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2009-05-24
■秦郁彦と「宮平秀幸新証言」のからくり。
時間がないので簡単に記すが、秦郁彦編集のこの『沖縄戦「集団自決」の謎と真実』(ＰＨＰ)は、秦郁彦氏や藤岡信勝氏らの歴史家としての存在価値と思想的な存在価値を失わせるに充分にいかがわしい内容であり、実証的、文献的にも疑問や錯誤ばかりの書物だが、中でも決定的な錯誤は、この書物のメインテーマとなっている「宮平秀幸新証言」の扱い方であろう。つまり、これが「沖縄集団自決裁判」原告団を、徳永弁護士グループと秦郁彦・藤岡信勝グループ(つまり、これが「宮平秀幸新証言」発掘者グループ)に分裂させる原因となったものであろうと思われるが、従って当然の如く、すでに高裁判決等においても、さらに小生や、作家の目取真俊氏などによっても、この「宮平秀幸新証言」の真実性や実証性は論じつくされ、その結果、裁判資料としての価値、あるいは単なる証言としての価値も、ほとんどゼロに近いと、多くの人によって承認されているはずだが、秦郁彦氏や藤岡信勝氏にとっては、たとえ関係者にどう言われようと、どう判定されようと、第一発見者という立場からも、この「宮平秀幸新証言」なるものは、なかなか捨てがたいものなのであろう。ところで、この「宮平秀幸新証言」は、第一審(大阪地裁)判決前後に、明らかになったために、第一審の裁判資料としては間に合わなかったわけだが、実は第二審でも、原告側弁護団は、この「宮平秀幸新証言」を重視せずに、というより裁判資料としてこれに全面的に頼るのは「アブナイ」と判断したようで、無論、その弁護団の「アブナイ」という判定は、おそらく小生等の「宮平秀幸新証言」批判を受けてのことだったろうが、その結果、宮平秀幸氏の証人申請もなく、宮平秀幸氏の陳情書提出も大幅に遅れ、結局、高裁判決直前の提出となつたというわけで、関係者の失笑を買ったものであった。しかるに、秦郁彦氏や藤岡信勝氏らは、その弁護団の「宮平秀幸新証言」の取り扱い方に納得せず、秦郁彦氏の「証人申請」すら裁判所に却下されるに及んで、原告弁護団、及び支援者たちの内部対立と相互不信はますます激化し、結局のところ分裂することになったのであろう。さて、「宮平秀幸新証言」そのものについてだが、実は、小生は、コメント欄でもお馴染みだが、沖縄出身の「沖縄集団自決」研究者「キー坊」氏からの資料提供を受けて、かなり早い段階から、「宮平秀幸新証言」なるものの「いかがわしさ」を熟知しており、そのことを可能な限り、ブログや雑誌、新聞等に発表し続けたというわけである。「宮平秀幸新証言」なるものは、昨年、最初、「チャンネル桜」で放送され、その後、鴨野守氏、藤岡信勝氏らが、「諸君！」や「正論」「will」に「決定的資料発掘」という歌い文句とともに次々に発表し、そして終には朝日新聞系列の「アエラ」にまで掲載されるという、前代未聞の椿事を引き起こし、ちよつとした話題になったものであったが、その後、雑誌ジャーナリズムにとっては衝撃的な「諸君！」の休刊という決着を見るわけだが、これは僕の勝手な妄想だと笑われるかもしれないが、「諸君！」休刊を決定付けたものは、この「宮平秀幸新証言」記事をめぐる「ヤラセ疑惑騒動」が原因だったのではないか、と僕は分析しているほどである。では、「宮平秀幸新証言」の何処がいかがわしく、何処が信用できないのか。沖縄出身の「沖縄集団自決」研究者「キー坊」氏からの資料提供によると、宮平秀幸氏は、秦郁彦氏や藤岡信勝氏らが言うように、これが最初の「沖縄集団自決」証言ではなく、宮平秀幸氏はすでに何度もテレビ出演したり、雑誌のインタビュー(本田靖春氏の取材)を受けており、つまり「沖縄集団自決」に関して重大な証言を繰り返しているという前歴の持ち主で、しかもその都度、証言内容が変化しているという、きわめて怪しい前歴が、資料的に実証されている人物なのである。要するに、「今まで沈黙してきたが、ここで勇気を出して真実を告白しました…」という宮平秀幸氏の話は、真っ赤な嘘であることが、数々の資料によって証明されているのである。少なくとも、徳永弁護士等は、小生等の記事を読み、「宮平秀幸新証言」の「いかがわしさ」を知り、それに深入りすることを、法廷戦術としても避けたかったのであろうと推察されるが、秦郁彦氏等は、それに納得しなかったということだろう。そういうわけで、秦郁彦編集の新著『沖縄戦「集団自決」の謎と真実』(ＰＨＰ)は、いまだに「宮平秀幸新証言」の資料的価値を妄信するグループによるものであり、徳永弁護士が「Ｔ弁護士」として登場し、批判・罵倒されていることからも、それは明らかである。ちなみに、当初、この「宮平秀幸新証言」なるものを、「チャンネル桜」が大々的に放送し、ユーチューブでも簡単に見られるようになっていたはずだが、今では「宮平秀幸新証言」を伝える録画映像は削除されているらしい。何故、「チャンネル桜」は、重要な証言映像を削除したのか。「宮平秀幸新証言」なるものが、「ヤラセ」証言であるらしいことが発覚したからだろうか? 秦郁彦氏や藤岡信勝氏等は、どこまで「ヤラセ疑惑騒動」に関与しているのか? 少なくとも、秦郁彦氏の学者生命は、この『沖縄戦「集団自決」の謎と真実』(ＰＨＰ)の出版によって、終わったのではないか。
■下は曽野綾子氏が、赤松氏らと打ち合わせをしている写真。何故、曽野綾子氏は、赤松部隊の隊員たちの懇親会(作戦会議?)に参加する必要があったのか? 何故、この会合に出席したことを、曽野綾子氏は、語らないのか? この写真の会議は、何のための会議だったのか?
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