多賀城・RV事故から4年 育英高で追悼行事

慰霊碑に献花する生徒

 宮城県多賀城市の国道45号で2005年5月、仙台育英高生が飲酒運転のRV車にはねられて3人が死亡し、15人がけがをした事故で、仙台育英高は事故のあった22日、多賀城市の同校多賀城校舎で追悼行事を行い、在校生が飲酒運転をなくす誓いを新たにした。

 1年生約400人が校内の慰霊碑に献花し、黙とうした。高橋郁香さん(16)は「わたしも交通事故で父を亡くした。車に乗る人は交通ルールを守ってほしい」と語った。

 同校に隣接する系列の秀光中等教育学校の生徒約400人も参加した。2000年に飲酒運転の車による事故で当時19歳の長男を失った神奈川県座間市の造形作家鈴木共子さん(60)をモデルにした映画「0(ゼロ)からの風」を見て、鈴木さんの講演を聞いた。秀光中等教育学校生徒会長の岩本怜央君(16)は「遺族の心の痛み、命の大切さを実感した」と述べた。

 同市八幡の事故現場では、塩釜地区交通安全協会の会員ら約360人が飲酒運転をしないよう運転者に呼び掛けた。

 妹が事故に遭った仙台市太白区の会社員女性(28)は事故発生時刻の午前4時15分ごろに現場に花を手向けた。「犠牲者は妹の同級生。ゆっくり眠ってほしい」と祈った。

◎「悲しみ忘れず訴え続けたい」 県庁で県民大会

 酒飲み運転をなくす機運を高めようと、宮城県と県警は22日、県庁講堂で「飲酒運転根絶県民大会」を開いた。

 仙台育英高生や交通安全推進団体の関係者ら約400人が出席。県警の大山憲司本部長が「取り締まりを強化するのと同時に、根絶のメッセージを県民に発信したい」とあいさつした。

 交通事故で長男を亡くした造形作家の鈴木共子さんが講演。「飲酒運転で息子をなくした悲しみは言葉では表せない。同じ思いをする人がいなくなるよう、多くの人に命の尊さを考えてほしい」と訴えた。

 大会後、出席者は「飲酒運転根絶」と書かれたプラカードを持ち、仙台市中心部の商店街をパレードした。

 仙台育英高の須賀英樹生徒会長(17)は「2005年の事故で先輩の命が失われた悲しみを忘れず、飲酒運転根絶を訴え続けたい」と話した。


2009年05月23日土曜日

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