身長差１３センチ！内藤の相手は１５０センチ…ＷＢＣ世界フライ級

計量をパスした王者・内藤（右）は挑戦者・熊の筋肉質の体に対抗して腹筋を引き締める

　プロボクシングＷＢＣ世界フライ級タイトルマッチは２６日、東京・ディファ有明でゴング。都内で２５日、計量などが行われた。王者・内藤大助は挑戦者・熊朝忠の身長が予想よりはるかに低い１５０・５センチだったことに驚きの声。計測以前は１５５センチと聞いていただけに「やりにくい」と渋い表情を浮かべた。試合３日前に中国・上海から東京に場所を移して行われる異例のドタバタワンマッチ興行。Ｖ５防衛へ思わぬ壁が立ちふさがった？

　減量を無事クリアした内藤の頭に一抹の不安がよぎった。１５５センチとされていた熊の身長は計測したところ１５０・５センチ。筋骨隆々の体が余計に身長を低く感じさせる…。改めて挑戦者をまじまじと見つめた王者は「ものすごい小さいね。身長が低すぎてびっくりしたよ。打つところあるのかなあ」。苦笑いを浮かべるしかなかった。

　内藤によれば熊は過去最小の対戦相手。近い身長の選手とのスパーリングもこなしてはきたが熊ほど体格のいい選手ではなかったという。リーチも内藤が１０センチ以上長く、懐に入り込んで強打を振ってくる戦い方が予想されるため「大振りはできないね」と気を引き締めた。

　ここで負けるわけにはいかない。上海から東京開催に突如、変わり内藤の地元・北海道からのツアーも中止を余儀なくされた。それだけに「ファンや関係者の人たちに本当に申し訳ないと思った。リングに上がっていい試合をして勝つこと。それが償いになると思う」と神妙な表情で話した。

　上海入りする前の中止決定だったため幸いにしてコンディションは良好。計量直後には熊が披露した右腕だけでの腕立て伏せにチャレンジも失敗し、“前哨戦”には敗れたが「試合は絶対に負けない。迷惑をかけた人たちのためにも最高のパフォーマンスを見せます」。騒動の償いを込め、世界初挑戦の熊に格の違いを見せつける。

　◆ルール　４ラウンド（Ｒ）ごとに採点を公開。１Ｒに何回ダウンしても続行するフリーノックダウン制。グラブは日本製８オンス。４Ｒまでの偶然のバッティングで続行不能になった場合は引き分け、５Ｒ以降はスコアにより採点。

　◆オフィシャル　▽レフェリー　ブルース・マクタビッシュ（フィリピン）▽ジャッジ　福地勇治（日本）、金在奉（韓国）、ノパラット・スリチャロン（タイ）