2009年5月25日20時52分
【ワシントン=村山祐介、北京=坂尻顕吾】北朝鮮の核問題をめぐる6者協議のメンバーで、国連安全保障理事会の常任理事国の米国、中国、ロシアはいずれも25日、2度目の核実験に踏み切った北朝鮮を批判した。
オバマ米大統領は25日未明(日本時間同日午後)、北朝鮮による核実験を「国際法違反」とし、「すべての国への深刻な懸念だ」と非難する声明を発表した。「国際社会が行動を取る正当な理由になる」とも述べ、安保理を舞台として対抗措置を目指す考えを示した。
オバマ政権はこれまで直接協議も視野に「対話」路線を模索してきたが、当面、「圧力」に軸足を移す見通しだ。安保理で中国、ロシアを含む国際社会の結束を固め、追加経済制裁などで北朝鮮への圧力強化を目指すと見られる。
一方、中国外務省は「北朝鮮が国際社会の反対をあまねく無視し、再び核実験を実行したことに、中国政府は断固として反対する」との声明を発表した。
声明は「北朝鮮が非核化の約束を守り、情勢をさらに悪化させるような関連する行動を停止し、再び6者協議の軌道に戻ることを中国側は強く要求する」と主張。さらに「北東アジア地域の平和と安定を維持することは関係国の共同利益になる」と訴えた。
ロシア外務省も北朝鮮の核実験は安保理決議違反だと非難する声明を発表。6者協議が危機への唯一の解決法だとした。