ある色相で統一された多色配色をドミナントカラー配色といいます。ドミナントは「支配する」の意味で、その色相のイメージが配色全体を支配することになります。 たとえば初秋のデパートのディスプレイには、いかにも秋らしい深みのある黄赤や黄色の洋服が陳列され、その近くに枯葉や落ち葉(さまざまなブラウン)の小物を置き、 秋の到来をたくみに演出しています。多くの色調の色があればあるほど、色相がそろっていることが前面に打ち出され効果的です。
ある色調(トーン)で統一された多色配色をドミナントトーン配色といいます。たとえば乳幼児の服売り場は、ベビーピンクやベビーブルーなど、淡い色調の色がほとんどです。 色相はさまざまでも淡い色調の効果が全体のイメージを支配し、生まれたてのピュアな赤ちゃんにふさわしい売り場を演出しています。
色相がそろっていて、色調(トーン)に差のある配色をトーン・オン・トーン配色といいます。色相は同一あるいは類似色相で、色調はおもに明度差のあるものが主流です。 同系色相の濃淡濃淡は移植ともいいます。 色味がそろうのでドミナントカラーの一種でもあります。トーン・オン・トーン配色は色相の統一感があり、トーンに変化があるので、統一と変化のバランスをうまくとると色彩調和しやすいです。
色調(トーン)がそろっていて、色相に差のある配色をトーン・イン・トーン配色といいます。色調は同一トーンあるいは類似トーンです。 色相に変化のある配色が主流ですが、広い意味では、色調のそろった配色はすべてトーン・イン・トーン配色といいます。
ダルトーンを中心とした中間色同士の配色をトーナル配色といいます。中間色はグレイを含んだ落ち着いた趣のある色です。ビビッドトーンのような強さや派手さは無く、 明清色のようなピュアな色でもなく、暗清色のような硬さもありません。トーンは同一トーンあるいは類似トーンなので、広い意味ではトーン・イン・トーン配色や、ドミナントトーン配色の仲間です。
カマイユはフランス語で「単色画法」のことです。微妙に色調の異なる色を用いた配色です。色相・明度・彩度の差がほとんどなく、少し遠くから見ると単色にみえるような、あいまいな感じの配色をいいます。 ファッション業界ではこの言葉が良く使われます。例えば同じ色をした素材の異なるものの組み合わせでは、微妙に色が違って見えます。これもカマイユ配色の一種といえます。 また多少色相とトーンに変化をつけた配色をフォカマイユ配色といいます。
ビコロールはフランス語で「2色の」という意味で、英語のバイカラーに当たります。ビコロール配色とは、メリハリのある明快な2色配色のことをいいます。明快で動的なイメージがあるので、 スポーツのユニフォームにもよく用いられています。2色の中には白や黒も含まれます。
トリコロールはフランス語で「3色の」という意味です。トリコロール配色は、色相やトーンに明快なコントラストがある3色配色をいいます。3色のなかには白や黒も含まれます。イエメンの国旗(図の右)がその良い例です。
ダイアードは「2つの」という意味です。ダイアード配色は色相環を2分割した位置にある色相同士の配色をいいます。つまり補色同士の配色のことです。補色は互いに正反対の性質を持ち、混色すると色味を失い無彩色になる色同士のことです。 つりあいのとれた組み合わせともいいます。ただし、高彩度のダイアード配色をむやみにファッションに取り入れると、コントラストが強すぎるので気をつけましょう。
コンプリメンタリーは「補色」、スプリットは「分裂」の意味があるので、この配色は分裂補色配色ともいいます。図の色相環にあるように補色色相の一方をその両隣の2色に分裂した配色のことです。 ダイアード配色の変形になります。ダイアード配色は正反対の色を選んだ変化(コントラスト)のある配色ですが、スプリットコンプリメンタリー配色は類似色相を選ぶことにより、配色の中に色相の変化と類似性の両方をもった配色になります。
トライアドは「3つの」という意味です。トライアド配色は色相環上を3分割する位置の3つの色相を用いた配色のことをいいます。色相環上を正三角形にとるので、安定感のある配色になります。
このほかにもいろいろと配色の種類は存在するので、興味のある方が調べてみると面白いです。