「一年ぐらい前から母と妹の姿が見えなくなってずっと気になっていた」。下関市小月杉迫三丁目の無職小幡艶子さん(61)方から、艶子さんの遺体と行方不明となっている母、妹と見られる二遺体が相次いで発見された二十三日、住民らは驚きと不安で警察の捜査を見守った。
近所の人の話では、艶子さんは母の緑さん(86)と妹の佐代子さん(60)と三人暮らしだったという。緑さんの夫は旧国鉄に勤務し約二十年前に死亡。緑さんが家のリフォームで多額の借金をし、四、五年前からは借金取りがタクシーで週一回家に押しかけることもあったという。
死体遺棄容疑で長府署に逮捕された無職内門貞文容疑者(35)は一年ほど前から小幡さん方に同居するようになったといい、近所の複数の人は「艶子さんと二人で買い物から帰る姿をよく見ていた。五月初めからは男の人だけで散歩して、『どうかしたのかな』と思っていた」と驚く。
周囲は一様に「内門容疑者と一家の関係が分からない」と口をそろえる。近所のパート男性(74)は「仲の良い家族で、二人の娘さんが抱えるように緑さんを散歩に連れて行っていたのに」と顔をこわばらせた。
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