母乳とミルク・授乳
Q. 生後0ヵ月の子を完全母乳で育てています。アルコールと授乳の関係を教えて (2007.3)
生後1ヵ月の赤ちゃんを完全母乳で育てています。私はお酒が好きで、以前は夕食時に夫とビールを飲んだり、友人と飲みに行く機会も多かったのですが、妊娠中は胎児に悪い影響があってはと飲まないようにしていました。産後0ヵ月を過ぎてそろそろビールが飲みたいのですが、母乳から赤ちゃんにアルコールの害が及ぶことはありませんか? アルコールと授乳の関係についてお教えいただければと思います。
回答者: 安達知子先生
飲んだアルコールが母乳中に移行することは事実ですが、どのくらいのアルコールなら新生児・乳児に安全か、というデータは残念ながらありません。そのため、アルコールを摂取しないことが勧められています。一方で、たまに飲むグラス一杯の飲酒(ビールはコップ1杯、ワインはワイングラス1杯、ウイスキーはウイスキーグラス1杯など)は、乳児にあまり悪影響はないとする報告もあります。
なお、少量のアルコールを摂取した授乳中の母親の、乳児の哺乳パターンについて調べた研究があります。アルコール摂取した30−60分間は明らかにアルコール臭が母乳から検出され、乳汁中のアルコール濃度に依存した臭いの強さになります。アルコール摂取直後から4時間は、乳児の乳首を吸う回数は増加しますが、哺乳量は明らかに減少しており、アルコール摂取後8−16時間では通常より哺乳量が増加しているという報告です。さらに調べると、母体からの乳汁産生量がアルコール摂取直後から4時間は減少していることがわかりましたので、乳児のこの乳首を吸うパターンと哺乳量の減少は、母乳の産生量の減少に原因があるのかもしれません。参考にしてください。