(CNN) アフガニスタンの旧タリバーン政権で駐パキスタン大使を務め、米軍に拘束されてキューバのグアンタナモ米海軍基地などに収容されたアブドル・サラム・ザイーフ氏がこのほど、CNNとのインタビューで基地内の状況などを振り返った。同氏はオバマ政権が同基地を閉鎖する方針を示していることについて、部分的な解決にすぎないと批判した。
ザイーフ氏は01年末の米英軍事作戦当時、タリバーンの最高指導者オマル師の側近として報道担当を務めた。タリバーン政権崩壊後に米軍に拘束され、アフガンのバグラム基地やグアンタナモ基地に収容されたが、05年に釈放された。現在はタリバーン構成員ではないと言明している。
同氏は、釈放前の3年以上を過ごしたグアンタナモ基地を「収容者の扱いに関するルールも規則も存在していなかった」「米国史上の汚点だ」と断じ、「正義のために閉鎖するというのなら、収容者を拷問、虐待する人々も裁きを受けるべきだ」と主張した。
バグラム基地での経験についても、「人生で最悪の状況を味わった。殴られたり、極寒の雪の中に放置されて意識を失ったりした」と語った。
グアンタナモ基地をめぐっては、米当局が最近、釈放者のうち14%がテロ活動に復帰したか、その疑いがあるとの報告をまとめた。ザイーフ氏は、この数字には信頼性があるとして、「人権や正義を否定された収容者は釈放後、怒りのあまり復しゅうを企てるのだ。収容されている間に家や財産など、すべてを失ってしまった者もいる」と話した。
同氏はまた、「タリバーンにとって唯一の選択は戦うこと。ほかに道はない。思想的に米国の負けだ」と述べ、米国がアフガンでの戦いに勝利することはないだろうとの見方を示した。