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核問題:ゴルバチョフ氏「最大の被害者は北朝鮮」

北の核実験を痛烈に批判

 「北朝鮮の核実験は、世界と北朝鮮の安全保障には何の役にも立たず、かえって北朝鮮に大きな被害をもたらすことを、北朝鮮指導部は知るべきだ」

 江原道華川郡の「世界平和の鐘公園」竣工式に出席するため、25日に韓国を訪れたミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領(78)が、プラザホテル(ソウル市中区)で本紙のインタビューに応じ、「北朝鮮の核実験は全世界を驚きと不安に陥れた、非常に不快かつ無謀な行為」と批判した。

 北朝鮮が核実験を行った背景について、ゴルバチョフ元大統領は「北朝鮮は現在の政治・経済・社会的不安定から脱出する突破口を探るために、あるいは体制維持の手段として、無謀な選択をしたといえる。ロシアや中国も米国と協力するなど、国際環境は変化しているのに、北朝鮮はこれに乗り遅れ、方向感覚を見失っている」と指摘。また、6カ国協議については「北朝鮮の核実験により、当面は再開が困難だろうが、韓半島(朝鮮半島)問題の解決に欠かせない過程であることから、中国とロシアが直接北朝鮮を訪れ説得することを検討してみるのもいいだろう」と助言した。また、「こういう時こそ、北朝鮮に圧力を加えたり、追い詰めたりするのではなく、援助を行って説得し、核を放棄するように仕向ける姿勢が必要だ」と話した。

 ゴルバチョフ元大統領は1990年、韓国とソ連が修好条約を結んだ際、大統領に在職していた。来年で修好20周年を迎える韓国とロシアの関係について、同氏は「未来は明るい。韓国とロシアには交通、エネルギー・極東開発など多くの面で協力できる可能性が開かれており、互恵協力の新しいモデルを築くことができるだろう」と話した。

 ゴルバチョフ氏は過去に、ウラジーミル・プーチン首相と与党政権に対し、「ロシアを混乱から救った」と称賛を送った一方、「共産党より悪い」とも批判しており、「変節漢」と揶揄(やゆ)する声も聞かれた。これについて、同氏は「プーチン氏はオイルマネーで儲けようとしたが、困難なときに経済を再生させるために社会、外交分野で多くの功績を残している。成果は高く評価するが、間違ったことについてはしっかり非難した。それが民主主義だ」と話した。

 一方、華川の「世界平和の鐘公園」には、パレスチナやコロンビアなど、世界約30カ国の紛争現場から集めた薬きょうで作った37.5トンの鐘が設置された。ゴルバチョフ元大統領は26日の竣工式に参加し、鐘を鳴らす予定。

イ・テフン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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