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民主推薦、会見直後に - 政党色の否定疑問【奈良市長選】

2009年5月26日 奈良新聞

 任期満了に伴う奈良市長選挙(7月5日告示、12日投開票)に、新人の団体役員、仲川元庸氏(33)=民主党推薦=が出馬表明の記者会見で、「個別の政党や政治家から出馬依頼は受けていない。自分から推薦をもらいにいくことはしない」と公表していた問題で、25日までに、民主党関係者は「馬淵澄夫・党県連代表が23日の常任幹事会で、仲川氏を推薦するに至った経過を説明した」ことを明らかにした。仲川氏は会見の場で、すでに推薦手続きをしていながら、記者からの「政党との関係」の質問に虚偽の説明をしたことになった。同党は全面支援の方向だが、仲川氏は出馬会見でつまづく格好となった。

 20日の記者会見では「個別の政党とは距離を置く」「政党色を強く出さないでいきたい」としていた。このため民主党との特別な関係も否定していた。

 党関係者によると、「馬淵さんが時間をかけて、『市長選に出ないか』と説得してきた経緯がある。その経緯があったから、仲川さんは、1区総支部に対して『推薦をお願いしたい』ということになったのではないか。それを受けて推薦を決めた経緯が馬淵さんから話された。県連として、その報告を受けて了承した」と説明。記者会見の前に推薦の手続きをしていたことを明らかにした。

 また県1区総支部幹部は、「出馬表明当日の昼に仲川さんを初めて紹介いただき一緒に食事をした」といい、午後2時すぎの会見前の接触を認めた。

 馬淵代表が、政党色を前面に打ち出して、国政選挙同様の「自民対民主」の構図を進める方針であることから、23日の常任幹事会では、この経過説明を受け「仲川氏推薦」を了承している。

 これについても、幹部は「中央の自民対民主の構図は、地方の市長選にはよくないのではないか。推薦をいち早くした馬淵さんはそれ(自民対民主)にこだわっているような気がする。改革派かどうかで分けたほうが良いような気がする」と話している。

 このため、4年前の前回選挙での藤原昭・現市長を誕生させた各党会派の共闘体制が大きく変化したことになった。国政選挙の図式では自民・公明と民主の対決となるため、仲川氏周辺が期待する前回の体制は消滅する。

 一方、4月に出馬表明した鍵田忠兵衛氏(51)は、返り咲きを狙って各種会合に精力的に顔を出すなど、準備を進めている。

 同時に行われる市議会議員選挙が、定数減の中で実施されることから、出馬予定の議員らは、市長選に関心を示しながら、自身の地盤固めを優先させている。とくに保守系の「反鍵田」陣営は、名前の挙がっている鍵田、仲川両氏と距離を置いており、新たな候補者が出るのか注目している。

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