ミニ旋盤とDIY溶接機で作る

      
ポンセットマウントの自作体験
                                                 

EQ-Platform ) Equatorial Platforms  Poncet Mount            by 自作趣味


ポンセットマウントはポンセマウントとかEQプラットホーム、ジョンソニアンなどと呼ばれる一種の赤道儀つまり天体の自動追尾ができる架台である。通常の赤道儀が回転軸が2軸あるのに対し、ポンセットは赤径軸(極軸)だけで、赤緯軸をもたない。しかしこの上にブソニアンやカメラ三脚をポンと、載せるだけで、アッという間に赤道儀となり、天体の自動追尾ができるという優れものだ。 米国では商品化され、販売もされていて、かって輸入販売もされたことがある。しかし国内メーカーでは商品化したいという企画さえ聞かれない。

経営者は頭からこんな商品が売れるはずかないときめつけ、電子制御や自動導入など、付加価値をつけることばかりに夢中になっているからだろうか。

米国でも量産化された例はないようで、多くは手作りの注文生産のようだ、そのためか意外に?高価だ。故に多くの方は自作に取り組んでいる。もし実用的な価値がないのならば、好き好んで、いくらDIY大国でも自作までやろう、などと考える酔狂な者などいないはずだ。一方、日本国内では自作する人さえごくまれで、レポートの多くは米国からの輸入品の紹介か、自作の例があっても、せいぜい試作程度に留まっており、長時間運用した実体験などの報告は殆ど見当たらないのが現状だ。

これに鑑み筆者はあえて人柱となってこのポンセットマウントを完全自作し、ポンセットというものがどの程度使えるのかを確かめることとした。目標は高く、市販赤道儀に負けない高精度追尾ができることだ。そして完成して試用した第一印象は、使い勝手に関しては文句なし。精度も眼視用途だけならばちょっと努力さえすれば、問題ない。というものだ。

しかし長時間の写真撮影までやろうとするのは、相当ハードルが高く、不具合の調査、手直し、を繰り返した現在でも、写真撮影は、一応できる。という程度で、満足といえるまでには至っていない。

このHPではこれらの経験、失敗、運用した感想などノウハウを公開するものである。この種の記事は得てして ”ンなすごいことまねできないダロー的自慢話になったり想像や受け売りの例が少なくない。これはいただけない。この種の話はすべてパス。自作挑戦者にも参考になるよう、できるだけ実体験に基づいた事柄と、簡単な理論だけに的を絞り記述している。これらが読者諸氏の手助けになればこの上ない喜びである。

記事は必要ならば修正を加えながら順次公開、より充実した内容にしてゆきたい。

目次


第1章  良い望遠鏡架台とは。       
第2章  なぜポンセットマウントなのか(赤道儀と経緯台の構造と得失)           
第3章  ポンセットマウントの構造と利便性    
第4章  ポンセットマウントの自作の問題点
第5章  自作の要点(精度、剛性、使い勝手、出費)            
第6章  自作ポンセットマウントの紹介           
第7章  良い点、不満な点
第8章   精度と修正方法(極軸望遠鏡は必要か)              
第9章   剛性に関する考察
第10章 不具合の原因をつきとめる方法
第11章 追尾性能自作グッズなど             
第12章  ポンセットマウントの知られざる問題点
第13章   ピリオディックモーションをキャンセルする方法
第14章 簡便な追跡がお奨め
第15章 ピリオディックモーションの正体と退治法
第16章  天体写真実例
第17章 ポンセット2号機
第18章 最終的な不具合の確認方法
第19章 ノーバックラッシュへの挑戦
第20章 天体の浮上がりが追尾不良を招く
第21章 VNS型ポンセットの製作(ポンセット2号機)
第22章 自作ジグと工具
第23章 ポンセット2号機の追尾精度の向上対策
第24章 鉄鋼(金工)DIYのすすめ(安物工具の実用性評価)
第25章 DIYと溶接機
第26章 ポンセット2号機の追尾精度の向上対策--決定版?
第27章 サンドブラスター(吸い込み式サンドブラスタの実用化)
第28章 地上デジタル顛末
第29章 極軸のふらつきの撲滅
第30章 極軸のふらつきの撲滅つづき
第31章 プリンタインクの詰め替え
第32章 より良い駆動方式をもとめて(ベルトドライブ)
第33章 より良い駆動方式をもとめてその2(タンゼンシャルスクリュードライブ)