北朝鮮非核化を前提にするすべての国の対北政策が破産危機に追われた。その「すべての国」のもっぱら上座に韓国と米国がある。国連安保理を通じた強い北朝鮮制裁は北朝鮮の繰り返された核実験に対する短期的対応であるだけで長期的目標のための対北政策ではない。北朝鮮が米国記者2人を裁判に回付して、核実験とミサイル発射を同時に強行したことを見れば 2006年、米国がバンコ・デルタ・アシア(BDA)口座を凍結したような北朝鮮に最も苦しい制裁を加えると言っても、核保有を通じる体制安全という選択をあきらめるようではない。
今までは北朝鮮が長距離ミサイルと核実験脅威で狙うことは米国の関心集めとオバマ政府と持つ核交渉で有利な立場を確保するためのものだと解釈された。しかし昨年夏以来、金正日(キム・ジョンイル)の健康に問題が起こり、軍部の発言権が圧倒的に大きくなり、核保有で体制の安全を守ろうという路線が金正日の同意の下、6カ国協議の非核化合意を履行し、朝米関係正常化で滑路を見出そうという路線を圧倒したように見える。
金正日が三男の金正雲(キム・ジョンウン)に権力を渡す準備をしているのが確かに見られる。金正日が北朝鮮を統治できない事態が来たとき、正雲がどんな職につき、どの程度の権力を行使するかはまだ確かではない。しかし一つ見通しは可能だ。それは金正日が核と長距離ミサイルで武装した「核国家」を息子に譲るのが南北、朝米、朝日関係改善と正常化を通じるよりずっと安全な生存戦略という判断をしたということだ。
クリントン政権が成功させた1994年のジュネーブ核合意をブッシュ政府が白紙化した経験から北朝鮮はオバマ政府が両者または多者合意で北朝鮮の体制安全を保障すると約束してもそこに北朝鮮の生存を維持するのはとても危ない賭博だという教訓を得たはずだ。核保有国家として進む過程で米国や日本と関係を正常化して経済的恩恵を受けることができればそれは厭う理由がない一挙両得という計算ではないかと思う。
金正日に核はもう交渉用ではない生存用となった(2)
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