経済
カプセルホテルや高速バス 「快適空間」が人気
ファーストクラスをイメージした会員制ホテル「ファーストキャビン」の室内。右側は従来のカプセルホテル |
ウィラートラベルの高速バスに導入されたビジネスマンに人気の「エグゼクティブ」席 |
出費は抑えても、快適さは犠牲にしたくない-。「格安」よりはちょっと高いが、心地よい空間にこだわったお得なホテルや高速バスが大阪や神戸で人気だ。各社は不況を商機ととらえ、価格に敏感となっているビジネスマン層を取り込もうと知恵を絞っている。
■ファーストクラス
大阪市内に四月、新形態のカプセルホテルが登場した。高さ、幅、奥行きとも二・一メートルで通常の四倍の広さ。航空機のファーストクラスをイメージした会員制ホテル「ファーストキャビン」だ。
一泊四千八百円。32型液晶テレビやインターネット接続LANを設置し、二十-四十代のビジネスマンを狙う。「通常のカプセルホテルに千円足せば泊まれる。お得かどうか、見極めてほしい」とファーストキャビン(東京)の小俣満理社長。
今後、東京、福岡、名古屋など国内主要都市やニューヨーク、ロンドンといった国際都市にも進出、二〇一五年までに五十店の計画を描く。
「常和ホテルマネジメント」(東京)が手掛けるのは大阪・淀屋橋に四月開業の高級ビジネスホテル「ユニゾ大阪淀屋橋」。シングルで一万二千円からと通常の三-五割高だが、高級ブランドのベッドや広めの浴室などを設置。同社は「(シティーホテルなど)上から流れてくるお客さまも獲得したい」と意気込む。
神戸三宮ユニオンホテル(神戸市中央区)は四月、整髪料など男性向け備品を充実させた「デキる男の身だしなみプラン」を発売した。職場に女性が増え、体臭を気にする男性が増えた点に着目。さわやかな香りの全身用化粧水や洗顔剤など四種類をそろえる。シングルで七千百円からと通常より二千円ほど割高だが、同ホテルは「ほかのホテルとは異なるアピールポイントに」と話す。
■新幹線から乗り換え
「価格の高い席から売れていく」。京阪神と首都圏や九州などを結ぶ高速バスを運行するウィラートラベル(大阪市北区)の村瀬茂高社長は昨年秋以降の現象を語る。
従来の高速バスは安さが最大の魅力で、学生など三十歳未満が利用客全体の七割を占めた。だが不況で、新幹線の代わりに使うビジネスマンが増加。中でも昨年十二月に導入した東京-大阪間の「エグゼクティブ」席は一カ月以上先まで予約でいっぱいの人気ぶりだ。
ヒットの理由は、安さと快適さの両立。シート幅は通常の二倍の約八十センチでベッドに近い状態まで倒せる上、カーテンで一人だけの空間に仕切れる。料金は片道九千八百-一万一千円と新幹線より二-三割安く、ビジネスマンの心をつかんだ。
神戸発-東京線でも、シート幅六十二センチでひざから下を支える足乗せ付きの「プレミアム」席を用意。新幹線より割安の料金を設定している。
村瀬社長は「節約志向は当分続くとみているが、(消費者は)安さと快適さの両方を求めている。新たなニーズをどう取り込むかが重要だ」と次の一手を模索している。
(5/10 11:03)
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