先日の小欄で、ナンジャモンジャの木について書いたところ、いろいろなご指摘をいただいた。「岡山市の半田山植物園にもある」「花はもう終わったのではないか」などなど。
今ではヒトツバタゴをそう呼ぶのが通例だが、自生地は岐阜県など国内でも数少ないとされている。ただ、公園などに移植されており、半田山植物園ならあっても不思議ではない。
早速訪ねてみたが、なかなか見つけられず、受付で聞いて園路沿いに二本確認できた。目印と思っていた白い花は既になく、聞くと「今年は開花が早く、四月下旬が見ごろだった」とか。春の暖かい気候が影響したようだ。
代わりに園内で見つけたのは、センダンやモリシマアカシア、サラサウツギなどの枝に付いたかわいい花だった。中でもセンダンの淡紫色の花は雲がたなびいているようで、別名「クモミソウ(雲見草)」というのもうなずけた。
ヒトツバタゴがどこにあるか、いろいろ調べたつもりだったが、驚いたことに山陽新聞本社ビルの中庭・さん太広場にも一本植えられていた。「灯台下暗し」とは、まさにこのことだ。日ごろからそばを通っているのに木立の奥まった所にあるせいか、まったく気付かなかった。
自分の身の回りのことを、いかに知らないか。ナンジャモンジャに教えられた。