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NHK:軍用地所有 東京・六本木の米軍基地一部、国有地交換後も残る

 ◇「国に買い上げを要望」

 東京・六本木にある米軍基地「赤坂プレスセンター」の敷地の一部をNHKが所有し、40年以上にわたって国に賃貸してきたことが分かった。NHKは毎年度、部分的に国へ土地を売却して所有面積を減らしているが、「報道機関が軍用地主」という異例の状態はあと数年続く。

 同基地の土地はもともと旧日本軍駐屯地で、1945年9月に連合国軍が接収し、在日米軍が使用するようになった。国は東京オリンピック(64年)を控えた60年と62年に計約3万平方メートルをNHKにテレビセンター用地として払い下げたが、米軍の使用が続いた。このため、NHKは63年に土地の大部分を、現在の放送センターがある代々木の国有地と交換。残った約8200平方メートルを66年度から国に賃貸するようになった。

 国はNHKの要望で75年度から所有地の買い戻しを進め、これまでに約7600平方メートルを総額約69億円で買い上げた。現在の基地面積約3万1600平方メートルのうち、国有地を除いた約600平方メートルが今もNHKの所有のまま残っている。国側は「毎年度の予算措置で買収している」としている。

 同基地は六本木ヒルズに近い都心の一等地に位置し、ヘリポート、将校宿舎、米軍機関紙社屋などがある。ヘリ墜落の危険や騒音の問題があることから、地元の港区と東京都は一貫して国に基地返還を求めている。

 NHK広報局は「この件はあくまで所有地に関するもので、報道機関の中立性とはなんら関係ない。当該土地はNHKとしては必要ないため、国に買い上げを強く要望し続けている」と説明。在日米軍広報は「コメントする立場にない」としている。

 元NHK政治部記者の評論家、川崎泰資さんは「過去のいきさつはともかく、公共放送が米軍用地に関与している現状は一刻も早く解消すべきだ」と語った。【真野森作】

毎日新聞 2009年5月25日 東京夕刊

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