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人気漫画著者 原稿紛失でサンデー提訴

紛失された原稿と掲載誌を手に記者会見する、漫画家の雷句誠さん
Photo By 共同

 週刊少年サンデーで連載されていた人気漫画「金色のガッシュ!!」の著者で、漫画家の雷句(らいく)誠(本名河田誠)氏(33)が6日、同作品のカラー原画を紛失されたとして、発売元の小学館に慰謝料など330万円を求める訴えを東京地裁に起こした。雷句氏は「漫画への情念がこもる大切な原画をなくされた」と怒りをあらわにした。

 「編集者の自覚を促すために提訴した」「このままでは自分より若い漫画家が何も言えなくなる」。提訴後に都内で会見した雷句氏は、淡々とした表情で小学館への“不満”を口にした。さらに、A4版12枚にしたためた陳述書には「編集者、出版社というものが漫画家をバカにしはじめた」「(担当者の実名を挙げ)誤植を注意したらガンを付けてくる」などとさらに辛らつな言葉を並べた。

 訴状によると07年12月の連載終了後、小学館が保管していたカラー原画の返還を求めたところ201枚は返却されたが、カラーイラストなど5枚が紛失していたことが分かった。

 小学館は賠償額として、1枚当たり原稿料の3倍の5万1000円を提示したが、雷句氏側は「漫画の原画は美術品としての価値がある」と拒否。自らの作品の客観的価値を探るため、同様の2作品をオークションに出品したところ、25万円平均であったことから1枚30万円と算定。慰謝料150万円などを加えた賠償を求め提訴することにしたという。

 雷句氏は少年サンデーが行う新人漫画家の登竜門「まんがカレッジ」で入選し、漫画家デビューしており小学館はいわば生みの親。しかし、5月21日の自身のブログ「漫画は描き続けますが、週刊少年サンデーで仕事をすることはありません。小学館のお仕事を受ける事はありません」と決別宣言。さらに「詳しいことは後日」と提訴を見据えた書き込みをしていた。そのため、ファンの間では「雷句氏と小学館がもめている」との噂が広がった。さらにこの日、「小学館を提訴」と題し、ブログを更新。紛失されたカラー原稿5点と、裁判所に提出した「陳述書」「訴状」の全文を掲載し「まじめな社員を巻き込まないため、個人名を記載しています」とした。

 小学館は「訴状が届いていないので、現段階ではコメントできませんが、届き次第きちんと対応させていただきます」としている。

 ◆雷句 誠(らいく・まこと)本名・河田誠。1974年(昭49)8月23日、岐阜市出身の33歳。高校在学中の91年に「BIRD MAN」でデビュー。99年〜00年には少年サンデー超に「ニュータウン・ヒーローズ」を連載。趣味は音楽鑑賞、バイク、映画観賞など。

[ 2008年06月07日 ]

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