厚労省係長を逮捕へ＝証明書不正発行の疑い−障害者割引悪用・大阪地検

　障害者団体向けの割引郵便制度がダイレクトメール（ＤＭ）送付に悪用された事件で、厚生労働省職員が、自称障害者団体「白山会」側が制度の適用を受けるため郵便事業会社（日本郵便）に提出した証明書を不正に発行した疑いが強まり、大阪地検特捜部は２６日、虚偽公文書作成容疑で同省障害保健福祉部係長の取り調べを始めた。容疑が固まれば逮捕する。

　特捜部は同日、別の元同省職員にも出頭を求め取り調べる。証明書には厚労省の公印が押されていたが、同省には発行記録がないという。

　捜査関係者によると、白山会の前身である「凛（りん）の会」は２００４年５月、同省が発行する障害者団体の証明書を日本郵便に提出し、割引制度適用の承認を受けた。

　しかし同省によると、正規の手続きであれば残されているはずの申請に関する書類が一切なく、凛の会に証明書を発行した事実は確認できないという。