<有機EL>新素材使い単純構造 東大など開発
5月25日16時1分配信 毎日新聞
次世代ディスプレーや照明用光源として注目される有機EL素子を、新素材を使って単純な構造で作ることに、東京大と科学技術振興機構のチームが成功した。発光効率が高く「量産すれば大幅なコストダウンが可能」としている。25日付のドイツの専門誌アドバンスト・マテリアルズ(電子版)に発表した。
有機ELは、炭素を含む有機化合物に電圧をかけると発光する現象。消費電力が少なく、柔軟で加工しやすいが、従来はさまざまな機能を持った数種類の物質を層状に重ねて作る必要があった。
辻勇人・東大准教授(有機元素化学)らは、層状にする必要のない物質を化学的に合成することに成功した。「CZBDF」と名付けたこの新素材に、酸化バナジウムとセシウムをわずかに混ぜることで、単純な構造の有機EL素子を作った。
また、発光部分に色素を組み込み、光の三原色である赤、緑、青のすべてを発光させることにも成功した。チームによると、携帯電話のディスプレーを作る場合、現在は7〜8種類の材料が必要だが、この新材料で大半を置き換えられるという。
チームの中村栄一・東大教授(有機化学)は「無機材料と違って有機材料は単純な構造にすることが難しかったが、そのめどが立った。未来の照明やディスプレーの材料の幅が広がった」と話している。【元村有希子】
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また、発光部分に色素を組み込み、光の三原色である赤、緑、青のすべてを発光させることにも成功した。チームによると、携帯電話のディスプレーを作る場合、現在は7〜8種類の材料が必要だが、この新材料で大半を置き換えられるという。
チームの中村栄一・東大教授(有機化学)は「無機材料と違って有機材料は単純な構造にすることが難しかったが、そのめどが立った。未来の照明やディスプレーの材料の幅が広がった」と話している。【元村有希子】
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最終更新:5月25日19時9分
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