兵庫県で新型インフルエンザの感染拡大で休みになった保育所や福祉施設が23日再開し、週明けの25日には大阪、兵庫で一部の学校を除いて小、中学、高校などで授業も始まる。仕事に行けなくなった子育て中の働く母親にとっても、日常生活が戻ってくる。
神戸市中央区に住む西由紀さん(32)は、夫と長女実莉(みのり)ちゃん(3)、次女の夏希(なつき)ちゃん(1)との4人家族。娘2人は4月から通い始めた市立保育所にも慣れ、由紀さんは18日から近くのスーパーマーケットで事務職のパートとして勤めるはずだった。
しかし、市内で新型インフルエンザ感染が分かり保育所が16日から閉鎖に。夫も両親も仕事などがあり、自分が子どもを見るしかなかった。「仕事場から(勤務を)断られても仕方ない」と思ったが、事情を知ったスーパーが「待ちますよ」と理解してくれた。
保育所再開を知らせる連絡は、22日に保育所から電話で入った。保育所で使うオレンジ色の帽子を家の中でかぶっていた実莉ちゃんはリュックも背負って、夏希ちゃんとはしゃいだ。「保育所に行きたいんかな」。由紀さんは「お友達とは遊ばなかった。児童館にも行けず、家だけで過ごすと一日が長かった」と振り返る。
保育所はしばらく門前で体調を問診する態勢という。1週間遅れの初出勤となる25日、由紀さんは登園時の混雑も考え少し早めに送るつもりだ。「一から覚える仕事がたくさんあるのに」。不安はぬぐい切れないが、マスク、手洗いとうがいで自衛するつもりだ。【青木絵美】
毎日新聞 2009年5月24日 2時30分