娘の身を心配する小向美奈子の父、勝雄さん（クリックで拡大）

　今年１月に覚せい剤取締法違反（使用）で逮捕され、執行猶予付き有罪判決を受けた元グラビアアイドル、小向美奈子（２３）が埼玉県内の実家を家出し、３カ月近くも家族と音信不通になっていたことが分かった。小向は来月５日から東京・浅草ロック座でストリップ出演する予定だが、家族は「また薬物をやっているのではないか」と心配する。謎の失踪劇の裏には何があるのか。

　「一番心配なのは、薬物です。どんな状況になっているのであれ、とにかく連絡がほしい」

　そう沈痛な面持ちで話すのは、小向の父で、埼玉県内で流通会社を経営する勝雄さん（５１）。端正な顔立ちと大きな目は、娘にそっくりだ。

　「活発な子で、『学校に行きたくない』と言うような普通の反抗期だった」（勝雄さん）

　そんな少女時代を過ごした小向は１５歳でグラビアデビューしてまもなく親元を離れ、所属事務所の他のタレントと共同生活を始めた。その後は都内を転々とし、次第に実家から足が遠のいていったという。

小向美奈子（クリックで拡大）

　「娘は酒が好きで、私と携帯で話しても、ロレツの回らない話し方をすることもあった。まさか薬物をやっているとは知りませんでした」

　小向は今年２月１６日に拘置先の警視庁東京湾岸署から保釈後、実家に戻った。しかし、同２６日に懲役１年６月（執行猶予３年）の有罪判決を受けると、その約１週間後に突然、姿を消したのだという。

　「私も後から知ったのですが、娘は自分や事務所の名義で、五反田に２軒、六本木に１軒、賃貸マンションの部屋を借りていた。本人は『男に付きまとわれているから』と説明してましたが…。六本木の部屋の整理をするため１人で東京へ向かい、弁護士に会った後、『事務所に行く』と言ったまま行方不明になった。その日から携帯電話の番号も変えたようで、連絡がつかないんです」

　そう勝雄さんは説明する。小向が実家に戻ってから、親子間でトラブルはなかったのか。

【保釈金１５０万円を負担した人物】

　「娘には、『実刑を受けて反省すれば周りの目も変わる』と厳しく言いました。将来について話し合ったとき、『まだ考え中』という娘に『恥ずかしくねえのか』と叱ったこともあります。娘は無言でしたが、『なんでそんなに責めるのか』と言いたげな様子でした」

　その後、娘がストリップ出演するという衝撃ニュースが走った。

　「ストリップが悪いとは言いませんが、問題は本人の意志で決めたことなのか。出演するにしても、誰か仲介する人物がいるはずですから」

　小向を取り巻く人間関係は謎に包まれている。中でも気になるのが、保釈金１５０万円を負担した人物だ。

　「娘は２１歳ぐらいのころから、銀座の飲食店でアルバイトを始めたらしい。保釈金を負担したのは、そのときに知り合った人だそうですが、私も素性は知らされていません。娘は『信頼できる人』と話していました」

　小向はグラビアで人気絶頂時でさえ、月給は３０万円で、「給料が安い」「こき使われている」と勝雄さんに不満をもらすこともあったという。

　その一方で、高級ブランド品を持ち歩き、勝雄さんは「なぜ、そんな高価なものが買えるのか不思議でした。ただ、消費者金融には金を借りていなかった」と語る。

　保釈金の返済とストリップ出演は関係があるのか。クスリづけ、借金地獄という最悪の状況に娘は陥っていないのか−−勝雄さんの疑問と不安は尽きない。

　勝雄さんと２０年以上の付き合いという出版プロデューサー、高須基仁氏も「いったいどうなっているのか、何ともいいようがないが、薬物は一度ハマるとやめられなくなる」と心配している。

【小向の携帯電話と約３カ月ぶりに連絡】

　勝雄さんは２５日朝、小向の携帯電話と約３カ月ぶりに連絡が取れたことを明かした。

　小向はストリップ出演については「ダンサーとして数人で出る程度」と説明したものの出演の経緯などについては、詳しく明かさなかった。現在、東京・渋谷周辺で暮らしているという。