2009年5月24日10時0分
同日深夜、感染が確認された女子生徒は、翌日から2日間、豊中市内の感染症指定医療機関に入院。医師はタミフルを予防的に服用した。
兄は最初の受診の12日、高校にはインフルエンザの症状を訴える生徒がいて、「僕もインフルエンザかもしれない」と漏らしていた。「今の時期にA型インフルエンザはおかしい」とひっかかったが、渡航歴という診断基準から外れるため、検査をするまでには至らなかった。医師は「女子生徒が来院した時、お兄さんはすでに回復していたが、彼も『新型』だったことは間違いない」と振り返る。
神戸高校の生徒を診た神戸市灘区の医師(52)も11日夕の最初の診察では症状が軽いうえ、「渡航歴はない」との説明を聞き、「ただの風邪」と診断していた。翌日、再受診の際に発熱があったため簡易検査をしたところA型陽性。生徒のかかりつけ医でもあるこの医師は、昨年秋、インフルエンザの予防接種をしたのを覚えていたため、「おかしい」と思い、保健所に遺伝子検査を依頼。国内初感染の確認につながった。
「神戸のニュースが流れて、私と同じように『ひょっとして』と思った医師は多いはず」と豊中市の医師は話す。実際、地元の別の開業医も、関西大倉高校の生徒の検体を保健所に回し、同校関係者の感染確認は17日だけで約40人にのぼった。(稲垣大志郎)