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【社説】北の核とミサイルの脅威は放置できない(上)

 北朝鮮は25日正午に「再び地下核実験を成功裏に実施した。爆発力と制御技術の面において新たな高い段階で安全に実施された」と発表した。北朝鮮は国際社会の説得と警告にもかかわらず、2006年10月9月の初の核実験に続き、2回目の核実験を敢行した。北朝鮮は同日、短距離ミサイル3発も発射した。北朝鮮の国営メディアは同日午前6時ごろ、「金正日(キム・ジョンイル)総書記が盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の夫人と遺族らに弔電を送り、深い哀悼の意を表明した」と報じた。

 韓国政府は同日午前9時45分ごろ、咸鏡北道吉州郡豊渓里付近でマグニチュード4.4の人工地震を感知したと明らかにした。06年の第1回核実験のマグニチュード3.6よりも爆発規模が大きく、マグニチュードにして0.8の差はエネルギーが約20倍強いことを示している。韓米当局は第1回核実験の爆発規模がTNT火薬1キロトン水準だったのに比べ、今回は最大で20キロトンに達したと推定している。第2次大戦終戦を控えた1945年に日本の広島と長崎に投下された核爆弾の威力はそれぞれ15キロトン、22キロトンだった。

 北朝鮮が4月5日に発射した、長距離ミサイルに転用可能なロケットは3200キロ飛んだ。98年の初回発射時の1620キロに比べ、飛行距離を2倍近くに伸ばした。北朝鮮は今年に入り、核と長距離ミサイルの性能をこれまでより2倍に改良することに成功した形だ。もちろん北朝鮮の核と長距離ミサイルの能力が完成段階だとはまだいえない。核兵器の使用に必要な核弾頭の小型化に成功しておらず、長距離ミサイルも3回の実験で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の標準射程距離の7000-8000キロに遠く及ばなかった。しかし、北朝鮮が現在のように何ら制約なく核実験とミサイル実験を繰り返せば、韓国は遠からずICBMに核弾頭を搭載した核保有国・北朝鮮と相対することになる。

 北朝鮮が核弾頭を搭載したICBMを保有すれば、韓国とは次元が異なる世界の存在となる。北朝鮮は世界舞台で核保有国に見合った扱いを求めるはずで、米国の北朝鮮に対する態度もまた変わるはずだ。北朝鮮は既に6カ国協議などを通じ、「核保有国」として認めることを要求してきた。「核保有国・北朝鮮」は韓国を対等な相手とは見なさなくなるはずで、韓半島(朝鮮半島)の実質的な主役は北朝鮮だと振る舞い、韓国の運命を思い通りに左右しようとするはずだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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