北朝鮮核実験:06年以来2度目 吉州付近の地下で

2009年5月25日 12時33分 更新:5月25日 13時28分

吉州郡の位置
吉州郡の位置

 【北京・西岡省二、ソウル大澤文護】北朝鮮の朝鮮中央通信は25日、同国が06年10月に続く2度目の核実験を実施したと伝えた。報道文は狙いを「共和国(北朝鮮)の自衛的核抑止力を強化するため」と位置付け、「成功した」とした。4月の長距離弾道ミサイル発射に続き、北朝鮮が再び核実験に踏み切ったことで、日本や米欧だけでなく、北朝鮮の最大の支援国・中国を含む国際社会の強い反発は必至だ。北朝鮮の実用可能な核兵器開発は、朝鮮半島の一層の緊迫化を招く。

 一方、韓国青瓦台(大統領府)の李東官(イドングァン)報道官は25日、「本日午前9時54分、咸鏡北道吉州郡豊渓里(ハムギョンプクドキルジュグンプンゲリ)付近でマグニチュード(M)4.5内外の人工地震が感知された。核実験の可能性がある」と述べた。李明博大統領は25日午後1時、関係閣僚による緊急の国家安全保障会議を招集した。

 米地質調査所(USGS)によると、地震の規模はM4.7。震源の深さは約ゼロキロと浅かった。核実験全面禁止条約機関(CTBTO)によると、震源地は前回の核実験実施場所とほぼ同じと推定される。また、前回の規模はM4.1だったため、より大きな爆発があったとみられる。

 日本の外務省幹部によると「日本でも地震計で揺れを確認した」と話した。

 北朝鮮は、過去に核実験を実施したインドやパキスタンなどの事例に従い、短期間に核実験を繰り返すことで兵器の性能を高める目的だったとみられる。

 1回目の核実験は、爆発の規模がトリニトロトルエン(TNT)火薬換算で1キロトン以下と推定され、長崎型原爆(約20キロトン)などに比べ、極めて小規模。米メディアなどは最近「追加実験の兆候がある」と報じていた。

 最初の核実験をめぐっては、国連安全保障理事会が06年10月14日、国連憲章第7章(平和に対する脅威への対応)に基づき、北朝鮮への核関連物質の輸出入や核開発関連の個人・団体の資産凍結などを含む制裁措置を決議した。

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