宮崎県延岡市は26日、市内で新規開業する医療機関に対し、最大1200万円を支援する補助金制度を創設したと発表した。医師不足対策の一環で、市町村独自の開業支援は同県内で初めて。全国でも「数自治体しかないのでは」(同市地域医療対策室)という。
延岡市など宮崎県北部では医師不足が常態化。同市医師会の加盟医169人の平均年齢は61歳、2003年以降の新規開業は9件にとどまっている。「医師の絶対数が足りず、高齢化が進めばさまざまな支障が考えられる」(首藤正治市長)として、独自補助に踏み切ることにした。
補助金の内訳は、新規開業奨励金500万円▽診療時間を午後7時までにした場合、年100万円▽5人以上を常時雇用した場合、年100万円‐など。無床の診療所を想定、開業時に交付し、3年以内に診療をやめたときは月割りで返還を求める。
同市は今後、医療情報サイトへの情報提供や、他地域で暮らす地元出身の医師に連絡するなどして、制度をPRする。
=2009/05/27付 西日本新聞朝刊=