−−もちろん野球も違う
「スタイルの違いは確かに感じたよ。こっちでは投手たちが直球で勝負してくる。つまりチャレンジしてくる。でも日本の投手はベースいっぱいを使い、コーナーを突いてくる。最初に対戦したころは、全くこっちにチャンスを与えてくれないとさえ感じたよ」
−−それでも、4月に数字を残した
「うん。でも5月は最悪だったな。相手が今度は僕に適応したんだ。でも6月に僕はMVPを獲得した。感じたのは、常に適応していかなければいけないということ。そこに、終わりはない」
−−好きな球場は
「西武ドームはよかったね。セでは東京ドームと甲子園。甲子園のファンの熱狂ぶりには本当に驚いた。声援の大きさは信じられなかったよ。ジェット風船もすごかった。一塁にいて『10万個の風船が飛ぶのか?』って。初めて見たときは言葉が出なかったよ」
−−交流戦で、セとパの違いも感じた
「確かに、2つのリーグでもピッチングスタイルには、違いがあると思ったね。セの方が、挑戦的という印象かな」
−−セの野球の方が、メジャーに近い?
「僕の印象では、そうだね。セの方がアメリカのピッチングスタイルに近いと思う」
−−肉が好きというが、日本食でダメだったのは?
「すしだね。何度もトライしたが、どうしてもダメだった。片岡や中島、細川、石井らが、色んなところに連れてってくれるんだけど、どうしてもすしだけは…」
−−日本を離れて寂しかった
「やっぱり、日本のファンがねえ…。みんな温かく迎えてくれたんだ。電車に乗って球場に行っていたんだけど、みんなが声をかけてくれてね。うれしかったなあ」
−−奥さんも日本を楽しんだ
「彼女も日本が大好きになった。米国に戻ってから『また戻りたいね』なんて話をしていたんだ。彼女が銀座に行かない限り、僕はうれしい(笑)」
−−子供が生まれると聞いたが
「うん。9月に生まれることになってる。僕らにとっては初めての子供で、もう男の子だってことが分かってる」
−−奥さんも日本が好きなら、日本に戻ることには何の障害もない
「僕の決断をいつでもサポートしてくれている。というよりむしろ、僕が日本でプレーすることを望んでいる。だから問題はない。異国で揃って生活したことは、2人の絆をより深めてくれたとも思ってるよ」
−−独立リーグでの経験は
「ここにいる選手は経験も浅くて、色んなことを学んでいる段階。そんな若手に、自分の経験を伝えてきたつもりだ。そして一生懸命プレーすれば、どこかにチャンスが生まれる。だから、外から声がかかることは、僕にとっても、彼らにとっても重要なことなんだ」
異国での再デビューへ意欲満々。虎党の期待と熱気があふれる聖地に、豪快な一発を叩き込むのが待ち遠しい。