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電気バス:10年度までに試作車…神奈川県や慶応大など

神奈川県や慶応大が開発に着手する中型の電気バスのイメージ図=同大の清水浩教授提供
神奈川県や慶応大が開発に着手する中型の電気バスのイメージ図=同大の清水浩教授提供

 排ガスを出さず、騒音もほとんどない八輪駆動の「次世代バス」が神奈川県にお目見えする。リチウムイオン電池で走る電気自動車(EV)で、EVのバスを車体から開発する試みは全国初。地球温暖化防止にEV普及を目指す県や慶応大、バスメーカーなどが連携し10年度までに試作車を作り、実証実験に入る。

 慶応大環境情報学部の清水浩教授が開発した最高時速370キロの電気自動車「Eliica(エリーカ)」の技術などを応用、エンジンに当たるモーターを車輪に組み込む。車体から動力装置を置くスペースを省けるためタイヤを八輪にして小型化、床を低くしてバリアフリー化も図る。

 5月スタートした検討会には、清水教授を中心に県内のバスメーカーや電力会社など16団体が参加し、1回の充電で200キロ前後を走行できる中型バス(定員約60人)の開発を決めた。県によると、既存のディーゼルバスをEVバスに改造した試みは過去にあるが、動力装置から車体まですべてを新規開発するEVバスは初めて。

 数億円と見込まれる開発資金の助成を国に働きかけるほか、民間からも募る考え。清水教授は「行政の支援で試作車を開発し、商品化していきたい」と話す。14年度までに県内でEV3000台普及を目指す松沢成文知事も「神奈川発の次世代電気バスを生み、本格的なEV社会の実現を目指したい」と意欲的だ。【木村健二】

毎日新聞 2009年5月26日 10時43分(最終更新 5月26日 11時12分)

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