2009年5月27日4時58分
長谷川等伯の真筆とわかった「花鳥図屏風」=京都国立博物館提供
滋賀県立琵琶湖文化館(大津市)に保管されている屏風(びょうぶ)絵「花鳥図屏風」が、桃山時代の絵師、長谷川等伯(とうはく、1539〜1610)の真筆であることが京都国立博物館(京都市東山区)の調査で、26日までにわかった。
屏風絵は縦153.7センチ、横349.8センチの六曲。随所に金箔(きんぱく)が張られた金碧画(きんぺきが)の花鳥図で、松の木や藤の花、滝の流れなどが描かれている。鑑定した山本英男美術室長によると、松の樹皮や枝ぶり、鳥の描写が等伯の初期の作品に似ているため、真筆と判断したという。
能登生まれの等伯が京都に来て「信春」と名乗った40歳前後の作品とみられる。等伯の金碧画は、国宝の京都・智積院障壁画(1592年ごろ)が知られるが、それよりも古い作例という。
山本室長は「等伯が大家となる前から金碧画を描いていたことを示す重要な作品だ。早い段階から準備し、実績を積んだから智積院の障壁画に結びついたのだろう」と話している。