上の写真は今にも沈んでしまいそうなツバル国内にある小さな島です。一つ一つ無くなっていって、最後にはツバルという[国]が地球上から消えてしまうかもしれません。この国の子供達は将来どこに住むのでしょう?ツバルで生まれて生活をしてきたお爺さんやお婆さんはどうしたらいいのでしょう? そしてツバルは何で沈んでしまうのでしょうか?このコーナーではなるべく分かり易くこの問題を紹介しています。 ●地球の温暖化(GreenHouse Efect)
2002年の3月の東京での平均気温は平年に比べて3度以上も高かったという発表がありました。入学式の時に咲くはずだった桜の花が3月末にはすでに散り始めていてがっかりされた人も沢山いたことでしょう。 ここ何年か夏になると、今年は去年より暑い。その上スコールのような雨もふるし、気のせいかもしれませんし、今だけの話かもしれないのですが、なんとなく東南アジアの気候に近づいているような・・・冬の雪も少ないですよね... 現在、地球は今までに例がないほどのスピードで温暖化しています。原因は私達が日常生活の中で無意識に生み出している「温室効果ガス=二酸化炭素・等」です。 右図は“気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書”による今後100年間の気温の上昇を予測したグラフです。(1995年発表)今後状況を放置しておけば、100年間で最悪3.5度の上昇が見込まれています。 この数字は2001年4月に見直され、100年間で最大5.8度の上昇という予想に変更されました。同時にそれに伴う海面上昇は最大で88cmと報告されています。 今から1万年以上前の最後の氷河期の時の平均気温は3〜6度程度低いだけだったのですが、今回の予想だとそれに匹敵する上昇が予想されています。 1万年前といえば旧石器時代が終わり、文明が始まる一歩手前の頃です。 1万年という途方もない時間をかけても3〜6度しか上昇しなかった気温が、100年という一瞬で5.8度も上昇してしまうかもしれません。様々な被害が予想されています。 被害の中でも目に見えて恐ろしいのは、北極や南極の氷が溶け出したり、熱膨張によって海水の体積が増えたりして起こる、「海水面の上昇」です。「2050年までに海水面が約20cm上昇し、さらに21世紀末には約9〜88cm(中位値で50cm)の海面上昇が起こり得る」という予測が、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2001年の報告書に述べられています。さらに厳しい予測をしている研究機関もあります。 平均の海水面が50cm上昇すると言うことは、満潮時には海面は1m以上も上昇してしまいます。特に赤道周辺の南の島々の海は、地球の自転による遠心力と、月の引力の影響を強く受けてしまうので、被害が拡大するおそれがあるのです。 海水面が1m上昇したとき、日本はどうなるのでしょうか?茨城大学の三村教授の研究では「国内の砂浜の九割が消滅する恐れがある」という結果が出ています。又、環境庁では「海面(満潮水位)以下の地域が2.7倍(2,300km2)に拡がり、人口410万人が危険にさらされる」としています。 海水面の上昇は既に始まっています。環礁の島国ツバルではすでに被害が出始めているのです。 [ツバルの被害]
IPCC 1995年発表資料
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