苫小牧市立病院(藤咲淳院長)は22日、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の院内感染があり、50歳代から90歳までの入院患者18人(男性11人、女性7人)が保菌しているのを確認したと発表した。いずれも陰性で感染症の発症はない。医療従事者に感染はなかった。
入院中の女性(66)が4月20日に発熱したため検体検査を行ったところ、感染が判明。入院患者約370人全員と、保菌者と接触した医療従事者25人を検査した結果、さらに患者17人が保菌していることがわかった。うち男性2人は検査後に死亡したが、すでに別の病気で重体だったため、感染との因果関係はないという。感染経路は不明。
VREは健常者が感染しても影響はないが、手術などで体力の落ちた人が感染すると肺炎などを発症する場合がある。藤咲院長は「衛生管理には注意を払ってきたが、結果的に集団感染が起きたのは残念だ」と語った。【斎藤誠】
毎日新聞 2009年5月23日 0時25分