めがひっとのメディア論 by RJQ.JP
  2009年5月21日記載 最新記事リストの戻る
  ワイヤレスネットワークインフラの通信端末共通化の期待
  ケータイ向けコンテンツの世界は有料サイトが主流である。PC向けは携帯電話コンテンツに比べ情報量が豊富なのにケータイ用となるとたちまち有料サービスへ誘導される。

簡単な例を挙げると、交通情報サイトもその一つだ。PCサイトなら無料で渋滞情報を入手できるのに携帯サイトだと有料会員登録しなければ渋滞情報を入手することができない。なぜ情報量が少ないのにケータイコンテンツの有料化が主流になってしまったのだろうか。

有料化が一般化した背景に課金時の代金回収が容易である点が挙げられる。モバイルサイトの代金回収は携帯電話会社経由で徴収することが可能となっている。PCサイトで有料サイトを構築しようとすると会員登録手続きと同時にクレジットカード登録まで平行設置しなければならないのに対し、ケータイサイトでは携帯電話端末という固有の情報まで収集することができ、高度な顧客アクセス管理までできるというメリットがある。

その上、通信料金もPCによる固定回線利用料に比べて、モバイル端末によるインターネット接続料金は非常に高く設定されている。もし携帯電話でPC並みの大容量データ通信を頻繁に利用しようものなら、固定回線料金に対し数倍の通信料を支払わなければ利用できない料金設定となっている。

固定回線に比べ、ケータイによるデータ通信が高額な理由の一つに広域エリアに渡る公共の電波を利用していることが挙げられる。もし広域にわたる通信エリア内で特定のユーザがデータ通信のために電波帯域を占用し続けるようなことがあると、通常の通話回線などの電波帯の確保に支障をきたし、回線接続に対する信頼を損なう問題もあることからデータ通信量を通信料が高くすることで利用数を調整する意図も含まれている。

もちろんこうした理由の中に建前も含まれる。携帯電話会社にとって、音声通話徴収が減少し、データ通信量が増加しているために収益安定という事業戦略であることも間違いない。

そこでこのほどソフトバンクから発表された新モデルに「無線LANケータイ」という新しいコンセプトケータイが発表された。このモデルは、無線LANアクセスポイントエリア内であれば、無線LAN端末として通信を行い、圏外では携帯電話網によるデータ通信を行うデュアルモードのケータイとなっている。

ソフトバンクケータイということもあってYahoo! BBの無線LANサービスとの連携により、特別な契約を行うことなくデュアルな環境を実現するというから利便性は高い。これが改めての別契約と接続切換を手動で行うといったことをユーザに要求するとなれば躊躇するところだが、トータルなネットワークサービスを自動で同時提供できるのはケータイの新たなデータ通信融合サービスといえる。

単にワイヤレスネットワークといっても、携帯電話から無線LAN、PHS、そしてWiMAXとそれぞれのデータ通信においてメリットデメリットが存在する。今後は同じネットワーク端末でそれぞれの状況に応じ、柔軟にネットワーク網を選択可能な環境構築こそ次なるあるべきネットワーク端末だ。今後、ソフトバンクに続き、他キャリアの動向にも注目していきたい。
   

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