新型インフルエンザに感染した大阪府茨木市の関西大倉中・高と同府八尾市立小の患者計69人について、国立感染症研究所が分析結果をまとめた。遺伝子検査前の簡易検査での陽性反応は発症翌日が88%だったが、発症当日と3日目はともに57%だった。感染研は「簡易検査で陰性でも新型インフル感染を否定することはできない」としている。
神戸で確認された高校生ら43人についての感染研の分析は20日に政府が発表しているが、大阪分の分析内容が明らかになったのは初めて。
分析対象の69人は19日までに感染が確定された患者。簡易検査についてはこのうち、小学生5人と入院した関西大倉関係者18人の計23人を調べた。発症翌日に検査を受けた8人のうち7人が陽性だったが、発症当日と3日目に簡易検査を受けた計14人のうち陽性は8人だった。
一方、69人のうち多くは突然の高熱が出たが、せきなどの急性の呼吸器症状や嘔吐(おうと)を訴えた数日後に38度以上の高熱を発症した例もあった。感染研は「症例数が少ないため、さらに多くの患者の検討が必要」としている。
また、感染研は感染ルートに絡み、関西大倉は学年ごとに校舎が分かれているが食堂が中・高共通で、スクールバスも満員状態で運行されていたことを指摘した。【高野聡】
毎日新聞 2009年5月24日 12時41分