2009年05月25日

◆(対策は) 何をなすべきか?

 (豚インフルエンザについて) 何をなすべきか?
 対策として、何でもかんでもなすべきか? いや、そうすればパニックに至る。あわてて、そそっかしく行動してはならない。

 ──

 記事を引用しよう。
  河村建夫官房長官は25日午前の記者会見で、新型インフルエンザの感染状況について、「日を追うごとに発生数が減っている。終息宣言とまではいかないが、終息の方向に向かっている感じを持っている」と述べた。
 これは産経だが、朝日、読売、時事、ロイターも同様。いずれも「終息」と表現している。(共同と毎日は、ニュースそのものがない。)
 一方、「収束」と表現した社も、一つだけある。日経だ。
 河村建夫官房長官は25日午前の記者会見で新型インフルエンザを巡る状況について「すべて安心、収束したと宣言するには至っていないが、一つの収束の方向に向かっている」と述べた。
( → 日経
 ──

 では、どちらが正しいか? 「多数決で決める」のならば、社の数が多い「終息」だろう。しかし、真実は多数決では決まらない。真か偽かを決めるには、多数決でなく、物の道理で決めるしかない。
 そこで、両者の意味を考えよう。すると、違いはこうなる。

  ・ 終息 …… 再発なし
  ・ 収束 …… 再発あり


 前者ならば、「秋冬にも再発しない」を意味する。
 後者ならば、「秋冬には再発する」を意味する。

 では、そのどちらが正しいか? もちろん、後者だ。秋冬になれば、豚インフルエンザはぶりかえすに決まっている。
 そのことは、日本感染症学会の話を読んでもわかる。そこには、こうある。
 「 (2) 新型インフルエンザは、いずれ数年後に季節性インフルエンザとなって誰でも罹患しうる病気です」

 つまり、終息とは正反対のことになるわけだ。

 ──

 逆に言えば、「終息」なんていう言葉を使う時点で、その記者は無知をさらけだしている。インフルエンザについては、「収束するか否か」は、毎年話題になるが、「終息するか否か」なんて考える専門家はいない。「終息」なんていう言葉を使う時点で、素人丸出し。

 マスコミのレベルの低さも、極まれり。どうにかならないんですかね? 社内で医学記者のチェックを受けていないんでしょうか? 
( ※ 高校レベルの知識さえない、と見ていいだろう。情けない。)
 


 [ 付記 ]
 実は、それ以前に、政府として、体をなしていない。このようなことは、窓口の一元化が必要だ。
 厚労相や官房長官が勝手にバラバラに談話を発するべきではない。橋下であれ、舛添であれ、麻生であれ、官房長官であれ、各人がてんで似好き勝手なことを言っては困る。彼らは、組織の長であるが、専門知識はないのだから、いずれも自分の口で物を語る資格はないのだ。
 この件は、前にも述べたとおり、「司令センター」が統一的に統率するべきなのだ。
  → パニックと司令センター

 ついでだが、司令センターが発表するにしても、司令センターのが発表すればいいのではない。広報部が発表するべきだ。プレスリリースの形で。(そこでは、誤解の恐れのないように、「シュウソク」はちゃんと漢字で書く。)
 なのに、そうしていないということは、日本政府がもはや文明国の組織をもっていない、ということだ。「王様がすべてを決める」という封建国家に似ており、近代国家になっていない。
 呆れる。
 
( ※ そういう馬鹿さが、「シュウソク」の漢字書き取りもまともにできないマスコミという形でも、暴露されるわけだ。)

( ※ 「おまえだって誤字だらけだろ!」と半畳を入れる人がいるだろうが。  (^^); )
 


 [ 注記 ]
 この項目は、下のタイムスタンプからわかるように、19:00 の時点のニュースによって書かれています。その後、状況に変化があるかもしれません。最新状況は
  → Google ニュース検索
 
posted by 管理人 at 20:24 | Comment(0) | 医学・統計
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