発給するという形で朝鮮総聯中央本部が同国旅券を発給している。

前述したように現在、共和国と国交を結ぶ国が150を超えるに至っている中、当然ながら多くの国が入国査証(ビザ)申請時に再入国許可書ではなく共和国旅券の提示を求めている。このような状況において少なからずの在日朝鮮人が不合理にも共和国旅券と再入国許可書の両方を携えるという不便を被っているわけである。

では、日本が同じく国交がなく、「未承認国家」とする台湾や、パレスチナについてはどういった対応がなされているのか。「出入国管理及び難民認定法の第2条の5」において旅券の定義がされているが、その中で旅券としては、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した旅券等(第2条の5のイ)の他に「ロ 政令で定める地域の権限のある機関の発行したイに掲げる文書に相当する文書」がこれにあたるとし、これを受けた「出入国管理及び難民認定法第2条第5号ロの地域を定める政令」においては「出入国管理及び難民認定法第2条第5号ロの政令で定める地域は、台湾並びにヨルダン川西岸地区及びガザ地区とする」としている。この同法第2条の5のロの規定及びそれを受けた同政令は、1998年に制定され、当初、台湾がこれにあたるとし、さらに2003年には「ヨルダン川西岸地区及びガザ地区」、つまりはパレスチナについてもその対象とすることとされた。また韓国の旅券についても国交を結ぶ以前である1952年から黙示承認により事実上有効な旅券として認めてきたという。

このようなことから見ても「未承認国家」だからという「理由」は一貫性を欠いたものであることは明白である。

共和国についてのみその旅券を認めないという歪な対応は早急に改善されなければならない。

入管法改悪に反対する NGO緊急声明

2009 年 3 月 15 日 日曜日

入管法・入管特例法および住基台帳法の改定案国会提出をうけて、2009年3月13日、「在留カードに異議あり!」NGO実行委員会は「入管法改悪に反対する NGO緊急声明」を発表した。
この声明は、5点ににわたる政府案の問題点(以下は要約)に注目し、入管法改定案の廃案、住基台帳法改定案の大幅な修正を、国会に対して求めている。

  1. 当事者である外国籍住民の意見の広範な聴取をすべきである
  2. 入管法の改定案については、外国籍住民のプライバシーを侵害し日本国籍者にはとうてい許されないデータマッチングを実施しようとしているなど廃案とすべきである
  3. 入管特例法の改定案については、旧植民地出身者とその子孫の歴史的過程と現状を踏まるなら、少なくとも特別永住者証明書の更新・受領・携帯・提示義務と刑事罰規定を削除すべきである
  4. 住基台帳法の改定案については、入管法改定による「新たな在留管理制度」との連動を排除すべきであり、また「在留資格、在留期間」等の外国人住民票への記載規定は市町村による行政サービスのために必要ではなく、この記載規定は削除すべきである
  5. 「外国人・民族的少数者のための人権基本法」を制定すべきである