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【神奈川】

電気バスの夢、県が発車オーライ 来年度までに試作車

2009年5月9日

電気バスの完成予想図を出席者に示す清水教授(左)=横浜市中区で

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 本格的な「電気自動車(EV)バス」の開発を目指し、産官学の関係者が意見交換する県主催の検討会が八日、横浜市中区で開かれ、来年度までの二年間でEVバス試作車を開発して普及を目指す方針を確認した。一方、事業化をにらみバス事業者からは懸念の声も聞かれた。

 EVバス開発は、県が以前から進めているEV普及策の一環。県によると、設計段階からEV化を前提に製作するEVバスは国内では例がない。

 会合では、EV開発の国内第一人者である慶応大学環境情報学部の清水浩教授が、EVバスのイメージについて説明。八輪駆動を取り入れることで車輪の小型化を図り、車輪部分の床上への飛び出しを最小限に抑えるほか、電池類も床下に装着して平らな床を実現するという。

 これに対しバス事業者からは、「限られた時間で充電できるのか」「修理はどうなるのか」などの意見が出た。バスメーカーの担当者はブレーキの開発を課題に挙げた。「排ガス規制でディーゼル車使用が厳しくなる中、EVバスへの期待は大きい」と前向きな意見もあった。

 検討会は小野義博副知事を座長に清水教授や、県内バス事業者の代表、バスメーカー代表など十九人が出席した。今後は、検討会での議論を踏まえ、清水教授の研究室が中心に試作車開発を進める。数億円とされる開発費は、主に国の開発資金などで賄う方針。 (中山高志)

 

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