北朝鮮核実験:エネルギー06年の4倍…CTBTO外交筋

2009年5月25日 23時50分 更新:5月26日 1時58分

 【ウィーン中尾卓司、モスクワ大前仁、ソウル大澤文護】北朝鮮による核実験のエネルギーが、06年10月の前回実験時の約4倍の規模だったことが25日、分かった。北朝鮮核技術の進展ぶりがうかがえる結果となった。核実験全面禁止条約機関(CTBTO、本部ウィーン)の外交筋が明らかにした。

 CTBTOが世界39カ所の地震波観測網から収集したデータによると、核実験が原因とみられる人工地震の震源の深さは約0.1キロ。規模を示すマグニチュード(M)は4.5で、前回のM4.1よりも0.4大きかった。マグニチュードが0.2上がるごとにエネルギー量は2倍になるため、0.4上昇を観測したCTBTOは今回の爆発エネルギーを約4倍と推定した。

 核専門家の多くは、前回の核爆発の規模を、トリニトロトルエン(TNT)火薬換算で1キロトン未満と分析、今回の爆発規模は4キロトン前後との見方が出ている。一方、韓国やロシアは、爆発規模は最大で長崎型原爆(20キロトン)並みとの見方を示した。インタファクス通信などによると、ロシア国防省報道官は、核実験の爆発規模について、「10~20キロトンの威力」と指摘した。また、韓国の李相喜(イサンヒ)国防相は、国会国防委員会で「(爆発の威力は)1キロトンから最大20キロトンだったとみられる」と述べた。

 ロシア軍は前回実験の際、爆発規模を「5~15キロトン」と発表するなど、観測精度に限界があるとの指摘も多い。

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