2009年5月26日18時46分
東京都板橋区弥生町の不動産賃貸業瀬田英一さん(74)方が燃え、瀬田さんら2人の遺体が見つかった殺人・放火事件で、2人は頭を殴られて胸などを刺された後、生存している状態で油をかけられ、火をつけられた可能性があることがわかった。捜査関係者が明らかにした。警視庁は、資産家として知られていた瀬田さん方を狙った金品目的と、恨みによる犯行の両面から捜査している。
板橋署捜査本部や捜査関係者によると、2人は離れの焼け跡で発見され、居間近くの廊下で瀬田さん、居間で妻千枝子さん(69)とみられる女性がそれぞれ倒れ、死亡していた。ほかに母屋と蔵の一部が燃えた。
2人は頭に打撲の跡や刺し傷があったほか、胸や腹に刺し傷があった。2人のそばからは油の反応を検出。遺体はいずれも損傷が激しいという。死因は頭蓋(ずがい)内損傷や刺されたことによる失血とやけどの両方とみられ、火を付けられた時点で生存していたとみられるという。
こうした状況から、捜査本部は、犯人が2人の頭を鈍器などで殴り、刃物で胸や腹を刺したあと、油をかけ火を付けた疑いがあるとみている。
離れと隣の棟との間には、備蓄用の容器入り灯油があったほか、離れの室内には石油ストーブがあった。捜査本部はこうした灯油が犯行に使われた疑いもあるとみている。26日午前から現場検証し、凶器やライターなどが現場に残されていないか捜索している。
瀬田さんは資産家として地元で有名だった。自宅周辺だけでも8千平方メートル以上の土地を所有。知人らによると、ほかにも不動産や駐車場を所有していたといい、これらの賃貸収入や借地権取引などで多額の収入があったとみられる。