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安保理、北朝鮮を非難 「新決議採択を目指す」で合意

2009年5月26日11時10分

写真ニューヨークの国連本部で25日、国連安全保障理事会の緊急会合後、記者団に談話を発表する議長国・ロシアのチュルキン国連大使=ロイター

図拡大北朝鮮の動向に対する国連安保理の対応

 【ニューヨーク=松下佳世】北朝鮮による2度目の地下核実験を受け、国連安全保障理事会は25日午後4時半(日本時間26日午前5時半)ごろから非公開の緊急会合を開いた。各国は、今回の核実験は、前回(06年)の核実験の際に安保理が核計画の放棄などを求めて採択した決議の「明確な違反」に当たるとして非難。新たな決議の採択を目指すことで合意した。

 会合後、議長国・ロシアのチュルキン国連大使は記者団に対して、核実験に「強い反対と非難」を表明し、直ちに新決議の協議に入るとの議長談話を読み上げた。談話はまた、北朝鮮に対して過去の決議の完全な順守を要求、加盟国にも決議の履行を要請した。

 安保理は26日から、日米など主要関係国の実務者レベルで決議案の内容の協議に入る予定。決議案は日米を中心に、英仏や韓国などと調整の上でとりまとめる。

 緊急会合に先立ち、5常任理事国と日韓の国連大使は、非公式に対応を協議した。日米などが求める強い内容の決議をまとめるには一定の時間がかかることから、まずは安保理として核実験を非難する立場を明確にし、決議を目指す姿勢を表明する方法を取ったようだ。

 日本と米欧は、追加制裁も含めた新決議の採択を目指す方針だ。会合後、日本の高須幸雄国連大使は「全会一致でできるだけ早く決議を採択したい」と強調した。ただ、決議の中身については「どこまで盛り込めるか、何が効果的なのかを考えて対応したい」と述べるにとどまった。

 米国のライス国連大使は「強い措置を盛り込んだ強い決議を目指す」と語った。フランスのラクロワ次席大使は、「決議には追加制裁が盛り込まれるべきだ」と明言。「追加制裁が必要だと考えているのはフランスだけではない」と話した。

 外交筋によると、会合では、中ロも北朝鮮の決議違反を非難した。だが、両国は新たな制裁には慎重とみられ、決議が最終的にどれだけ厳しい内容になるかが、今後の焦点になる。

 一方、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は25日、核実験が「明確で深刻な安保理決議違反」であるとして、「強い遺憾」の意を表明する声明を発表した。安保理が朝鮮半島の非核化と地域の安定に向けて「一致した強いメッセージを出すと信じる」と期待を示した。

     ◇

 〈国連安保理決議と議長声明〉 国連安保理は、北朝鮮による06年7月のテポドン2など7発のミサイル発射に対し決議1695を、同年10月の核実験実施には決議1718をいずれも全会一致で採択した。決議1718は、国連憲章第7章に基づく法的拘束力を持つ。一方、今年4月のミサイル発射に対しては、人工衛星かミサイルかにかかわらずミサイル関連活動の停止を求めた過去の決議に違反したとして北朝鮮を非難する議長声明を採択した。

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