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<八甲田山系の男性遭難>コップの光で生還 山菜採りの男性気づく

5月26日12時6分配信 毎日新聞

 「救助を呼んでくれ」。青森市の八甲田山系で春スキー中に遭難した北海道小樽市の医師、松谷学さん(43)は、青森県十和田市の農業、成田一也さん(52)に懸命に訴えた。山菜採りに来た成田さんは、松谷さんが振っていたコップに反射した光が目に入り、松谷さんに気づいた。遭難から約5日。松谷さんは凍える山中で命をつなぎ、奇跡的な生還を果たした。【山本佳孝、三股智子】

 成田さんによると、八甲田山系にある石倉神社から所々雪が積もる沢に沿って約400メートル歩くと、スキー板が落ちていた。「どうしてこんなところに」と疑問に思った直後、沢の約30メートル先で何かが光った。よく見ると、雪上で右腕を下にして横向きで倒れているスキーウエア姿の松谷さんがコップを振っていた。

 成田さんは最初、松谷さんが倒れているのか休んでいるのか分からなかった。近付いて声をかけると、松谷さんが「救助を呼んでください。飲み物をください」と話し、遭難と分かった。松谷さんの携帯電話にはGPS(全地球測位システム)機能があり、現場の緯度と経度を聞いた成田さんは、持参した500ミリリットルのペットボトルのお茶と水、梅おにぎり2個を松谷さんに渡して下山し、車で約3キロ離れた酸ケ湯温泉に駆け込み、110番したという。

 青森地方気象台によると、20日以降の酸ケ湯温泉の最低気温は6・2度で、同温泉の男性従業員は「ここ数日は霜が降りるほど冷え込むことはなかったが、雨が降って寒い日もあった」と話していた。

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最終更新:5月26日12時55分

毎日新聞

 

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