人気漫才コンビ「コメディNo.1」の前田五郎(67)=本名・前田邦弘さん=が、同僚の人気漫才師・中田カウス(59)=本名・野間勝道さん=らを脅す内容の脅迫状を書いたとして大阪府警南署に任意聴取を受けている問題で、吉本興業は25日、前田にタレント活動を休養させたことを正式に発表した。前田は、デイリースポーツ関西面で「写真館」と題したコラムを連載。今回の事件が表面化する前には、デイリースポーツ紙記者に何度も自らの“潔白”を訴えていた。
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中田カウスの自宅に、カウスと吉本役員らを脅す内容の手紙が届いたのは4月3日。記者の携帯電話に、前田五郎からの着信があったのは、4月20日ごろだった。
「何週か先の原稿で、中田カウスを取り扱ったものがあったと思うんですが、カウスに関する記述は全部削除してもらえますかね。というのは、先日の脅迫文の件で、脅迫文の筆跡と僕の筆跡が似ているいうことで、マネジャーや会社の人間と話をしているもんで。僕はもちろん身に覚えがないし、カウス本人にも『オレのことが信用できひんのか』と言うてきたんですけど…」
(問題の原稿はデイリースポーツ紙連載のものではなく、前田の勘違い。デイリースポーツの取材では、この直前に大阪府警南署の捜査員が前田を楽屋に訪ねていた)
5月23日、前田の携帯電話から着信。
「例の脅迫文の件で、今、吉本で重役の人らと話をしてきたんですけど、月曜日には週刊誌やらスポーツ新聞に僕が犯人やみたいな記事が出ると…。そうなったら、落ち着くまでしばらくは仕事を休んでもらわないといけないと(言われた)。さらに、会社は、筆跡鑑定をしたらほぼ確実に僕の筆跡やという結果が出たと言うてきた。僕は『吉本にお世話になって50年にもなるし、今は二人の娘も新喜劇でお世話になっている。そんな状況で、デメリットばっかりのことを僕がやるわけないでしょ』と言うたんですけどね」
(吉本側は民間機関に依頼した脅迫状と前田の直筆文書についての筆跡鑑定について「ほぼ同一人物のもの」との結果を直前にぶつけていた。以降、記者から前田への電話には応答がない。大阪府警により複数回行われた任意の聴取でも、前田は一切の嫌疑を否定しているという)