2009年05月23日

大阪のフレンチを見直した、エッソンス・エ・グー

関西の食べ仲間に連れて行かれた高槻のフレンチ。価格を考えるとビストロと言った方が良いでしょう。友里が知らない店でありましたが、シェフは恵比寿の「タイユバン・ロブション」の立ち上げ時に応援に行っていたと聞きましたから、その筋では有名だったようです。駅から徒歩で10分以上かかりますが、10卓ほどの店内は週はじめの夜だというのにほぼ満席でありました。
料理はメインが選択制のコースのみで6000円です。仔羊、鴨、和牛腿(赤ワイン煮)、白金豚、和牛ロース(+800円)など選択肢もあり何しろ追加料金が安くて良心的であります。
最初のアミューズを見てビックリ。稚鮎、こごみ、蕗の薹、葱坊主のフリットは前菜と言って通用する量でして、これだけでもお腹一杯になりそう。
サラダ仕立ての前菜は、ノレソレ、鮪のタルタル、ホタルイカなどが、でかい皿にてんこ盛り状態。質はそれなりですが、下処理もしっかりしており充分満足。マスタード風味は正にビストロと感じました。
箸休め的なキャベツのスープは、フォアグラとタケノコが入っていてビックリ。メインの肉に行く前に魚(食材は失念)のポワレも出てきます。これで6000円ですよ、信じられません。まずまず満足してメイン(仔羊)の登場です。野菜もたっぷり添えられ塩もしっかり利いており、これまた悪くはありません。高田馬場の「ラミティエ」ほどではないとしても、ここまでのCP良い料理を提供する店は滅多にないでしょう。
ワインの値付けも安い。ノンヴィンのシャンパーニュが6200円からラインナップ。勿論スティルも白、赤ともに非常に良心的でありました。今回は料理が安いことからレアな2万円前後のワインをいくつも頼んでしまいましたが、それでも5名での支払いが8万円台半ば。一人1万7000円は、この量、この調理、このワインを考えると安すぎるかも。
シェフはワインに拘っているようで、ワインサービスの度にホールに出てくるからか、皿出しが遅いのが唯一の問題点。近くなら何度でも通いたいですが、大阪駅近辺に宿泊する場合は帰りが大変です。友里的には1つ星に値する店だと考えますが、年末発売のミシュランではおそらく掲載されないでしょう。

ここまでディープ感にひたれるとは、チャンナム家

韓国料理に詳しい人のオススメで大食い仲間と訪問した韓国家庭料理店。新大久保駅から店までのディープ感ある街並みに驚く方が多いのではないか。路地の両サイドにあるラブホ群、今さら驚くほどウブな友里ではありませんが、まだ18時台だというのに、元気に出てくるカップルの多いこと。五反田駅近くのラブホ街を歩いたことがありますが、こんな早い時間に出入りする客はそうは見当たらないはず。しかも既に一戦(2戦かも)終わったということですから驚きです。目撃した何組ものカップル、いずれもその場で別々の方向へ別れてしまいました。うーん、これが噂の「デリヘル」というものなのか。日刊ゲンダイ愛読者の友里ですが、風俗欄だけ読み飛ばしていたことを後悔しました。そしてこの店の真向かいもラブホ。韓国料理店の周辺にラブホがあるというよりラブホ群に韓国料理店が点在している感じです。
まずはビールで突き出しのキムチやナムルをつまんでから海鮮チゲでスタートです。甘めのタレにはMSGの後味を感じましたがこの手の店では文句は言えません。センマイやユッケなどの生ものも味付けは甘く私の好みではなかった。隣客の真似して頼んだサムギョプタル、豚の三枚肉を焼いてニンニクと味噌をつけてサンチュで巻いて食べる物。オモニが半生状態を勧めますがウェルダン派にはちょっと厳しいかも。この辺りからマッコリがハイピッチになりました。看板鍋料理の1つ、ダックトリタンは鶏肉とジャガイモをコチュジャンやパプリカのスープで煮込んだ一品。色の割に辛くありません。度数の弱いマッコリでは、大食い、もとい、大酒飲みの女性陣は満足せず、ここからは韓国焼酎にチェンジしました。まだ足りないとのリクエストで頼んだのが私の好きなカムジャタンです。豚の背肉とジャガイモたっぷりのこの鍋も、赤坂の「古家庵」しか知らない私にはちょっと物足りない辛さでありました。最後の〆は残りのスープで造った雑炊。ようやく全員満腹になりましたが、飲んだ酒量も半端ではありません。ビールにマッコリ、そして焼酎も一人一本以上飲んでの支払いが何と5750円。こりゃたまらないCPです。酔っての帰宅時、ラブホネオンの誘惑に負けない方、辛い物が苦手な方にはオススメです。

2009年05月16日

鉄板焼にバブリーな内装が必要なのか、表参道 うかい亭

ミシュラン2009年版では1つ星をとってしまった鉄板焼店。バブリーなビルにバブリーな内装で、周りから完全に浮いた存在でありました。お金をかけた内装ですが、床は段差があってバリアフリーでないのが理解できない。設計者や施主は何を考えているのか。個室もドアがなく中途半端であります。今回は個人的な接待だったので最高値の2万4150円コースを頼みました。
まずはホタテのムースとコンソメジュレ。キャビア(オセトラ)も乗せて見た目はウケますが、ムースが生臭くジュレはコンソメの濃度が低い。続いて小さい伊勢エビが半尾出てきます。目の前の鉄板ではなく、厨房で調理してくるのが疑問でしたが、添えられたコライユソースはまずまず。続くトリュフ入りのコンソメスープはジュレと違ってまずまずでした。パフォーマンス色が強い鮑の岩塩蒸しは、ケイパー、レモン、エストラゴンから生ワカメまで乗せて蒸し、アサリのバターソースとポン酢(芥子と葛粉入り)で食する濃い味好きにはウケる一品です。追加で頼んだ鹿児島産のタケノコ(3本3150円)はまずまずでありました。鮑の肝がパセリソースと共に供されて主役の牛の登場です。
サーロインかヒレのチョイスですが、コースの基本は100g。薄すぎて火入れも難しいと判断して150gとしましたが、鉄板焼きそのものの限界か何ら傑出したものを感じません。〆のガーリックライスとデザートを食べての支払いはワインの値付けが高いこともあり1人4万5000円超と超高額となりました。
グラスシャンパンの最安値が2940円でしかもそれはロゼ。わざと高いものを用意しているとしか思えません。生ビールも950円とボッタクリに近く、ボルドーではCPよいとされている「バタイエ」や「ポタンサック」も1万5000円超はいかがなものか。このレベルなら、せめて1万円前後にすべきと考えます。呆れたのがイタリアのレアワインの値付けです。2000年の「カーセバッセ」がなんと8万円。まともなイタリアンでは3万円以下、小売りでも2万円台なだけにやり過ぎです。
鉄板料理としてはそこらのホテルと同レベルではありますが、高いワインを考えるとわざわざ訪問するべき店ではないと考えます。

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